でも実際は違っていたとのこと。
7/8冒頭加筆いたしました。
10月初め頃
ある衛星が軌道を変え、地球に目掛けて落とされようとしていた。
《降下プログラム受諾。降下シーケンス開始。》
その軍事衛星の名はエクスキャリバー。
全長500mに及ぶ巨大な剣の形をした代物であり、対IS用戦略レーザー兵装をはじめ、本体にもデブリ破壊及び隕石破壊用の小型レーザーユニットが多数配備されている最強の衛星兵器である。
《ブースター点火5秒前。4,3,2,1・・・点火。》
その聖剣の名を持つ衛星が
《メインブースター点火。目標ワシントンD.C.。コレヨリ降下開始。》
悪魔となって、地上に死を与えようとしていた。
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ローディー《アメリカ軍の軍事衛星が軌道を変えた?》
リリウム《間違いありません、ローディー様。企業連の情報部隊がつい先程、その情報を入手しました。》
王《誰の仕業だ。》
リリウム《機関の残党が宇宙局のメインサーバーにハッキングを行い、エクスキャリバーのコントロールを奪ったようです。》
束《機関ねぇ・・・またあいつらか。》
アレクサンドル《奴等め・・・》
リリウム《ですがご安心ください。すでに最強と名高い方々がエクスキャリバー破壊の為に出撃しております。》
オッツダルヴァ《・・・かつての空の英雄達か・・・》
隆文《あの戦いで参加した戦闘機乗り達か。彼等が今回の要という訳か・・・》
束《あの人達なら必ずやれる。空を駆け抜け続けた彼等なら・・・》
ウィン・D《計画を壊す者達・・・か。》
王《我々に出来ることは・・・成功を祈るだけか。悔しいな・・・》
ネオニダス《世の中ままならんものだな・・・だが、彼等に託そう。》
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エクスキャリバーは徐々に高度を下げていた。ゆっくりと、地上の目標・・・ワシントンD.Cへ・・・
だが、機関の残党達のつまらない妄執を打ち砕くため、かつての空の英雄達がエクスキャリバーに向かっていた。
高度18500mにいる、巨大な剣をへし折る為に・・・
ブレイズ《ラーズグリーズリーダーより全機へ、これより作戦を開始する。》
アルヴィン《こちらチョッパー、了解。》
ナガセ《こちらエッジ、了解。》
グリム《こちらアーチャー、了解。》
スノー《こちらソーズマン、了解。》
グリム《隊長、あんな大きなモノを破壊するのですか?》
ブレイズ《やるしかないんだよ、グリム。俺達の空を・・・あんなモノを落とそうなんて連中の妄執を打ち砕くためにな。》
アルヴィン《リリウムのねーちゃんにお願いされたらな、断れると思うか?グリム。》
グリム《なんで僕に振るんですか!》
スノー《お喋りは終わりだ、二人とも。あと3分で目標だ。》
ナガセ《後方から複数の反応!これは・・・》
ブレイズ《・・・どうやら、来たようだな。》
後方から複数の機体の反応、それは・・・
パステルナーク《こちらシュトリゴン隊リーダー、ラーズグリーズ。聞こえたら返事してくれ。》
レイレナード所属の16機の戦闘機部隊、シュトリゴン隊である。ラーズグリーズ隊と共にエクスキャリバーを破壊する為に、この作戦に参加したからだ。
ブレイズ《こちらラーズグリーズリーダーブレイズ。シュトリゴン隊、来てくれてありがとう。》
パステルナーク《なーに気にするな。俺達もあんたらと同じ戦闘機乗り、共に一仕事と行こうじゃないか。》
彼等も空を駆け抜けた戦士、共に戦うことに理由なんて必要なかった。
パステルナーク《それに、俺達だけじゃないぜ。》
グリム《後方にさらなる反応!》
彼等と共に戦う者達はほかにもいた。
タリズマン《こちらガルーダリーダー、タリズマン。我々にも手伝わせてくれ。》
サイファー《ラーズグリーズリーダー、こちらガルム隊リーダーのサイファーだ。俺達も参加するぜ。》
ピクシー《俺達も力を貸すぞ。》
アルヴィン《お、ローゼンタールのガルーダ隊じゃないか。》
グリム《前の戦いではお世話になりましたからね。》
スノー《それにオーメルのガルム隊だな、なかなか壮観な眺めだな。》
ナガセ《凄い・・・鬼神や片羽の妖精まで・・・》
グリム《まるでエース部隊のパレードですね。》
ローゼンタールのガルーダ隊、オーメルのガルム隊がエクスキャリバー破壊の為に来たのだ。
シャムロック《君たちと同じさ・・・みんな・・・》
この空にいる彼等は国境を越え、所属を越えた戦士達。
彼等の思いは
今、一つになった。
例え誰が立ち塞がろうが、彼等に敵は無し。立ち塞がることなんて出来る訳がない。
ブレイズ《全機へ、作戦地点に到達だ。》
トーシャ《なんて大きさだ・・・》
タリズマン《あれが・・・エクスキャリバーか・・・》
サイファー《こいつは・・・骨が折れる仕事だな。》
アルヴィン《だけどな・・・》
グリム《やりましょう、隊長!》
ナガセ《行きましょう!》
スノー《俺達でこの空を!》
パステルナーク《やるぞ!》
ブレイズ《全機へ、作戦開始!オペレーション・ラーズグリーズ開始!天使とダンスだ!》
《了解!》
彼等はエクスキャリバーに到達。ついに作戦が始まった!
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パステルナーク《シュトリゴン隊全機、レーザーに当たるなよ!》
ダリオ《アレクセイ、トーシャ、チコ、ガルーダ隊の援護に行け!》
トーシャ《シュトリゴン12了解!》
チコ《シュトリゴン14了解!》
アレクセイ《こちらシュトリゴン3了解!続け!》
戦闘機部隊はエクスキャリバーと会敵。エクスキャリバーはラーズグリーズ達が接近と同時に本体の小型レーザーユニットを照射。
張り巡らされたレーザーが彼等に襲いかかる。しかし・・・
アルヴィン《当たる訳・・・ないだろ!》
タリズマン《舐めるな!》
彼等の実力はエクスキャリバーを超えるものである。
ガルム隊の乗機はオーメル製戦闘機
サイファー《フォックス2!》
ピクシー《フォックス2!》
タリズマン《ガルーダ1、ドライブ!》
シャムロック《ガルーダ2、ドライブ!!》
《シュトリゴン、ドライブ!》
ガルム隊は
ラーズグリーズ隊も負けていない。彼等はインテリオル製戦闘機、
スノー《フォックス2!》
グリム《フォックス2!》
アルヴィン《フォックス2!》
ナガセ《フォックス2!フォックス2!》
ブレイズ《フォックス2!》
彼等もレーザーの網をくぐり抜け、エクスキャリバーにミサイルを撃ち込んでいく。
ナガセ《破片が剥がれていく!》
タリズマン《破片なんかに当たるなよ!》
エクスキャリバーの装甲が剥がれ、内装が剥き出しになっていく。
トーシャ《レーザーの網が減ってきている・・・》
ダリオ《チャンスだ!》
サイファー《やるぞ!ブレイズ!》
彼等は飛び続ける。
ナガセ《まだよ!まだ飛べる!》
グリム《僕らの後ろに大勢の心!前には大勢の人達の命!》
ピクシー《人が作ったものは必ず止められる!俺達なら!》
パステルナーク《俺達はあの朝日の先をも飛び続ける!》
ナガセ《もっと先へ!もっと!もっと!もっと!》
死を与えようとする剣を越え、昇り続ける朝日の向こうの果てまで
シャムロック《僕らはあの先へ!あの大空の果てまで!》
スノー《奴等は最悪のカードを並べた。だが・・・》
アルヴィン《だからこんなところで・・・・墜ちる訳には行かないんだよ!》
戦士達は飛び続ける。
ナガセ《ここが私達の空、ここを超える!》
タリズマン《ブレイズ、止めだ!》
ブレイズはADF-01の最後の切り札、機首部の
ブレイズ《墜ちろぉぉぉぉぉぉぉ!》
放たれた一撃が、エクスキャリバーに直撃。そして直撃と同時に崩壊が始まった。
タリズマン《やったな、ブレイズ!》
パステルナーク《ああ、終わったな・・・》
ピクシー《よう相棒、生きてるな?》
サイファー《あたぼうよ、死んでたまるか。》
全機が離れ、高度15000付近で完全に爆散。
ブレイズ《作戦完了。全機へ・・・お疲れ様、みんな帰ろう。》
巨大な剣は砕かれ、機関の妄執は彼等によって終わりを告げた。
悪魔は死に、英雄は大空に舞い戻る。
ガルム隊も出しました。