こうなった。~世界を作ったら~   作:彼是

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最近海外ドラマを見てるが面白い。
なかなかヤバイ。

すまんな。長い。


第十五話 狩 中盤 

休憩中にストレッチをする。

 

軽くマッチョになったが筋を痛めたり肉離れを起こさない様に隙をみてやる。

効果は知らない。本当に正しいかどうかは未来の俺が知ってるだろう。

 

「クロは変わってるよな」

 

「そうですか?」

 

俺からしたらこの世界が変わってるがな。

 

「さあ休憩も終わりだ。クロさんもう少しで罠がある場所です。この辺からは注意してください」

 

「はい」

 

さて、ここから本番だ。

ここまでは人?の土地だらかある程度安全だし罠も無かった。

だがここからは獣の住処(テリトリー)だ。

獣の生息圏、住処、狩場だ。

 

俺は注意深く慎重に進む。

他の狩人が仕掛けた罠は無いか?

蔦で足を引っ掛けないか?

葉っぱや枝で腕を切らないか?

虫や蛇などの生き物が近づいて来ないか?

音は最低限か?

自分なりに考えて本気で注意する。

 

「「「・・・・・」」」

 

みんな話さない。

ここからは獣の住処(テリトリー)だ。

音一つ匂い一つで獣を刺激し興奮させる。

獣は敏感だ。

自分の領域に入った匂いや跡等は許さない。

俺達は無断で入り荒らす。

それだけで獣的には判決は死刑。

俺達はこの獣を狙う。

罠はいくつか作る。

 

一つは

俺達が通った場所に罠を張る。

俺達を警戒して俺達を狙った獣を狙う罠。

 

二つ目は

俺達ワザと荒らした場所に罠を張る。

俺達に怒った獲物を狙う罠。

 

三つ目は

獲物の道を探しそこに罠を張る。

獲物が気付かず普段通りの行動で仕留める罠。

 

四つ目は

寝床を見つけてそこに罠を張る。

寝床は獲物にとって大切な場所だ。そこに張る罠。

 

大体が三つまで。

四つ目は運よく見つけれた場合のみ。

そしてもし獲物が罠にかからなかった場合は罠を取って覚えておく。

その場所の獲物は頭がよく罠にかからないし俺達を襲わず黙認するだろう。

らしい・・・・

 

 

俺達は罠を確認する前に軽く休憩していた。

 

もしその場所の獲物が死んだら?

 

獣の匂いが付いてる限りよっぽどじゃないと荒らさないし入らない

 

ちなみにもし襲ってくる獣だったら?

 

その時は

 

教えてくれていたタニアさんは獣の首をつかんでその首を絞める振りをした。

それを見ていたリットンさんが槍を突き刺す振りをした。

 

・・・勉強になります

 

クロならすぐ出来るよ。今日初めてなんだろ?全然なってないけど、初めてのリットンより遥かにマシだよ

 

確かに

 

俺達の小声を拾ったマキマムさんも話に乗ってきた。

 

待って!俺そんなに酷かったか?

 

ああ、お前は初めての時枝や罠踏んだだろ?

 

・・・そうだっだか?

 

そうだよ!

 

まあ、落ち着け。そろそろ行くぞ?

 

はい

 

俺達は更にゆっくりと進む。

もし罠にかかった獲物がもし俺達に気づいたら暴れるからだ。

 

「「「・・・・」」」

 

さっきと違いみんな真剣な表情になった・・・気がする。

微妙な表情までわからん。

 

トントン

 

「?」

 

急に背中を軽く叩かれる。

振り返るとタニアさんは指を唇に当て静かにとハンドアクションした。

立ち止まると前を歩いていた二人も立ち止まっていた。

 

「・・・・」

 

二人が見ている先を見る。

よく見ると15メートル程先に3本の角が生えた鹿がうずくまっていた。

 

三本角の鹿か・・・

見れば顔は堂堂としていて角は王冠、まるで王者の風格だ。

・・・足に罠がかかってなければ。

 

トントン トントントン

 

タニアさんが俺の肩を叩き二人が回りを見る。俺とタニアさんは鹿の見張りとの事だ。

頷くとリットンさんとマキマムさんはゆっくりと森を進んで行く。

 

「「・・・」」

 

俺は鹿の見張りをする。

鹿は何もしないが俺はしっかり仕事をする。

 

 

 

鹿の耳がピクリと動いた。

 

 

トントン

 

 

タニアさんを突いて教える。

 

「・・・」

 

トントン

 

俺に返事を返したタニアさんは槍の鉄の部分を俺の居る木の上辺りを照らす。

 

「・・・」

 

少ししたら光が重なったのか光った所が強くなる。

その後左右上下させる。

タニアさんが槍を戻し投げるモーションに入る。

 

「・・・」

 

目線を俺の横にある小さな石を向ける。

その後クイッと鹿に向ける。

 

(投げろ。ってことかな?)

 

俺は軽く投げるモーションをする。

頷かれたので鹿に向かって投げる。

 

(相手に向かって・・・シューット!)

 

投げた瞬間の空気を切る音に気付いたのか石を投げた時、鹿の耳が動いたのが見えた。

 

(嘘!?だけど無駄だ!)

 

鹿の首がこちらを向く。

投げられた石はもう鹿から5メートルも無い。

 

(よし!ゴール!!)

 

鹿はしゃがんだままジャンプし石を避けた。

 

(はあ!?なんだあの動き!?)

 

しゃがんでる待機姿勢からのジャンプなんて・・・・コイツどこぞの男爵か!?

 

鹿は足を庇いながらさっきと違う場所に着地しそうになる。

 

「ん!!」

 

その場所にタニアさんが槍を投げる。

槍はまっすぐに鹿に向かう。

このままなら着地した瞬間に槍が刺さる。

 

バン!

 

大きな音と共に鹿の体がズレる。

足に力を溜めていたのか浮いている状態で足で地面を蹴った。

投げた槍は地面に刺さり鹿はさっきとは違う場所に着地した。

その瞬間、鹿の首に槍が二本刺さる。

 

「フィィィィ・・・」

 

鹿は一鳴きし動かなくなった。

 

「・・・・」

 

俺はタニアさんに目で合図するとタニアさんは首を縦に振る。

そうしている間に更に二本が体に刺さる。

 

「フィィィ!!」

 

槍が刺さった鹿は暴れる。

 

マジか・・完全に死んだと思ったわ。

 

「・・・・」

 

散々暴れた後は静かになった。

タニアさんが石を投げた。

 

「・・・・」

 

鹿は沈黙したままだ。

タニアさんは持っていた予備の槍を投げた。

 

「・・・」

 

鹿の胸に刺さるが動かない。

 

「よし。クロどうしたらいい?」

 

「えっと。まず大きな枝を見つけ吊るします」

 

急に話かけれて戸惑ってしまった。

 

「枝か・・・アレはどうだい?」

 

タニアさんが指差したのは十分程の大きさの枝がある。

 

「アレなら大丈夫です」

 

俺は持ってきた枝付きのロープを投げ枝に通す。

その後ロープで鹿の足を括るんだが・・・

 

「・・・・」

 

思ったよりグロイ。てか無理。

血の匂いがヤバイ。吐きそう。

 

「はぁ。どうすればいいんだい?」

 

「・・すみません・・・足を括り首の槍を抜いてロープを引っ張り固定して血を抜いてください」

 

「はいよ」

 

リットンさんとマキマムさんが合流して作業は三人がしてくれた。

思ったより血が出ている。

・・・・きっついわ・・・無理だわ・・・

 

俺は見える程度にそこを離れた。

 

 

 

スッキリ

 

 

 

 

「もう血が出ないな」

 

「お待たせしました」

 

「復活したかい?」

 

「はい。もう大丈夫です」

 

「顔青いぞ?」

 

「気のせいです」

 

「そうか」

 

「血が出なくなったらそれで血抜きは完了です」

 

「これが血抜きか・・」

 

「血の量がやっぱり多いな」

 

「これは魔物が寄って来そう」

 

「ん~あ。もしかしら血を抜く前に穴を掘ったかも・・」

 

「なるほど。穴を掘ったらそこを埋めるだけか・・」

 

「匂い消しを使うのは?」

 

「それならポールはどうだ?」

 

「いいね。アレはよく聞く」

 

「まずは穴掘って血の部分は埋めるか・・」

 

「あ、俺穴掘ります」

 

「なら俺は警戒。リットンは武器手入れ、タニアはポール探しだ」

 

「はいよ」

 

「わかった」

 

「わかりました」

 

さて穴掘るか。スコップ等は無い。

あるのは・・・手、槍、枝、後はナイフ。

作るか・・

俺はまず簡易のスコップを作り始めた。

ある程度の木を持ち手と平たい板の部分に分け噛ませる。

そんな簡単に出来るかって?

ナイフめっちゃ切れるし。まあ、手先は器用だしな。

枝を二つに割る。半月の形の枝を多く作る。

でそれを固定する持ち手。

って思ったが普通に無理。ロープ使ってスコップにした。

ちなみに一部始終をタニアさんに見られた。

これは村に戻ったらめっちゃいじられるな・・・




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