やっぱり俺が美少女達を攻略するのは無理がある。   作:ainex

6 / 6
会長攻略編の前に作戦会議を入れました。


作戦会議だからといって必ずしも会議する訳ではない。

前回のまとめ

 

人から貰った手紙や人の話は早めに読み、聞くようにしよう。

 

×××××××××××××××××

 

「会長を俺のモテテクでデレデレに、か…………。」

 

(…………無理に決まってんだろ!!)

 

俺は心の中で大声で叫んだ。左隣に目をやると転校生の如月 沙月は真面目にノートをとっている。んーこうして見ると本当に可愛いんだけどな。全く、親の顔が見てみたいってもんだぜ。どうゆう教育したらあんな人使いがあらい子になるのやら。

 

「はぁ、全く俺も変なやつに好かれたもんだぜ。」

 

そう俺は小声で呟いた。

 

「さっきから独り言が多い人ね。授業中くらい静かにしたらどうなの?」

「うるせ、誰のせいでこうなってるとおもってんだよ。」

「そうね、私みたいな美少女転校生と隣の席なら興奮して独り言を言ってしまうのは仕方ないわ、ごめんなさい?」

 

チッ、何でこんなに自分に自身があるんだよ。まぁ、それぐらいに可愛いんだけどさ!

 

「大体お前は……」

 

 

「おい!そこの2人!授業中に何こそこそ話してるんだ!やっぱりあの噂は本当なのか?」

 

どうやらこそこそ話が先生に聞こえていたらしい。って先生まで噂を聞いてんのかよ。

 

「ち、違いますよ!俺はただコイツが!」

 

チョンチョン、ん?なんだ?俺は左袖が引っ張られているのに気づき引っ張られている方を見た。すると転校生が凄い形相で俺を睨んでいた。

 

(ば、ら、し、た、ら、こ、ろ、す、わ、よ、?)

 

「コイツが?なんだ?言ってみろ天音。」

「コイツが…………あ、あんまりにも可愛かったもんで話しかけてしまいました!」

「チッ、そうか、授業中はやめろよ?…………シネバイイノニ。」

 

おいおい、先生が生徒に舌打ちとか、あとなんか最後に聞きづてならない言葉がきこえたんですけど!?てか転校生怖!あんな可愛い顔からどうやったらあんなに怖い顔できんだよ!

 

その後授業は俺が男子生徒に睨まれ続ける以外には何事も無く終わりました。後何となく会長にも睨まれた気がしたのは気のせいでしょうか?

 

×××××××××××××××××

 

地獄の授業の後の至福のひと時、昼休み。やっとこの時間がきたか、ふぅ、ようやくゆっくりできそうだぜ。俺は弁当を取り出そうとしてカバンに手を入れるとカバンの1番上に綺麗に折りたたまれた手紙がはいっていた。むむ、何だか嫌な予感が……取り出し見ると中身は

 

【美少女転校生からのお知らせ。昼休みに朝あなたが私を呼び出した空き教室でまってます。来なかったら……。】

 

悪い予感程よく当たる。どうやら至福のひと時はまだ大分先のようだった。しかし来なかったら……で切ってるから余計に怖いな。

 

××××××××××××××××××

 

 

 

「おいーっす。きたぞー?」

「何なのその主人公と中の良い友人みたいな喋り方は!もっと主人公らしくしたらどうなの!」

「第一声から注意って、まぁ、いいや。んで、何で俺を呼び出したの?」

「あぁ、その事ね。今日はお昼を食べながら作戦会議をしようかと思って。」

「作戦会議ねぇ、まぁ話は分かったけど何でこの空き教室?」

「だって今日からここは私達の部室だもの?」

 

はい?部室だって?

 

「まあ、部室と言ってもまだ生徒会長さんの許可は出ていませんけどね……誰かさんのせいで。」

「いやいや!それも俺のせいなの!?」

「当然でしょ!あなたが会長としっかりフラグを立てておけば難なく今日から正式に部活を始められたのに!全く、あなたって本当に無能だわ。」

「そこまで言うか……。と言うか部活の名前はなんなの?流石にギャルゲー部とかじゃ申請通らんだろ。」

 

部活動において割と名前って大事だと思う。だって変な名前とかだったら、通知表にそのまま○○部所属ってなるんだよ?もしギャルゲー部とかだったら親に通知表見せらんないよ。

 

「安心しなさい!この私が相応しい名前をつけたわ!」

「ほほぅ?聞かせて貰おうか?」

「名前は…………恋愛研究部よ!」

「あれ?もっと酷いの来るかと思ったら案外普通だな。」

 

流石にここはふざけてらんないってか?転校生さんよ。俺は少し見直したよ。

 

「本当はギャルゲー研究部にしたかったのだけど。先生にやんわりと断られてしまって泣く泣くこの名前にしたわ。」

 

前言撤回。この転校生はやっぱりアホです。てか自信満々に言ってたわりに1回断られてんのかよ!

 

「ま、まぁ、恋愛研究部で良かったんじゃないか?略して恋研とかだと字面も何気良いし。」

「ふーん。あなたにしてはなかなか良い考えじゃない。見直したわ。」

「あんたに言われるとなんかムカッとくるな。」

「そんなことはどうでもいいの!本題に入りましょう!」

「本題ねぇ、どうやって会長を惚れさせるかってこと?」

 

俺は持ってきた弁当を開けおにぎりと共にオカズを頬張る。

 

「え、ええ、そういう事よ。あ、あらこのハンバーグ美味しそうね。」

「やらんぞ。」

 

転校生は弁当を持ってきていないのか周りには何もなかった。

 

「それで?あんたはどうやってあの会長を惚れさせようと考えてるんだ?」

「ゴクリ……え、あぁ、そうね。とりあえずあなたが会長に謝るところから始めましょうか。……ジー」

 

尚、転校生の視線は俺の弁当に釘付けである。

 

「……そりゃそうか。あんな気まづいままで好感度なんてあげれるわけないからな。」

「ゴクリ……そ、そりゃあそーよ。それでそこから……」

「おい。」

「な、何かしら?」

「何か今日は腹が減ってないから食っていいぞ。」

「ほ、ホントに!!い、いえ、私が何であなたの弁当を食べなくては行けないの?汚らわしい。」

「ほぅ?そーかそーか。じゃあこの弁当は捨てるしかないな?ちょっと捨てて来るからそこでま……」

「すいません、今日弁当を忘れて来て何も無いの、あなたの弁当をください。」

「素直で宜しい。」

 

はぁ、今日朝飯多めに食べて来てよかったな。てか転校二日目に弁当忘れるってなかなかだぞ。コイツ意外な所でうっかりしてるな。そして転校生は俺の弁当に箸をつける。

 

「い、以外に美味しいじゃないの。あなたの母親がつくったの?」

「いーや?今日は俺が作ったな。」

 

ちなみに家の飯は当番せいで昨日は妹が作ったので今日はおれの当番だ。ぶっちゃけると家の中で1番料理が上手いのは俺だ。べ、別に自慢とかじゃないんだからね!

 

「な、なんですって!あ、あなた、料理できるの!?」

「別に驚くことじゃないだろ。今の時代男も料理出来ないとなかなか不便だからな。」

「そ、そうよね。今の時代料理何て誰でもできるものだものね。」

 

あれ?何だか転校生の様子がおかしいぞ?あ、もしかしてコイツ……

 

「お前、もしかして……料理出来ないの?」

「う、うるさいわね!私の家ではいつも専属の料理人が作ってくれるから料理何て別に作らなくても良かったのよ!」

 

大層な家柄だな。こりゃ甘やかされてるに違いない。ん?専属の料理人って。

 

「もしかしてお前の家って金持ちなのか?」

「え?いきなり何よ?まぁ、そうだけど?あれ、言ってなかったかしら?」

「一言もいってないわ!!」

 

なんだよ!金持ちで美少女ってもはやチートじゃねーか!そんなのアニメの中だけだと思ってたぜ。畜生、神様って奴は残酷だぜぇ……。

 

「何いきなりしょんぼりしてるのよ、それに、人よりお金持ってるからって人の価値がきまるわけでもないわ。それに、美少女でお金持ちでもこの性格だけはどうにもならないし……。」

「いや!自覚してんなら治す努力しろや!」

 

それでも相変わらず自分のことを美少女だと言う転校生であった。

 

結局この後作戦会議は進まずそのまま俺は放課後を迎えることになった。おいおい、本当に大丈夫なのかよ。もはや失敗するフラグしか見えねんだけど?

 

 

××××××××××××××××

 

現在地、生徒会長の扉の前。俺は気合いを入れ直していた。くそ、アイツ最後の最後に丸投げしやがった。てか作戦会議で集まったのに作戦しないで空き教室で仲良く2人で弁当食べるってもはやカップルじゃねーか。いや、別に嫌じゃないんだけどさ。っていかんいかん、いつまでもここで立ってる訳にもいかねーよな。

 

俺は意を決して扉をノックする。すると中から会長とは別の声でどうぞと聞こえたので恐る恐る扉を開ける。

 

「し、失礼しまーす。」

 

「あら、あなたは、会長と同じクラスの天音 空牙でしたね?もしかして会長に何か用でもおありで?」

 

中に入るとそこにいたのは会長、ではなく副会長さんでした。俺は背中に冷や汗を掻き始めた。理由は明白、何故なら副会長は、かの有名な古川 琴音ファンクラブの……会長なのだから。

 

おいおい、今1番会ったら厄介なひとじゃねーかよ。

 

「あ、まぁーそんな所、ですね?会長は今不在ですか?」

「はいそうですね。会長はいつもより早めにお帰りになられましたよ?」

 

さっきから副会長の目の奥から殺気を感じるんだが……気のせいであって欲しい。

 

俺は震えながら口を開く。

 

「わ、分かりました。で、では後日また来ます。」

「すいません、私からも少しお話が。」

 

そう言うと副会長は俺に椅子に座るように促す。俺は渋々椅子に座り話しを聞くことにした。

 

「そ、それで俺に話って何ですか?」

 

ヤバイヤバイヤバイ、絶対会長を傷つけたって噂を聞きつけて俺に制裁を食らわすつもりだ。

 

「まぁ、話しと言うかお願いなんですが。」

 

お願い?副会長が俺にお願いってなんだ?

 

「な、何でしょうか?」

「はい、私のお願いは……」

 

そう言うと副会長は元々座っていた椅子から立ち上がり俺へと近づく。俺は来るであろう制裁を覚悟して目をつぶった。お願いします。痛くしないでください。

 

そしておもむろに古川 琴音ファンクラブ会長、もとい生徒会副会長は口を開く。

 

「…………会長と、恋仲になってはくれませんか?」

 

俺が目を開けるとそこには頭を下げる副会長の姿があった。

 

「って、えええぇぇええええぇ!!」

 

そして俺は今日初めて全力で絶叫した。

 

×××××××××××××

 

報告。

 

新たなイベントが発生しました。

 

 

 

 

 




次回は絶対会長さん出てきます。必ずだします。


尚、作者は評価や感想を付けてくれると喜びます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。