キーンコーンカーンコーン
「じゃあ、またな新!」
「おう!」
授業が終わり、教室で友人と別れた鷺山新は彼女の待つ校門へと急いだ。
「ごめん、シャロ。待った?」
「そうでもないわよ。私もここに着いたばかりだしね」
「そっか、良かった~」
「どうして?」
「いや、シャロの行ってる高校と俺の行ってる高校って真逆じゃん?それなのに毎日こうして来てくれるシャロを待たせるわけにはいかないと思ってね」
「そ、そんなの貴方の彼女なんだから当然じゃない!」
「そうだな、ありがとうなシャロ」
頭をポンポンと撫でてやるとシャロが赤面しながらもまんざらでもない様子だった。
「と、とにかく早く帰るわよ!」
「はいはい」
二人で街を歩いていると新の学校のクラスメイトと会った。しかも運悪く女子
「あっ、新君。彼女さんとお帰り?見せつけるね~」
「からかうなよ。別に俺は見せつけてなんか…」
「冗談だよ、真に受けないで。もう新君は真面目なんだから…。それじゃあ、私はまたね」
「ああ」
何かを察したようにクラスメイトの女子が逃げるように立ち去っていく。もしやと思いシャロを見ると彼女は殺気すら感じられる輝きの無い濁った眼差しで女子が立ち去っていくのを見ていた。
「ねぇ、新。今の女誰?」
「クラスメイトの女子だよ」
「ウソ」
「ウソじゃない。マジだ」
「じゃあ、なんであんなに馴れ馴れしいの?」
「元々そういう性格なんだろうな」
「……後で始末するしか」
シャロがいきなりブラックな発言をしだしたので新はある提案をした。
「シャロ、千夜のところで少し落ち着いて行かないか?何か奢るよ」
「……」
黙りながらもシャロはコクンと頷いた。
「あら、新君にシャロちゃん。いらっしゃい」
「やぁ、千夜」
「今日はどうしたの?」
「シャロが少し機嫌を損ねちゃってさ。気分転換にでもと思って」
「あらあら、ダメじゃない新君。女の子の気を悪くしちゃ。ねっ、シャロちゃん?」
「…ごめん、千夜。今日はもう帰るね…」
「えっ、ちょっと、シャロちゃん!!」
「お、おい!シャロ!」
シャロはそのまま店を出て家に帰ってしまった。
「千夜、ごめん。また今度な」
俺は千夜にそう告げてから店を出て、隣のシャロの家へと向かった。
「シャロ!」
玄関をドンドン叩くが反応がない。ドアノブを捻ると鍵がかかっていなかったので、入ることにした。
「シャロ、入るぞ」
玄関で靴を脱ぎ、彼女の部屋にノックした。
「シャロ、いるか?」
またまた反応がないのでゆっくりドアノブを捻って入った。すると、突然シャロが包丁を持って襲いかかってきた。
「危ねっ!」
とっさに体が反応し、辛うじて避けることができた。
「シャロ、どうしたんだ!お前はこんなことをするやつじゃないだろ!」
「…ねぇ、新。私は新の彼女だよね?」
「あ、当たり前だろ!だからこんな馬鹿なことはやめろ!」
「馬鹿なこと?馬鹿なのは新のほうじゃない!私という彼女がいるのに、他の女と鼻の下伸ばして会話して…結局私は貴方の1番にはなれないってことよね!そうよね!」
「お、落ち着け…」
「私はこんなに新の事を思ってるのに新は私の事を全然なんとも思ってくれないの!?」
「そ、そんなこと…」
「…もういい。最初からこうすれば良かったんだ…」
再び包丁の刃先を新へと向ける。
「俺をどうする気だ?」
「決まってるじゃない…。貴方を私だけのものにするのよ…。もう新がどこにも行かないようにね…」
「……」
新は恐怖のあまり言葉が出ず、呼吸をするのがやっとだった。
「じゃあね、私だけの新♥」
ドスッという音と共に新は腹部から血を流して、その場に倒れた。腹部からは大量に血が流れていて死ぬのにそう時間はかからず、しばらくして新の脈が止まった。
「ふふっ、これで新は完全に私のものね…。誰にも見られることも、邪魔されることもなく、永遠に二人で暮らそうね…」
正直シャロのヤンデレは非常に難しかったです。完全に自分の妄想で作り上げました。最後まで読んでくれてありがとうございました!あとここまで来たら他のキャラのヤンデレも少し検討してみます。