好きとも嫌いとも言ってない関係   作:lime-255

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好きとも嫌いとも言ってない関係⑤

ベッドで寝ていると、横に風見さんがいた。

 

「口を開けなさい」

 

「え……なんでですか?」

 

「いいものをあげるから」

 

「いいもの?」

 

いいものと聞けば悪くはない……大人しく口を開けた。

風見さんはクチュクチュと口に唾液を溜めて……え?

 

「じっとしてなさい」

 

風見さんは髪をかきあげて、

口を開いてネットリと垂らしてきた……俺の口に入る瞬間……。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ゆっ夢か……」

 

ちょっと欲しかったな……なんて考えた。

 

ここ数日間、風見さんを見ていたが、暑い日はストッキングを履かないがある。

これからどんどん暑くなるので、ここいらで勇気を出さないといけないな。

 

――

―――

――――

 

今日は朝から交渉で事務所に帰るのが遅くなってしまった。

 

「やべーやべー 自分のデスクを見るのが怖すぎる」

 

書類の山を考えるだけで嫌になる……

幸い明日は休みだから頑張るか……。

 

事務所に戻ると風見さんだけがいた。

 

「お帰りなさい」

 

「もどりました」

 

デスクを見ると予想よりは少ない……というか無い!?

 

「あれ……?」

 

「あなたの仕事やっておいたわよ 大したものは無かったし」

 

「あっありがとうございます」

 

「い~え」

 

今日はストッキングか……。

そうだ……ここだ……ここで……決めるんだ!

 

「あっあの……今日は夕飯どうでしょうか? 奢るんで」

 

「じゃあ甘えちゃおうかしら」

 

すんなり了承を貰えた。

 

「会社の近くにとんかつ屋があるんでそこでいいですか?」

 

「お酒はあるの?」

 

「多少は」

 

「そこでいいわよ」

 

そうと決まれば、片づけて店に向かった。

風見さんもお気に召したみたいでご満悦だ。

 

――

―――

――――

 

満腹食べて店を出た。

 

「あっあの嫌じゃ無ければ 家に来ませんか?」

 

「えっ……!?」

 

「あっいや 嫌なら大丈夫です」

 

「嫌ってわけじゃないけど……」

 

さらっと誘ったけど、我ながら

すごい事を言ったな……。

 

「コンビニ行っていい?」

 

「どうぞ」

 

近くに在ったので俺は外で携帯をいじくって待っていた。

 

「行きましょ」

 

風見さんか出て来た。

 

なに買ったんだろ?

まあいいや、着替えかなんかだろ。

適当に話していると、俺の家に着いた。

 

 

ここまで来たら簡単だ『マッサージを提案』すれば

簡単に『汗をかいたストッキングを脱ぐ所と履く所』が見れるわけだ。

自分の才能が怖すぎる。

それに今日のためにマッサージを勉強したからな。

序盤中盤終盤と隙がない戦略だ。

 

「ねえ?」

 

「はい」

 

「お風呂借りていい?」

 

はい! なにもかも終了!

 

「………………どうぞ」

 

「なにその間は」

 

「なんでもないですよ」

 

「着替えってある? なんでもいんだけど」

 

「ああ……シャツと短パンならありますよ」

 

なるべく綺麗なものを用意してあげた。

 

「ありがとう♪」

 

浴室に入り脱ぎ始めた。

ドア越しに風見さんが脱いでいるのを考える。

なんかいいな……。

 

30分ぐらい、たっただろうか

風見さんが出て来た。

 

当然、ストッキングが履いていない……。

その変わり、ゆるいシャツを着ていて、

とても色っぽい、とてもいい。

 

「あなたも入ったら?」

 

「そうですね」

 

風見さんが綺麗で、

俺が汚いと、まずいからな。

 

適当に洗い流し出てくると、風見さんは携帯をいじっていた。

 

「俺の部屋へ」

 

「…………うん」

 

急にしおらしくなった?

なんだろう?

 

とりあえず、俺の部屋に入ってもらい。

アロマキャンドルに火をつけた。

 

先に俺がベッドに座った。

 

「風見さん隣へどうぞ」

 

「えっ? もう?」

 

なんか驚いてる?

そっか、そう言えば、なにするか伝えてなかったな。

そりゃ不安にもなるか……あれ?

風見さんは何をすると思ってるんだろう……?

まあいいや。

 

つーか、このマッサージもやる意味がほとんどなくなってしまったな。

穴だらけの作戦で笑いが零れる。

 

「あっいや 日頃の感謝を込めてマッサージでもしようと思って」

 

「………………はぁっ!?」

 

思ってもみない反応が返って来たな。

……まだ早すぎたか? 彼氏でもない俺が人の体に触るのは?

 

「……うふふ……じゃあお願いしようかしら」

 

「あっじゃあ うつ伏せになってください」

 

風見さんがうつ伏せになってくれた。

ノーブラか……いかんいかん何を考えているだ。

 

すげーいい匂いがする……。

どこから始めるか考えが飛んだ……。

全然集中できない。

 

「どーしたの?」

 

「いっいやなんでもないです 痛かったら言ってください」

 

「はーい」

 

まずは、首筋から両方の親指で挟みこみ、下にずらして行く。

そのまま肩を揉みほぐす。

 

先ほどより、なんだか体が暖かくなってきたような……。

 

背骨も指で挟み何度も圧力をかけて上下に動かす。

 

両方の太ももを揉みほぐす……

下心があると思われるとアレなので、

ほどほどにして、今度は足だ。

ここは時間をかけてやるか。

とは言っても、ツボというものはよくわからんがな。

 

最初にクリームを足全体に塗り込む、

足の甲を中心に念入りに。

 

次は足の指を一本一本を念入りに……。

ギュッ ギュッ ギュッっと

ギュッ ギュッ ギュッっと

絞りあげるように挟む。

 

「ん……」

 

足の指の股も丁寧に押していく……。

グッ グッ グッっと。

グッ グッ グッっと。

少し強めに押し込む。

 

「んん……」

 

最後に足の裏だ。

自分の指を「く」の字にして、

グイッと押し込むように動かす。

グイッ グイッ グイッっと。

グイッ グイッ グイッっと。

 

「~~~うぐ」

 

小さな悲鳴が聞こえた気が……。

 

「痛いですか?」

 

「だ……大丈夫……つづけて……」

 

「はい」

 

引き続きマッサージを続行した。

 

――

―――

――――

 

足の裏から汗が噴き出ていた。

多少は効果があったのだろうか?

仕上げに足のクリームを拭きとって終了。

 

「終わりです」

 

「ありがとう 気持ちよかったわ」

 

うつ伏せのまま返事が来た。

 

「なんか飲みます?」

 

「もらおうかな」

 

お茶を紙コップに注ぎ風見さんに持っていった。

 

「ど~も」

 

風見さんは一気に飲み干した。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

ここで沈黙。

 

「今日はてっきり」

 

「はい」

 

「…………」

 

「はい?」

 

「………………」

 

「はい??」

 

言いづらい事を言おうとして言えない……ってことかな?

 

「なんでしょうか? 言いづらい事ですか?」

 

「そうね言いづらい事ね できれば察して欲しいところ」

 

察してあげたいけど、いくらなんでもヒントが無さすぎる。

 

「う~ん……ちょっとわからないです……すいません……」

 

「…………分かったわよ」

 

風見さんは自分の鞄からあるものを取りだした。

箱? なんだ食べ物か?

 

「こういう事をすると思ったの!」

 

そう言って取り出したのは避妊具だった。

 

「えぇぇ……そっそいうつもりじゃ……」

 

「なんか強気に誘ってくるし……いざ来たらマッサージって ふふふ」

 

なぜか笑みが零れていた。

 

「ビックリしちゃったわよ」

 

「なっなんかすいません……」

 

「…………つかう?」

 

「…………いいんですか? 俺なんかが?」

 

「…………ええ」

 

「…………じゃあお願いします」

 

――

―――

――――

甘くて暑い夜を過ごした。

風見さんの体は柔らかく暖かく大きくて最高でした。


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