こうなった。~世界を作ったら~   作:彼是

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第二十二話 初畑

新しい家に引っ越してこれからの事を相談していた。

内容は畑の事から魔物の話になった。

基本的な魔物の対処は三つだ。

一つ倒せる魔物は倒す。

二つ倒せない魔物から逃げる。

三つ見た事無い魔から逃げる。

魔物は強く厄介で対処が難しい。

ここで新たに冒険者という選択肢が出てきた。

 

「じゃあ将太とミーナが挨拶周りと冒険者の情報集め、俺は畑仕事かな?」

 

「いいと思う。俺はまだ村の人達とそこまで顔を合わしてないし丁度いい機会だよ」

 

「わかりました!」

 

「そうだこれ」

 

翔太は席を立ち木版を大量に持ってくる。

アイツヘルニア持ってるけど大丈夫か?

 

「将太、そんなに持ってヘルニアは大丈夫か?」

 

「ああ、こっちに来てからすげー調子いいんだ。でこれが畑の耕し方、こっちが植え方やお勧めの種類だ」

 

木目にはこっちの文字(・・・・・)や絵でびっしり書かれていた。

ショックだ・・俺はここまで書けないのにコイツもうここまで書けるのか・・

てか絵うまいな。

 

「・・なんでこっちの文字なんだ?」

 

「いや、練習の為にな絵も付けてわかりやすいと思うがわかりにくかったら教えてくれ」

 

「あ、ああ」

 

コイツハイスペック過ぎる。

流石将太。

 

「じゃあ俺達は行くよ」

 

「俺も準備をして畑に行くよ。いってらっしゃい」

 

「いってきます!」

 

二人が出た後俺は木板を見る。

えっと・・クワ、スコップなどで土を耕す事。

土は空気に触れていないと硬くなり植物が育ちづらい。クワやスコップを使ってしっかりと耕す。

畑を耕すと同時に雑草や石があれば除去します。しっかり耕すと地中の殺菌や病害虫の予防となります。

なるほど、建築や何でもそうだけど土台が大事みたいだな。

今日は耕す事をメインでやるか。

 

ミーナ達が用意してくれたクワ、スコップ、金バケツを持って俺達の畑に向かう。

あ、軍手とか手袋あったら良かったな・・

 

「畑の形が歪なのは聞いてたが凄い形だな」

 

畑の形は上空から見たら□に見えるだろ。

理由は真ん中に平べったい大きな石がある。

日を最切らない程度大きい。これは・・邪魔だな。

畑は程度手入れはされてるがそのまま畑にするには厳しそうだ。

ポイント的にいきなり全部使うのは無理なので一列を耕す事にする。

 

「てかこんな平べったい石なんてあるのか?」

 

明らかに人為的な物だぞ?

触ってみるが日が当たってすごく熱い。

・・・肉が焼けそうだ。

 

「あっつ!!」

 

アスファルトより熱い気がする。

まさか昔の人が作ったホットプレート?

そんな訳ないな・・

 

「さて仕事するか・・」

 

木板を見る。

えっと。

雑草を綺麗に抜き見える範囲で石を取る。

その後クワやスコップで土をほぐし土に空気を入れる。

 

雑草と石をこの長さ?

4メートルぐらいあるよ?

やるか・・・

 

ひたすら雑草をまず抜く。一心不乱に抜く。

出来るだけ根元から根を残さない様に根を軽く掘じり抜く。

抜いた雑草はそのへんに捨てるとそこからまた生える。

だから金バケツに入れ半分ぐらいになったら平石にぶちまける。

平石は干し場になって丁度いい。

が・・これがキツイ!何しろ薄い鉄で出来たバケツだ。

持ってしゃがむ、雑草を取る入れる。

立って進む、しゃがむを繰り返しいっぱいになったら平石にぶちまける。

この繰り返しだ。

 

2時間程で玉の様な汗が額から地面に落ち地面を潤す。

背中はまるで行水した様になっている。

 

水飲みてぇ・・なんで俺は水を持ってこなかったんだ・・

スゲー暑い。平石に乗った(乗せた)雑草がもうカラカラになってる。

まだ2メートル程しか進んでいない。

 

休憩でもするか・・

これは思ったより大変だぞ・・甘く見てたわ。

 

井戸に向かい水を飲み少し休憩してから畑仕事を再開する。

クワ入れは明日だな。

 

 

 

「お~い」

 

「ん?」

 

畑の雑草を抜き次に小石を抜いていたら翔太の声が聞こえて振り向くと将太とミーナがこっちに歩いて来るのが見える。

 

「お~お疲れ。どうだった?」

 

「おう。中々いい話を聞けたよ。クロは・・・頑張ったな」

 

「お疲れ様です!すごく進んでます!凄いです!」

 

将太は苦笑い、ミーナはすごいと褒めてくれた。

まあ俺も苦笑いしたくなる褒めてくれと思う。

目の間には平石に雑草が山のように積まれていた。

ちなみに小石もまあまあ積まれていた。

 

「反面もよくやるよ」

 

そう。まさかの半分もやってしまった。

気分が乗ったわけではない。

理由があった。ポイントが増えたのだなんと16ポイントだ!

 

「理由があってな。ポイントが増えたんだ」

 

「マジで!?」

 

「本当ですか!」

 

「ああ」

 

理由はわからないが休憩中にステータスを覗くと

 

名前 黒須 黒夜

種族 人間

レベル 2

スキル 鑑定 マップ 変換16ポイント

呪文  無し

魔術  無し

 

レベルが上がった!ポイントも増えた!

最近ステータス見てなかったがまさかレベルが上がるなて思いもしなかった。

後はポイントが変換ポイントに名前が変わってるぐらいだ。

 

「ちなみにレベルも上がったぜ!」

 

「おお!」

 

「よかったです!」

 

「ありがとう。丁度終わるとこだし帰るか」

 

「はい!今日はお祝いにいっぱいご飯作りますね!」

 

「それは楽しみだ!俺も手伝うよ!ミーナいつもありがとうね」

 

「お料理は好きですから。クロさんと料理するのも・・

 

「?ごめん最後の方聞きとッツ」

 

「ごめんごめん。ついな・・」

 

ミーナが最後の方に言った言葉が聞き取れなくて聴き直そうとしたらいきなり将太に蹴られた解せぬ。

 

 

 

 

 

 

「そういえば将太は何レベルなんだ?」

 

「俺?15だよ。クロは?」

 

「・・・・15だよ・・」




ついに・・・レベルアップ!別にどうしたですが・・
クロの難聴は普通に声が小さかっただけで別にクロが鈍感系とかではないです。

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