こうなった。~世界を作ったら~   作:彼是

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書き方を変えました。
読みやすく伝わりやすくなってますかね?


第二十話 新たな家

ギルイットさんと話し合いから数日後、将太と俺は新たな家に移り住む事になった。

家の場所はミーナの家から少し入った所で大きさは元の世界で言う3LDkだった。

畑を2つも貸して貰った。水田を作りたいので水場が近く、当分使わない場所と日当たりがいいが形が地形上歪なので様々な野菜を作る俺達には都合がいい場所を貸してもらった。

 

「クロさん!引越しお手伝いしますよ!」

 

ミーナが引越し手伝うと言ってくれたが荷物は殆ど無い。

俺達が引っ越す空家は元々村の人が緊急用や結婚した時等に使う家で定期的に清掃し整備してるから直ぐに入居出来る。

将太の荷物も無いしあるとしたら服ぐらいだ。

それもスーツケースを持ってきたらしく直ぐに引っ越せる。

・・・ちなみに翔太の持ってきた服は半分交渉(没収)し村の人に提供し新しく作れるか交渉した。

絹がないので麻で作る事になるが今の服よりマシになるだろう。

ポイントが貯まったら桑の木と蚕を飼うか。

 

「引越しと言っても荷物は少ないしね。気持ちだけ貰っておくよ。ありがとう」

 

「そうですか・・」

 

ミーナの耳が垂れてしまった。

何か手伝って貰った方がいいかな?

でも特に無いんだよな。

あるとしてもギルイットさんが用意してくれた家具の模様替えだが大きさが違うミーナに手伝って貰うほど俺は鬼畜じゃない。

 

「あ~ミーナ。やっぱり手伝ってくれる?引越しが終わったらお腹が減るだろうし、お昼ご飯を作って貰える?」

 

「はい!任してください!」

 

耳がピンと立ち元気に返事してくれた。

やっぱりミーナは元気が一番だな。

 

「じゃあ行くか」

 

「ああ」

 

「はい!」

 

引越しはスムーズに終わった。

てか本当にやることが無かった。

先ずはキッチン周りを綺麗にしてミーナにご飯を作って貰う。

ご飯が出来るまでの間に模様替えをする。

といっても家具の位置は変えなくてよさそうだったし部屋決めぐらいだった。

 

「じゃあ今後の予定と役割でも決めるか」

 

ミーナの作ってくれたお昼ご飯を食べながら相談する。

ちなみに今日は蒸し野菜。

塩味で美味しい。

 

「予定ですか?」

 

「うん。まず畑、水田等の農業。家事や服等の日用品。この二つをやってみたい」

 

「ちょっと待ってくれ。家事はわかるが日用品?」

 

「ああ。この世界は魔石ありきだったせいで生活がアンバランスなんだ。だから魔石無くても生活が豊かにしたい」

 

「気持ちはわかるが・・」

 

「この村を俺達を受け入れてくれたろ?恩返しにな・・」

 

「はあ・・わかったよ。まあ生活が豊かになるのはいいことだしな」

 

「ありがとう」

 

「わ、私も手伝います!」

 

「ミーナ・・ありがとう」

 

「じゃあ、決めるか基本的に俺が調べる、クロが出す。みんなで育てるか?」

 

「うん。でもポイントが全然貯まらないからギリギリまで貯めるよ」

 

「それがいいだろな。ポイントの貯め方がわからないからな」

 

ポイントは貯まっていない。

前回から変わらずの11ポイントだ。

条件が不明すぎる。もう少しわかりやすくてもいいと思うんだ。

 

「まずは米か野菜だと思うんだが・・意見はあるか?ミーナはこれがあったらいいのにながあれば教えてくれ」

 

「ん~クーラー?」

 

「えっと・・水汲みです」

 

水汲みと涼しくか・・

水道?スプリンクラーっていうのか?

 

「水道を張り巡らせて、噴水や下から水を出すスプリンクラーを作る?」

 

「水道!?無理だろ」

 

水道は無理でも水路ならできるんじゃないか?

確か江戸時代や古代ローマで水道の代わりに地下に水路を張り巡らせてたと聞いた事がある。

 

「水路ならどうだ?」

 

「水路か・・調べてみるか」

 

将太が能力で水路を調べてくれている。

その間にミーナにいくつか質問してみるか。

 

「ミーナは水路って聞いたことあるかい?」

 

「水路ですか?畑の近くにあるアレですか?」

 

「多分そうだと思う。俺達が作りたいのは家の下にそれを引いて井戸に行かなくて済む様にするんだ」

 

「すごいです!」

 

「あ~いいか?水路について説明するぞ」

 

「よろしく」

 

「水路は簡単に言うと人工の川だな。水は上から下に流れるだろ?山から石や木で道を作り水を流す」

 

「じゃあ木で作るか?」

 

「木だと腐るぞ?だから定期的に整備するみたいだな」

 

「まずは木で作ってギルイットに許可貰って石ってのは?」

 

「いいね」

 

「あの~」

 

ミーナが申し訳なさそうな声を上げた。

どうしたんだろ?

 

「どうした?」

 

「えっと・・水路って大きいですか?」

 

「そうだね」

 

一本は小さくても村全体になると大きくなる。

 

「そうですか・・では水路は難しいですね」

 

「え?どうして?」

 

「えっと・・魔物が来たら村を捨てる事があるので・・」

 

「魔物か・・・そんなにヤバイの?」

 

「はい・・私が生まれてから3回村を捨ててます」

 

「え?マジで?」

 

初耳だ。

 

「捨てた村は?」

 

「魔物が居なくなったら物を回収して破棄し別の村を作ります」

 

ミーナは表情が無くなり淡々と話す。

こんなミーナは見た事が・・・あった。

前に魔物の話をした時もこんな感じになってた。

 

「魔物か・・」

 

いつも元気なミーナがここまで変わるもの・・魔物か。

畑や日用品なんかよりも先に魔物の事を何とかする方がいいな。

 


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