【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0071話『長月のちょっとした疑問』

 

 

 

 

 

長月だ。

司令官は駆逐艦教育月間だと言って積極的に私達を育ててくれているのだけど最近の司令官は主に私達睦月型の育成に専念している。

この一週間で卯月に望月、水無月の育成をとりあえず70まで完了させて今は私を旗艦に置いて育成に専念している。

司令官がどうして私達ばかりを優先的に育ててくれるのかわからなかったので執務室に向かい理由を聞いてみようと思ったばかりだ。

それでという訳ではないけど道中で文月を見つけたのでとりあえず一緒に行こうかという誘った。

 

「どうしたの~? 長月ちゃん」

「いや、最近の司令官はどうして私達睦月型を率先的に育てているんだろうなと思ってな。

いや、ありがたいことなんだがどうにも腑に落ちなくてな…」

 

私の疑問に文月は「うーん…?」といった悩む仕草を少しした後に、

 

「あー…! もしかしてー…?」

 

そこで何かの答えに思い至ったのか文月は少し笑みを浮かべて手をポン!と叩いた後に、

 

「どうした…? なにか思い至ったのか…?」

「うん! んふふー。でもまだ私の考えがあっているか分からないからまだ言わないね」

「うーん…?」

 

私が悩むが文月はそれでどこか嬉しそうに顔を綻ばせながらも私の後についてきていた。

そして執務室へと到着して扉をノックする。

この時間帯なら司令官もきっといるであろうという確信があったからだ。

司令官は大体私達が起き出す前の早い時間帯に武蔵さんとか天龍さん達と一緒に畑を耕しているのは知っているからな。

お昼過ぎの今ならきっと執務室で午後の任務の確認をしているところだろうからな。

それは当っていたらしく中から「誰だい?」という司令官の声が聞こえてきた。

他のみんなもよく間違えるらしいけど司令官の声は榛名さんの声だからつい勘違いしてしまうんだよな未だに。

まぁそんな事はいいとして、

 

「長月だ。司令官、今は大丈夫か…?」

「文月もいるよー!」

 

私と文月で今は大丈夫かの話を振ってみた。

すると中から、

 

『ああ、今は大丈夫だ。入っていいぞ。長月に文月』

「わかった。入らせてもらうぞ」

「入るねー」

 

それで扉を開けて中に入ると司令官が私達の方に視線を向けてきながらも大淀さんから資料を受け取っているところであった。

ちょうど今はまだ忙しくはないと言った感じか。

ちょうどいい、かな…?

 

「それで二人とも。どうしたんだい?」

「うん~。司令官、ちょっと教えてほしい事があるんだけどいいかな?」

 

文月が少し下っ足らずな口調で司令官へと話を振ってみた。

 

「言ってみなさい」

「うん! 最近司令官は私達睦月型の事を率先して育ててくれているみたいだけど、もしかしてだけどもしかしてなの…?」

「文月は気づいたようだな」

「うん!」

「うん…? 私にも説明してくれ。二人のやり取りが抽象的で少し分からなかったぞ?」

 

私は司令官と文月が何が言いたいのか分からなかったために二人に問いただしてみた。

すると大淀さんも少し笑みを浮かべており司令官が言うのを待っているのかそのままだった。

そしてそれに対して回答は司令官の口から聞かされることになる。

 

「ああ。まだ本格的な情報ではないのだけど、昨日の某テーマパークの瑞雲祭りのイベントで大本営直轄の日向からまだ誰かは分からないけど睦月型の改二が夏に行われるという話があったのでな」

「なっ!?」

「やっぱりー!」

 

私と文月は司令官のその話された内容に驚きの声を上げた。

文月は予想していたと思うが見当がついていなかった私からしてみれば驚愕の内容だった。

 

「そ、それで誰が改二になるんだ司令官!?」

 

それで私は思わず司令官に詰め寄ってしまった。

だけどそこで文月が、

 

「長月ちゃん、どおどお…! まだ誰かは分からないって司令官が言っていたでしょう? だから落ち着こう…?」

「そ、そうだな…すまない司令官。取り乱してしまって…」

「いや、大丈夫だ。…だからまぁそんなわけで今は駆逐艦強化月間with睦月型をしているわけなんだ」

「そうなのか…」

 

それで納得はいった。

司令官は基本資材を貯めている時などはほぼ演習でしか育てていないけど少しでも有力な情報が入ってくればそれに向けて走り出すんだよな。

それで今までも改二の艦娘は大体実装された当日には間に合っていたからな。

それならば私達睦月型としては喜ばしい内容だな。

 

「それでだけどな…」

 

そこで司令官が少し含みを入れた言葉の後に、

 

「有力の筋では今のところ文月が一番改二になる可能性が近いかもしれないという話が持ち上がっているんだ」

「わ、わたしー!?」

 

それで文月が驚愕したのか自身に指を差して変な顔になっていた。

司令官は「ああ」という前置きをした後に、この世界で使える提督同士のパソコンでのスレッドのやり取りの切り抜きを私達に見せてくれた。

そこには色々な事が事が書かれていたが私には理解できない内容もいくつかあった。

文月も少し分からなかったのか、

 

「司令官…? この■■■や×××ってなぁに…?」

「うわっ!?」

「ひっ!」

 

…なにやら文月の口から放送禁止用語が飛び出したようで司令官は慌ててその切り取りを大淀さんと一緒に隠していた。

そして、

 

「…ふ、ふむ。純粋な文月の口からそんな言葉が飛び出してくるとなぜかいけない事を教えているみたいで罪悪感が沸いてくるな…」

「そうですね。なまじ内容を理解していませんからなおさらいけないと思います…」

 

司令官と大淀さんはそれで疲れたような表情になっていた。

そして私達に視線を向けてきて、

 

「とにかく二人とも。先ほどのものは忘れなさい。いいね?」

「あ、ああ…」

「…? わかりましたー」

 

私は生返事で、文月はどこかまだわかっていないけど何となくな感じで返事を返していた。

 

「…まぁ、なにはともあれ睦月型の改二が迫ってきた訳だから誰が来てもいいように準備はしておかないとな」

「そう言う事なら私も練度上げを頑張るとしようか」

「うん! 文月もまだ練度は30だけどすぐにみんなに追いつくね!」

 

それで私達は少しすっきりしたので執務室を出ていった後に、

 

「…しかし、そうなるとまた騒ぎになるな。話によればすでに今年の夏に改二候補になる艦娘は私達睦月型も含めて四名くらいはいることになる」

「そうだねー。確か由良さんはほぼ確定していて、他には海外の大型正規空母の改二があるから多分サラトガさん、大穴でグラーフさんだよね」

「ああ。そして主力戦艦の改二も誰かがなるかもしれないからな。もう半分以上は戦艦は改二になっているから絞られてくるぞ。この前に長門さんが改二になったからおそらく陸奥さんかな…?」

「まだわからないけど、これからも楽しみだねー」

「ああ。また艦隊がより一層強くなれるんだからな」

 

それで誰が改二になるのかまだ分からないけどもし決まったらそいつを祝ってやろうか。

私はそう思っていた。

 

 




瑞雲祭りで色々な情報が開示されましたね。
睦月型の改二。
海外の大型正規空母の装甲空母化。
ウォースパイトの中の人が務める新たな新艦娘など…。

これからが楽しみです。



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