ガルム隊が敵増援に向かっている頃
アントン《ゴルト1より各機、状況を開始する》
ゴルト1と名乗るこの男の名はアントン・カプチェンコ、元ドイツ空軍の戦闘機部隊「ゴルト隊」の隊長で最終階級は中佐。
元々彼が率いるゴルト隊はドイツ空軍のエース部隊だった。しかし彼らに・・・特にアントン・カプチェンコにはある容疑がかけられていた・・・
しかしそれは後々語るとして、ゴルト隊の向かっている先に彼らがいた。そう、ガルム隊である。
アントン《彼等の好きな殺し合いで、正義を決める》
━━━
━━━━
━━━━━
ピクシー《見えた、敵戦闘機部隊視認。》
サイファー《おそらくの
ピクシー《了解だ相棒!》
サイファー《ターゲットロック・・・FOX3!》
ピクシー《FOX3!》
シュバァァァァァ!
サイファーとピクシーがミサイルロックと同時にワイバーン専用の特殊兵装
ピクシー《何!》
サイファー《クソッ!全部避けやがった!》
シュバァァァァァ!
ピクシー《ミサイルだ!ブレイク!》
サイファー《クソったれ!》
なんと長距離空対空ミサイルを回避しきった上にミサイルの一斉発射してきた。
サイファー《おい、マジかよ・・・》
ピクシー《サイファー、奴等の機体を見たか!》
そしてガルム隊とゴルト隊がすれ違った瞬間、サイファー達は彼らの機体を見た。いや見てしまったというべきか。
サイファー《・・・見たさ、あんな特徴のある機体があるのはおかしいだろ・・・》
ガルム隊が見た機体、それは概念実証機としてわずか1機のみ造られた幻の機体
それが8機もあるというのだ。
サイファー《・・・奴等を潰すぞ!》
ピクシー《了解!》
すれ違った後に急速反転し、ゴルト隊の1機に向けて特殊兵装XLAA2発と機関砲を発射。
ドォォォォォン!
サイファー《1機撃墜!》
サイファーが1機撃墜、さらにピクシーもミサイルで追い込んだ後に機関砲で1機撃墜した。
《ゴルト4と7がやられた!》
アントン《落ち着け、訓練通りにやればいい。死にたくなければ私に続け。》
サイファー(ベールクトの存在は知っていたが・・・機体の性能は知らん、奴等の実力は・・・実力に関して他の機のパイロット達は勿論エース級だが、あのリーダー機・・・厄介だな、奴が動かしているな。)
ガルム隊に食いつかれて撃墜された2機を含む7機も並のパイロットでは間違いなく撃墜されるほどの実力を持っている。リーダーのアントン・カプチェンコはゴルト隊
の中ではおそらくかなりの実力者だ。
だが・・・
サイファー(だったら奴等を1機ずつ撃墜すればそれでカタがつく!)
サイファー《あいつら全部墜とす!行くぞ、
ピクシー《了解した
地獄の猟犬達の鋭い牙が金色のイヌワシ達に向けられた。
ピクシー《墜ちろ!》
シュバァァァァァ!
ドォォォォォン!
《ガァァァァァ!》
《ゴルト3がやられた!》
《こちらゴルト2、残りは何機だ!》
《こちらゴルト8!ミサイルを振り切れない・・・ギャアアアア!》
ガルム隊によって1機、また1機墜とされていく。徐々にアントンにも焦りの色が見え始めていた。いや、アントンだけではない。ゴルト隊全員に焦りと怯えの色が見え始めていた。
アントン(どういう事なんだ・・・たかだか2機で我々が押されている!何が・・・何が彼らを動かしているんだ!)
しかし焦りと同時に、ある違和感を感じた。
アントン(いや、それよりも搭載されているミサイルの弾数だ!機体に積まれているミサイルの数がおかしい!最初の会敵とさっき放ったミサイルを全弾撃ち尽くしたはずだ!)
驚くのも無理は無い、企業連が製造した機体・・・
実は機体にISのコア━━といっても
ただし
確かに
サイファー《おら墜ちろ!FOX2!》
シュバァァァァァ!
アントン《くっ!全機フォーメーションを・・・》
サイファーのミサイルをかわしつつ、アントンはゴルト隊の残りにフォーメーションの再編の指示を出そうとしたまさにその時!
ピクシー《喰らいな!》
シュバァァァァァ!
アントン《な・・・!》
ドォォォォォン!
かわした瞬間のピクシーのミサイルがアントンの機体に直撃した。ただ、当のアントンはベイルアウトしたようだ。
サイファー《命中!》
ピクシー《残りを片付けるぞサイファー!》
サイファー《おうさ!》
それから数分の間にガルムによってゴルト隊は全滅、増援部隊の殲滅は完了した。
ピクシー《さぁ、急ぐぞ相棒!あいつらも首を長くして待っている!》
サイファー《よーし行くか!》
ゴルト隊を撃破したガルム隊は直ぐに反転、
一方IS部隊はというと・・・
マギー《ミサイル来るわよ!》
真琴《来る・・・》
メノ《散開!》
シュバァァァァァ!
メイ《ミサイル飛来!ブレイク!ブレイク!》
ナターシャ《くっ!》
マグノリア隊、サンシャイン隊、シルバー隊はスピリダスのミサイルに少々手をこまねいていた。
ただ一人・・・
イーリス《だったら・・・》
スピリダスに単機で取り付いた
イーリス《力づくで潰すだけだろ・・・》
イーリス《そぉぉぉら行くぜぇぇぇぇぇ!》
ガシャアアアアアン!
スピリダスのジャミング装置をナックルで破壊し、直ぐ様
イーリス《うぉらぁぁぁぁぁ!》
ガァァァァァン!
もう1つのジャミング装置を加速による
真琴《ECM・・・止まっ・・・た・・・》
ナターシャ《全く・・・だけど悪く無いわね、よくやったわイーリィ!》
メイ《ミサイル発射スタンバイ、行くわ!》
イーリスがジャマーを発見と同時に破壊、ECM機能が消失した。
真琴《マギー・・・ちゃん・・・行こ・・・う》
マギー《ええ、行くわ真琴!ターゲットインサイト、行って!》
ナターシャ《こちらシルバー1、ミサイル発射!》
シュバァァァァァ!
シュババババババ!
打鉄・甲の
ドガガガガガガ!
━
━━
━━━
スピリダス艦内
ズウウウウウン!
「ミサイル発射管潰されました!」
「ECM機能消失、右舷及び左舷上翼損傷53%、高度が落ちています!!」
「対空機関砲全門喪失、防御システム全て機能停止しました!」
スピリダス艦内に鳴り響くアラーム音、スピリダスの防御の要と云える対空機関砲群は彼女達によって破壊されていた。
艦長「クソっ!ジャマーが破壊されたのか!」
「ミサイル第二波来ます!」
「敵部隊、後方に回り込みました!」
艦長「やむを得ん・・・バラウーダを起動させろ!」
「艦長、今の状態でバラウーダを撃てば機体が持ちません!」
艦長「構わん!発射じゅ・・・」
ズウウウウウン!
「バラウーダ破壊されました!」
「さらに後方に2機接近!先ほどの敵機です!」
艦長「馬鹿な・・・」
━━━
━━
━
サイファー《こちらガルム隊、敵増援は撃破した!残りはデカブツだけだ!》
マギー《こちらマグノリア1、シルバー2がジャマーを破壊したわ!》
ピクシー《あいつか、中々面白い戦い方をするじゃないか。》
ナターシャ《こちらシルバー1、敵砲台破壊!》
サイファー《了解したシルバー1。ガルム1から全機へ、これでラストダンスだ!行くぞ!》
真琴《了・・・解・・・》
サイファー《天使とダンスだ!続け!》
航空要塞との戦いも終盤を迎えつつあった。
次回、スピリダスの決着です。