こうなった。~世界を作ったら~   作:彼是

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頑張って書いたのに一度消えるという事件発生。
マジ泣きたい・・・

長いです。幕間楽しすぎ・・・本編もう少し待ってね。

後クッソ酷いモンスターのイメージ絵を入れました。


幕間 リザードマン

「お断りします」

 

藁で出来た大きめの竪穴式住居中の様な建物の中に男の声が響く。

中には麻の服を着た緑色や黒色の鱗が特徴の7人のリザードマンがあぐらをかいていた。

5人は半円上に座っており奥には一際大きい体を持ち大きの傷が目立つ濃い緑の鱗のリザードマンが座りその隣には驚愕の顔をした周りより一際小さなリザードマンがちょこんと座ってた。

 

「すまない。聞き取れなかった。もう一度言ってくれないか?」

 

部族の代表者の5人の内の一人【ガガル ガリア】が奥の我が子【リューベ ガリア】に少し威圧的に聞く。

 

「お断りします」

 

今度もはっきりと大きな声でそう言った。

先程は皆が話しておりもしかしたら聞き間違いではないか?考え直せ。という意味も込めたのだが・・

 

「いきなりなんだ!」

「どういうことだ!?」

 

周りの代表者が騒ぎ立てる。

マズイな・・・

 

「落ち着いてくれ!リューベよ?どうしたんだいったい」

 

「そう、そうです!どうして!どうしてですか!?」

 

俺の声で我に帰ったのかリューベの隣の【ナナ ガリア】がリューベにすがり付き慌てふためく。

 

「ナナ。落ち着いてくれ」

 

リューベはナナの肩を掴み、落ち着かせる。

 

「・・どうしてですか?結婚出来ない理由を教えてください!」

 

ナナは泣きながらリューベに悲願する様に質問した。

 

「そうだ。お前は18になった。ナナも卵が産める年だ。なぜだ?」

 

成人の儀も済ましたしいきなりどうしたのだ。

 

「俺は・・・」

 

 

 

 

 

 

俺はあの時、ガリア湿地へ狩りに出かけていた。

得物はいつも使っている大槍だ。

狩りは順調でカモや猪も直ぐに狩れた。

順調過ぎて退屈だった俺は狩った獲物は直ぐ運べる様に準備してからもう少し散策する事にした。

 

 

少し奥まで行くと俺は嫌な気配を感じ背の高い草に身を隠した。

嫌な気配の正体は直ぐにわかった。

数メートル先に黒い筒型の魔物【ホルム】が浮いていたんだ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ホルムは色は様々で筒型 壺型 葛篭型つづらの三種類がいる。

筒型は空洞の部分から見えない何かを飛ばしてき非常に危険だ。

筒状の体中に目や口が不規則に付いており死角らしい物は無い危険な魔物だ。

 

(どうしてホルムがこんな所に!?)

 

元々ホルムは山に住む魔物で山のゴウヤの部族がよく話題にしている魔物だ。

 

ホルムはその構造状、一度に前後にしか攻撃が出来ない。

なので基本は3人で場外物を利用して狩るのだが・・

 

(まずい・・・何も無い!!)

 

ここは障害物のほとんど無く自分は一人・・・ホルムの見えない攻撃は自分の自慢の鱗をいともたやすく貫くだろう。

直ぐに身を隠したおかげてまだ見つかってはいないが見つかるもの時間の問題だろう。

 

(クソ!どうする?イチかバチか出るか?イヤ!ダメだ!この距離では先に攻撃される・・)

 

あの時帰っていれば・・・後悔するが今は後悔してる時間すら惜しい。

 

(考えろ!動けば気づかれ攻撃される!動かなければ見つかり結局は攻撃される。なら・・)

 

俺は大槍を右手でぐっと握り、そこらにあった石を左手で握る。

 

(石を投げ、こちらに攻撃出来ない方向へ投げホルムがそちらを向いたら大槍を投げる)

 

この体制から投げると命中するか不安が残る。しかし当てれば大槍ならホルムを殺せるだろう。

失敗すればホルムに攻撃され殺されるだろう。

本当にイチかバチかだった。

 

(・・・・・・)

 

俺は機会少し待った。なんだろう?急に嫌な予感がました。

 

(・・・嘘だろ・・・)

 

 

目の前のホルムの先に黒色の壺型のホルムがいるのがチラッと見えた。

 

壺型と筒型に違いは攻撃方法だけだ。

壺型は黒い水を吐き出す。吐き出し方は放出と垂れ流すの2つ。

放出は範囲が広い。

垂れ流しは周囲にゆっくりと広がる。

黒い水は呪いや病気を運び壺型は土地を汚すので見つけ次第殺さなくてはならない。

しかしかなり固くある程度犠牲を覚悟して殺す相手だ。

 

 

(筒型に壺型だと!?どうなってるんだ!)

 

二匹同時に戦う魔物では無い。早急に村に帰りこの事を伝えなければ。

 

俺は攻撃する事を止め大槍も置いていく事にした。

今は村に帰りこの事を伝えるのが需要だ。

 

石を投げその隙に走ってジグザグに逃げる。

 

(今だ!)

 

俺は石投げた。

 

ガサリ

 

湿地に音が鳴りその音を聞き筒型ホルンの目がぎょろりと動く。

 

ボコン!

 

石を投げた場所がいきなり凹む。

 

(よし!)

 

俺はそれを合図に全速力で走る。

 

ボコン!ボコン!

 

先ほど居た場所や目の前の地面が急に凹む。

 

成人の儀も済ました。狩もしているし命がけで魔物と戦った事もある。

しかし、戦う事はあっても狩られる事は初めてだった。

 

(怖い!怖い!怖い!)

 

本能だろう。次の攻撃で死ぬかも知れない。

足がもつれれば死ぬ。次の次の攻撃で・・

もしかしたらもう大丈夫では?次の攻撃では死なないかも?

等ありえない想像や恐怖だけでは無い。

今の攻撃は避けれた。生き残った。

もう少ししたら逃げ切れる。

等様々な感情があふれ出す。

 

どれくらい逃げたのか?10分か?1分か?

普段ではありえないほどの疲労感が体を蝕む。

そして・・

 

「あ・・」

 

左肩に攻撃が掠ってしまった。

 

出血は大した事は無いが衝撃で転んでしまった。

 

(死にたく無い!死にたくない!)

 

俺はみっともなくそんな事ばかり考えていた。

村では狩りも得意だし魔物も倒したとちやほやされていたが狩られる立場になればこの有様だった。

いつもの自身や傲慢がメッキが剥がれた様に慌てふためく。

 

(死にたくない!死にたくない!)

 

攻撃が来ない。それに気がついたのは1メートルほど這いずり泥だらけになって逃げた時だ。

 

(あ・・れ・・)

 

周りを見れば少し向こうにいた筒型ホルムの姿無く、そこには燃える様な赤い長髪の真紅の瞳を持った鎧を着たメスのヒューマンがいた。

 

初めて見たヒューマンはこちらに気づき近づいてくる。

 

俺は何が何だわからなくて見ている事しか出来なかった。

 

「大丈夫?」

 

彼女は透き通る様な声で俺の心配をしてくれた。

 

「あ・・ああ。大丈夫だ。!後ろに壷型ホルンがいるんだ!」

 

筒型の後ろの壷型を思い出し警告する。

 

「大丈夫。仲間が倒してる」

 

ヒューマンは後ろも確認せずそう言う。

 

「え?」

 

ヒューマンは体をずらし俺に見せてくれる。

 

黒い髪の毛の短髪のローブを着たメスヒューマン。

小さい体に大きな槌を持った髭の目立つオスドワーフ。

緑の体に頭から触覚が二本出ている剣を二本持った鎧を着たオスのインセクト。

 

3人が壷型ホルム倒したのだろう。

周りには4人以外居なかった。

 

「マリア!そっちはどう?回復いる?」

 

「こっちは余裕だったわい!」

 

「お!リザードマンじゃん!初めて見た!」

 

壺型ホルンの亡骸を引きずって3人がこっちに向かってくる。

 

「肩、怪我している」

 

黒いヒューマンが近づいてきて俺の傷口を見る。

 

「ホントだ。回復するね。《リカバリー小》」

 

黒いヒューマンが回復呪文を唱えると直ぐに傷が癒える。

 

「ば・・かな」

 

村にも回復呪文を使える者がいるがこんなに早く治らない。

 

「もう大丈夫」

 

「マリア。彼も男だ。痛くても大丈夫だ」

 

「そうだな。立てるか?」

 

「ああ・・」

 

インセクトに手を貸してもらい起き上がる。

 

「あなた達は・・」

 

「私たちは冒険者チーム【オリオン】!私はマジックキャスターの【キリト】だよ!」

 

身長差を気にせず肩を組ながら自己紹介する二人。

 

「わしはドッガ!よろしく!」

「俺はリッバ!よろしく!」

 

「私はマリア」

 

「冒険・・者?」

 

俺は初めて聞く言葉で出来事で軽く混乱していた。

 

「そう。君の名前は?」

 

「俺の名前はリューべ」

 

「リューべ。外は危険。気を付けた方がいい」

 

俺はその言葉に大きなショックを受ける。

俺の半分ぐらいしかないメスに心配されたんだ。

 

「俺は」

 

「確かに俺達が来なかったらやばかったもんな」

 

「・・・・」

 

俺は頭が真っ白になった。

俺より4人は体も小さく小柄だ。それなのに俺より強い。

 

「・・・・そろそろ日も暮れる。帰るかの」

 

「そうね」

 

4人はホルン達を解体し運べる様にする。

 

「大丈夫?」

 

「ああ・・」

 

俺は気の無い返事を返してしまう。

 

「・・・・」

 

「あ!おい!マリア!」

 

準備を終えたのか全員作業を終えていた。

気づいたら目の前に赤いヒューマンがいた。

 

「・・・・」

 

なんようだ・・・

 

 

「・・・またね」

 

そう言ってクッと反転し仲間の元へ帰っていった。

嗅いだ事の無い花の香りがしたのをよく覚えている。

 

「・・・またね!リューべ!」

 

「でわな!リューべ!」

 

「またな!リューべ!頑張れよ!」

 

4人が去っていくのを俺は見ている事しか出来なかった。

そして見えなくなった後泣いた。

体中の水分が無くなるんじゃ無いかと思うほど泣いた。

醜態が悔しかった。助けられて情けなかった。

もっと俺が強ければ!

俺は誓った。

もっと強くなって助けてもらったのに言えなかった ありがとう と情けなくて言えなかった またね を言う。

その為に俺はここで変わる。

必ず強くなって再会する誓った。

 

 

 

 

 

 

俺はその話を聞いて思い出していた。

昔のリューべはチヤホヤされて傲慢になっていた。

それをある日、夜まで狩りをしていて心配させたのでかなり怒ってやった。

それ以来性格が良くなったので怒ったおかげだと思ったんだが・・・

 

「リューべが変わった理由はわかった。でどうしてナナと結婚を断るのだ?」

 

そう。理由がわからない。どうして許婚のナナとの結婚を断るんだ?

 

「それは・・・」

珍しくリューべが口をもごもごさせる。

 

「まさかとは思うがリューべよ。その赤いヒューマンに惚れたなど言わんよな?」

 

「・・・・・」

リューべは顔を背ける。

 

嘘だろ!?かわいい許婚を放置して、あろう事か一度見ただけのヒューマンのメスに恋する等!

確かに助けられたり、自分より強かったりでインパクトはあったが・・

 

「貴様!許婚のナナよりも一度しか会ったこと無いヤツに惚れるのか!?」

 

「リューべ様!頑張ります!なんでもします!赤がお好きなら赤くなります!ですので考え直してください!」

 

ナナがリューベに泣きながらすがりつく。

 

「ナナ。俺は別に色では・・」

 

「何でもします!もう一度!もう一度考え直してください!」

 

ナナは泣き落としするようだ。

いいぞ!もっとやれ!

あいつはまじめだから頷いたらこっちの勝ちだ!

 

今のリューベは歴代最強最高のリザードマンとして君臨している。

あいつが旅に出るとか言ったら暴動が起きるレベルだ。

こうなったら何が何でもナナにリューベを落として貰わないと。

リューベが結婚する いいことだ

孫が生まれる 最高だ!

 

代表者達は声に出さず、心と目と尻尾でナナを応援しリューべを追い詰める。

 

 

「・・・さて。ここは若いものに任せて我々は席をはずしますか・・」

 

代表者の一人【ギギル ガリア】がそう言って立ち上がる。

 

「なっ!」

 

リューべが驚愕する。

 

(コイツやりおる!これで二人っきりにすれば既成事実だ!後はリュ-べが否定しても周りを固めれば問題は無い!)

 

「そうだな。そうするか」

 

「だな」

 

「ご飯食べなきゃ」

 

代表者達は次々に立ち上がり出て行こうとする。

 

「待て!俺も」

 

リューべが慌て追いかけようと立ち上がるが。

 

「リューベ様!頑張ります!考え直してください!」

 

ナナは俺たちの考えがわかったのだろう泣き顔で懇願しすがりつく。

こうなったら昔のリューべならともかく今のリューべでは身動きが取れなくなる。

 

「ナナ!外で話そう!」

 

「イヤです!お願いします!」

 

俺は最後に部屋を出る前に昔からあるハンドサインをリューべに送ってやる。

 

(孫が見たい)

 

「こっの!クッソ親父!」

 

村にリューべの声が木霊する。

 

 

ははは。勝てば(孫が見れれば)いいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

~冒険者記録~

チーム オリオン

メンバー6名

リーダー    マリア

サブリーダー  キリト

アタッカー   リッバ

サブアタッカー XXXX(掠れて見えない)

後衛      ドッガ     

後衛      XXXX(掠れて見えない) 




本編の倍。どうなってるんだ・・・

流石に進めます。
そろそろ主人公交代の予定。
ちゃんと世界は回るし説明回でクロスは出します。

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