【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0067話『夕雲型の梅雨mode模様』

 

 

 

今日は例に漏れずに雨が降っている。

小雨程度だけどそれでも艦隊運営に支障を与えるくらいには迷惑な雨だな。

それでも川内率いる夜戦チームは平気で出撃して哨戒はしているけどね。

戦闘はなるべく控えて当然かっぱは着ているので雨に濡れても大丈夫。

そんな事を思いながらもふとなんとなく外を見てみるとそこには傘を差している緑色の髪の子の姿が見えた。

 

「あれは…高波かな?」

《多分そうでしょう。他にも黒髪の子も見えます。おそらく早霜さんかと…》

「だな。なにやら二人で楽しそうに会話しているけど姉妹だから波長が合うんだろうな。今はそっとしておこうか」

《はい》

 

それで私はまだ仕事が残っているのでそちらを優先させて今は二人をそっとしておく事にした。

 

 

 

 

 

それから少し時間が経過してお昼になる頃にある一人の戦艦に憧れいつか自身も戦艦になりたいと思っている艦娘が執務室へとやってきた。

 

「ねぇねぇねぇ! 司令官、今からお昼でしょ? 一緒にいこう!」

「清霜か。わかった。支度するから少し待っていてくれ」

 

それで財布やら傘やらを準備して食堂の棟へと向かう。

一見執務室と食堂はそんなに遠いわけではない。

だけど一回外に出ないと到着しない設計になっている。

まぁ、だけど中道に雨よけが設置されているから平気なんだけどな。

 

「司令官! 今日はね、武蔵さんと一緒にお食事するの!」

 

清霜がいかに嬉しそうに話をする。

武蔵とか。二次創作でもよく清霜と武蔵は仲がいいという描写が目立つけどここでもそんな感じだったか。

うちは結構武蔵に関してはそれなりの逸話を持っている。

 

とあるイベント海域が終わっていざ大型チャレンジだ!という感じで残った資材でやってみたところ一発でキター!な展開を発揮して、その時にはまだ来ていなかったビスマルクをチャンスを逃すわけにはいかないという事で十回以上はチャレンジして最後に開発資材を100個使いやっとビスマルクがきてくれたのだ。

あの時はついに来たか…というイメージだったな。

だから武蔵は結構使用資材は低い方なのだ。

 

そんな事を思い出していながらも、

 

「そうか。それじゃ清霜も武蔵にいいところを見せないとな」

「うん! 武蔵さんに倣って大盛を食べようと思っているわ」

 

ニコニコ笑顔で清霜はそういう。

だけどそこで少し笑顔が引き攣って、

 

「でもね、清霜も食べきれない事があるの。そんな時に限って武蔵さんが代わりに食べてくれるの」

「武蔵は清霜のいい姉貴分じゃないか」

「うん。だから武蔵さんの事は大好きなの!」

 

清霜がいかに武蔵の事が好きかという話をしながらも食堂へと到着して清霜はキョロキョロと武蔵を探してそして見つけたのか、

 

「それじゃ司令官! 武蔵さんの所へ向かうね!」

「わかった。それじゃまた後でな」

「うん! あ、武蔵さーん!」

 

それで清霜は武蔵の方へと向かっていって抱き着いていた。

武蔵は「おっと…相変わらず元気な奴だなお前は…」と言いながらも自然と笑みを浮かべて清霜の頭を撫でてあげていた。

うん。良き師弟関係かな…。

そんな事を思っていると私の後から来たのだろう高波と早霜が傘を傘立てに置きながらも食堂へと入ってきた。

 

「あ! 司令官、こんにちはかも!」

「ふふ。司令官…お食事ですか?」

「二人ともこんにちは。清霜に振られてしまったのでよかったら一緒に食べないか?」

「いいかもです! 早霜は大丈夫…?」

「大丈夫ですよ、高波姉さん…」

 

高波からの提案に早霜も異論はなく付き合ってくれるようだ。

それじゃさっそく食堂へと並んで食事を摂らないとな。

ところで、

 

「高波、アジサイの髪飾り似合っているぞ」

「ふぁー! 司令官に褒められたかもです!」

 

高波はそれで少し舞い上がっているけど早霜が「高波姉さん、どおどお…」と言って高波の興奮をうまく抑えていた。

 

「ふぅー…いきなり褒められたからびっくりしたかも! です」

「高波姉さんは浮かれやすいですからね。誰かが見張っていないといけません…」

「早霜、意外に結構酷い言い様かも…」

「そんなことは無いですよ…?」

 

二人のそんな掛け合いを楽しみながらも食事を持って席へと着く私達。

そういえばと今朝の光景を思い出して、

 

「そういえば…二人とも今朝は外に傘を差して出ていたけどなにかを見ていたのか?」

「司令官、見ていたかもですか?」

「ああ。窓から二人が楽しそうに笑みを浮かべあっているのが見えたものでな」

「そうですか…はい。高波姉さんと一緒に咲いているアジサイを見て楽しんでいたんです。この時期特有の花ですから結構楽しみなんですよ」

 

早霜はそれで片目が髪で隠れながらも楽しそうに口元を綻ばせていた。

うん。こういう表情もできるのか。

やっぱり色々と見ていくと実際に見れる顔というものがあるよな。

そんな事を思いながら食事を進めていく。

 

 

そして食事を終えて一息ついていると先ほど別れた清霜がなにやら朝霜と遊んでいる。

具体的には昔に私もやったなーという傘でチャンバラをしていた。

 

「いくぜ清霜! あたいの剣を受け止めてみな!」

「いくわよ朝霜姉さん!」

 

そんなやり取りをしながらも二人はキャッキャと楽しんでいた。

うん、これぞ雨の中の日常風景だな。

だけど一言言っておこう。

 

「二人ともー。傘だけは壊すなよー」

「「はーい」」

 

二人の返事が聞こえてきたので良しとしておこうか。

それで今日も梅雨modeの子達の顔が見られたので午後の仕事も頑張れそうだという思いで私は執務室へと戻っていくのであった。

 

 

 




今回は夕雲型の梅雨modeの子達の話を書きました。
急ぎ足で書いたので結構誤字があるかもしれないのであったら指摘お願いしますね。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

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