まさかのUA1000超えです!本当、嬉しい限りです…
後、評価やご指摘をして頂き感謝致します。よりよい作品作りに集中出来るのでこれからもお願いします!
今回は白夜叉の所まで行こう!と張り切ったのですが、説明で終わってしまいました…
では本編どうぞ!
「___あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話しを聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは…学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「いいからさっさと進めろ」
黒ウサギはそう言われると半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらコホン、と咳払いをして気を取り直し、両手を広げて
「それではいいですか?御四人様。定例分でいいますよ?言いますよ?さあ、言います!ようこそ“箱庭の世界”へ!我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが…」
はい。ここからは話しが長かったから俺が簡潔にまとめてみるとしよう。
まあこれは今更だが、俺たちは普通の人間ではないらしい。
皆それぞれ、神仏から、悪魔から、精霊から、星から恩恵を与えられたらしい。
次に『ギフトゲーム』についてだが、これは“恩恵”を使い、競い合うゲームらしい。
“箱庭”の世界は強大な力を持つ者が優位に立てるらしい。
とここまでが、大まかな説明だ。
…こいつ、何か隠しているみたいだ…
必死に勘づかれない用にしているが、バレバレだ。
これは原作知識とかではない。
原作の大部分の知識は消したが、ここはアニメの世界、という知識だけは残してある。
それに、十六夜も何かには勘づいているみたいだ。
そうこう考えていると、飛鳥が質問をするために挙手をした。
「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う“我々”とは貴女を含めた誰かの?」
「yes!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって数多とある“コミュニティ”に必ず属していただきます♪」
「嫌だね」
「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの“主催者”が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
「……“主催者”って、誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すために試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。
特徴として、前者は自由参加が多いですが、“主催者”が修羅神仏なだけあって、凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りは大きいです。
“主催者”次第ですが、新たな“恩恵”を手にすることも夢ではありません。
後者は参加のためにチップを用意する必要があります。
参加者が敗退すればそれらはすべて“主催者”のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は俗物ね…チップには何を?」
「それも様々ですね。金品、土地、利権、名誉、人間……そしてギフトを掛け合うことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを書けた戦いに負ければ当然__ご自身の才能も失われるのであしからず」
黒ウサギは愛嬌たっぷりでそう言った。
挑発ともとれるその笑顔に、同じく挑発的な声音で飛鳥が問う。
「そう。なら最後にもう一つだけ質問させてもらっていいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」
飛鳥は黒ウサギの発言にピクリと反応する
「……つまり『ギフトゲーム』とはこの世界の法そのもの、と捉えていいのかしら?」
お?と黒ウサギは驚く
「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違えです。
我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などはもってのほか!そんな不逞な輩は悉く処罰します___が、しかし!『ギフトゲーム』の本質は全く逆!1方の勝者だけが全て。手にするシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にする事も可能だということですね」
「そう、中々野蛮ね」
「ごもっとも。しかし“主催者”は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなければいいだけの話しでございます。」
なるほどな…飛鳥の言う通り、結構野蛮だな、しかし黒ウサギの言い分は分かるな。これは爺さんに何度も教えて貰った事なのだが、勝負は何事も“負けた方が悪い”だ。敗者は潔く、負けを認めるべきだと俺は思う。
そんな簡単な事を俺はできなかったんだがな…おっと、黒ウサギが何か喋っているようだ、俺も幾つか質問はしておきたかったが飛鳥が大体は聞いてくれたからいいだろう。それに、質問はコミュニティについてから受け付けるらしい、え?コミュニティに入るのか?それは、飛鳥に合わせるとするよ…
「待てよ、まだ俺が質問してないだろ」
…?何か、十六夜が黒ウサギに質問があるそうだ…
今まで清聴していた十六夜が威圧的な声を上げて立つ。ずっと刻まれていた軽薄な笑顔が無くなっていることに気づいた黒ウサギは、構えるように聞き返す。
「……どういった質問です?ルールですか?ゲームですか?」
「そんなのはどうでもいい、腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。俺が聞きたい事はただ一つ___
この世界は___面白いか?
この質問の返事には俺も他の2人も無言で返事を待つ。
俺らを読んだ手紙には確かこう、書いてあった。
『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い』と。
その返事を黒ウサギは満面の笑みで答える
「___yes。『ギフトゲーム』は人を超えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証致します♪」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
黒ウサギへの質問も終わり、俺たちは箱庭へと足を運んでいた。
すると、後ろから十六夜が俺を読んでいる事に気がつく。
「……なぁ冬夜、今から“世界の果て”を見に行かないか?」
「ふむ、世界の果て、中々面白そうだな」
「だろ!?お前なら分かってくれると思ったよ、で行くか?」
「ああ、少し待ってくれ」
中々面白い事になりそうだと思った俺は、飛鳥にこの事を伝える事にした。
「飛鳥」
「あら兄さん、何の要件かしら?」
「ああ、今から十六夜と世界の果てを見に行こうと思っているのだが、行ってもいいか?」
「なんだ、そんな事ね。大丈夫よ、では黒ウサギにはどう伝えておけばいいかしら?」
「そうだなぁ、じゃあ十六夜と一緒に世界の果てを見に行ってくる。とだけ伝えておいてくれ」
「分かったわ、では気をつけてね兄さん。無茶は駄目よ?」
「ああ、分かっている。じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「終わったか?」
「ああ、黒ウサギに伝えておいてくれとだけ言っておいた」
「おお、仕事が早いな。じゃあ早速行くか……折角だし、競走でもしないか?」
「競走か?いいぞ、合図は十六夜が出してくれ」
「おう、分かった。じゃあいくぞ?ヨーイ…ドンッ!」
十六夜が合図し、俺達2人は一斉に飛び出す。
現在森の中を第三宇宙速度以上で駆け抜けている2人の衝撃波で周りの木々がなぎ倒され___ることは無く、衝撃波は冬夜が全て消していた。
「…なぁ、なんでお前このスピードについてこられるんだ?」
「さあ!何でだろうな、まあ、後で嫌という程分からせてやるつもりだがな」
「ヤハハ!やっぱお前は思った通り面白い奴だな!じゃあまた楽しみにしておくよ…」
うわ…凄い満面の笑顔だな…少々要らない事を言ってしまったきがする…
まあ、いいか…
「ああ、その時になったらな…」
俺は適当に返事をした…
〜十六夜side〜
俺は今生まれて初めて俺とまともに走れる相手を見つけた。
…本当に何者なんだ?お嬢様の兄である事は分かるんだか…こいつは自分の事を一切口に出していない、しかも妹である飛鳥にも言っていないようだ…
なんでこうも____
面白いんだろうな。
それと同時に俺は思う。
箱庭へ来て、正解だった……
〜十六夜side out〜
〜冬夜side〜
「ふむ、もう少しで着くな…少し速度を上げるか…」
「なっ!お前、まだ上がるのか!?」
「まあな、正直な所これでまだ全力の1割も出してないぞ」
まあ俺が本気出しちゃったら走った衝撃で空間開くけどな…
…いつか、本気を出す時があったら全力で衝撃消さないとな…
あ、十六夜が唖然としてる
まあ無理もないだろうな、自分よりも優れたやつが目の前にいるんだからな、しょうがないか。
・・・
あ、笑顔に変わった。どうせ「箱庭に来て正解だったな!」とか思っているんだろ?黒い笑顔がそう語っているぞ?
…これは後で質問攻めにされるな…
よし、じゃあそろそろ行こうか…話しかけ難いなぁ…
「さ、さて十六夜、そろそろいくぞ?準備はいいか?」
「ハッ!いつでも来やがれ!」
「よしいくか、じゃあ…1割でどうだ?あと、重りもプレゼント。」
「早えぇ!?待て!しかも、なんだこの背中のやつは!」
「重りだ。しかし、俺は待たないぞ?これは競走だからな」
「ちくしょおおおお!!」
ははは、まあせいぜい頑張りな。
♦♦♦
「はあ…はあ…」
「お、中々速かったぞ。お疲れ」
俺が先に着いて適当な木の傍に座っていると息を切らした十六夜が何かブツブツと言いながらこちらに向かってくる
「てめぇ…この重りクソ重いじゃねえか…いったいどれ位あるんだよ…」
「ん〜、ざっと10kt程だと思うぞ。よく持てたな、お前」
「!?重すぎるだろ!」
「ははは、まあ持てたし良かっただろ?」
「良くねえよ!」
そんなやり取りをしていると湖の中から大蛇が出てくる
『よく来たな小僧共。さあ、試練を選べ』
「…十六夜、こいつが神仏じゃないのか?」
「ほぉ〜?面白そうだな、折角だから俺を試せるかお前を試してやるよっと!」
十六夜は掛け声と共に大蛇の懐へ入り、蹴りを一発入れる。
「程々にな…」
十六夜が湖の大蛇を蹴りつけると大蛇は蹴られた勢いで水に沈む。
「なんだ?もう終わりか?」
「む?誰か来るぞ?」
「もう、一体何処まで来ているんですか!?」
ああ、黒ウサギか
俺は誰かが来る気配を察知し、少々身構えていたが、その必要は無さそうだ
まあ、この質問には十六夜が答えるだろう。
「“世界の果て”まで来ているんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」
うわ…いつも思うが十六夜の笑顔ってどこか憎たらしいな…
「しかしいい脚だな。冬夜に邪魔をされたとはいえこんな短時間で俺達に追いつけるなんてな」
「ああ、確かにいい脚をしているな。」
「むっ、当然です!黒ウサギは“箱庭の貴族”と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが…」
アレ?と首を傾げる黒ウサギ
(この黒ウサギが半刻以上もの時間、追いつけなかった…?)
「…ま、まあそれはともかく!お二人がご無事で良かったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」
「水神?___ああ、アレのことか?」
え?と黒ウサギは硬直する
『まだ…まだ試練はおわってないぞ、小僧ォ!』
「!?どうやったらこんなに怒らせるんですか!?十六夜さん!」
「いやな…十六夜には程々にとは言ったんだがこの大蛇があまりにも弱すぎてな…十六夜がやった…」
「何をしているんですか、十六夜さん!」
スパァン!、と黒ウサギは何処からともなくハリセンを取り出し十六夜の頭を叩く。
これを見ていた水神は更に怒る
『……付け上がるな貴様ら!我がこの程度の事で倒れるか!!』
蛇神の甲高い咆哮が響き、牙と瞳を光らせる。巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る。
「御二方!お下がりください!」
黒ウサギは庇おうとするが、そんな事はさせないと俺は止める。
「待て黒ウサギ、これは十六夜が売ってアイツが買った喧嘩だ。手を出してはいけない」
「っ!」
流石の黒ウサギも始まってしまったゲームには手を出せないと気づいたのか、歯噛みをしながら言う事を聞く。
『心意気は買ってやろう。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』
「ハッ、寝言は寝ていえ。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない、敗者を決めて終わるんだよ」
求めるまでも無く、勝者は決まっている。
『フン___その戯言が貴様の最期だ!』
蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。竜巻のように渦を巻いた水柱は蛇神の丈よりも高く舞い上がり、何百トンもの水を吸い上げる。
水柱は計三本。それぞれが生き物のように唸り、蛇のように襲いかかる。
「ちょ、え?何で俺まで?」
「ヤハハ、丁度いい。お前の力見せてもらおうか!」
ったく…笑い事じゃねえよ…
「十六夜さん!冬夜さん!」
「____ハッ____しゃらくせぇ!」
「そい」
十六夜は腕一振りで嵐をなぎ払い、冬夜は手で仰いだだけで吹き飛ばす。
「嘘!?」
『馬鹿な!?』
「ま、中々だったぜオマエ」
十六夜は大地を踏み砕きつつ、龍神の胸元へと飛び込む。
そのまま十六夜が蛇神の胴体を蹴り、蹴られた蛇神の胴体は中高くと打ち上げられて川に落下した。
その衝撃で川が氾濫し、水で森が浸水する。
また全身を濡らした十六夜はバツが悪そうに川辺に戻った。
「くそ、今日はよく濡れる日だ。クリーニング代ぐらいさ出るんだよな黒ウサギ」
「そのくらい大丈夫だぞ、十六夜。俺が乾かしてやろう」
「お、冬夜はそんな事も出来るのか。ならお願いしようか」
その頃黒ウサギは1人でパニックに陥っていた
(人間が…神格を倒した!?そんなデタラメが____!)
ハッと黒ウサギは思い出す。彼らを召喚するギフトを与えた“主催者”の言葉を。
「彼らは間違いなく___人類最高クラスのギフト保持者よ、黒ウサギ」
(信じられない……だけど、本当に最高クラスのギフトを所持しているのなら…!私達のコミュニティ再建も、夢じゃない!)
黒ウサギは内心の興奮を抑えきれず、鼓動が早くなるのを感じた
そんな興奮状態を覚ますように十六夜が声をかける。
「おい、どうした?ボーっとしてふお胸とか脚を揉むぞ?」
「え、きゃあ!」
「まあ、その辺にしておいてやれ、十六夜」
「な、ば、おば、貴方はお馬鹿です!?二百年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるおつもりですか!?」
「二百年守った貞操?うわ、超傷つけたい」
「お馬鹿!?いいえらお馬鹿!」
「まあまあ」
「ヤハハ、ま、今回は冬夜に免じて後々の楽しみに回してやろう」
「さ、左様デスか」
「ところで黒ウサギ、十六夜が倒した蛇神から何かもらって来なくていいのか?」
「あ、そうデスね。ならギフトだけでも戴いておきましょう。ゲームはどうであれ、今回は十六夜さんの勝利ですから蛇神様も文句はないでしょう」
「分かった、ならこれでもいいか?」
俺は蛇神から小さな木のようなものを取り出す。
「うっきゃー!それは“水樹”ですよ!これでコミュニティの水問題も安泰です!ありがとうございます!」
黒ウサギが俺の手にある水樹を受け取ろうとする、が俺はそれをヒョイと躱す。
「おっと黒ウサギ、これを渡す前に少し聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「あ、俺も質問がある。多分冬夜と同じだろうがな」
「はい…?何でございましょうか…どんな質問でもお受け致しますヨ!」
「ああ、じゃあ黒ウサギ。お前俺達に何か決定的な事をずっと隠しているよな?」
「!?……なんの事です?箱庭の話ならお答えすると約束しましたし、ゲームの事も」
そこで違うな、と十六夜。
「俺達が聞いていのはオマエ達の事___いや、核心的な聞き方をするぜ。黒ウサギ達はどうして俺達を呼び出す必要があったんだ?」
表情には出さないものの、黒ウサギの同様は激しかった。
冬夜と十六夜の質問は黒ウサギが意図的に隠していたものだからだ。
「それは…言った通りです。十六夜達オモシロオカシク過ごしてもらおうと」
「いや嘘だな。これは俺の勘なんだが、黒ウサギのコミュニティは弱小チームか、若しくは訳あって衰退したチームなんじゃないのか?だから俺達は組織の強化のために呼び出された。そう考えれば今の行動や、俺がコミュニティに入るのを拒否した時に本気で起こった事も合点がいく___どうよ?100点満点だろ?」
「っ……!」
黒ウサギは内心痛烈に舌打ちをした。
この時点でそれを知られてしまうのはあまりにも手痛い。十六夜や冬夜のような挑戦力、手放すような事は絶対に避けなければならない。
十六夜の後に俺が付け足す。
「この事実を隠していたという事はまだ俺達に他のコミュニティを選ぶ権利があると判断できる…どうだ?」
「……」
「沈黙は是也、だぞ黒ウサギ。それとも、他のコミュニティに行ってもいいのか?」
「や、だ、駄目です!いえ、待ってください!」
「じゃあ今隠している事を洗いざらい全部話して貰おうか」
俺達は適当な石に腰を下ろし聞く姿勢をとる。
「……分かりました。それではこの黒ウサギ、精々オモシロオカシク、我々のコミュニティの惨状を語らせていただこうじゃないですか」
黒ウサギはコホン、と咳払い。
さあ、どんな面白い事が聞けるのか……
箱庭へ来て正解だったな。
次回はコミュニティの説明と虎男、白夜叉編です!
お楽しみに!
ありがとうございました!