【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0058話『あきつ丸との様々な談義』

 

 

 

 

 

今日、任務をチェックしていたら久々に九六陸攻を一式陸攻にする任務が出たので私は迷わずに更新した。

そしてこれで他の一式陸攻と合わせてようやく一式陸攻シリーズが八個も貯まって後一個で基地航空隊の戦力も十分になった。

前の大規模作戦で『銀河』を無理してでも取りにいかなかったのが今更になって後悔し始めているけど、そう…今更なのだ。過去は振り返らない事にしている。

今できる戦力でやり繰りしていかなければいけないのだ。

それでも九六陸攻も今は一個あるからこれで最低限の三つの基地航空隊が出撃可能になった。

前回の作戦で初めて甲作戦で褒章として大本営から貰った『一式戦隼Ⅱ型(64戦隊)』や『零式艦戦21型(熟練)』も二個あるのでよほどでもない限りは射程は足りるだろう。

射程が足りない時は『二式大艇』か『カタリナ』を使って最大限まで射程を伸ばしてやればいい。

防空に関しても『三式戦 飛燕』シリーズを使えば十分戦力になるしな。

それで私は今年の夏に起こるであろう大規模作戦も今回は甲で頑張ってみようかなと考えている時だった。

 

「提督殿、少しよろしいでありますか…?」

 

そんな言葉とともにあきつ丸が執務室へと入ってきた。

その顔には今にも楽しそうな表情が刻まれている。

なにかを起こそうと考えているのか…?

それで少し警戒をしながらも構えていると、

 

「提督殿。本日に自分が以前に開発しました九六陸攻を一式陸攻に更新したというのはまことでありますか?」

「そうだけど、どうした…?」

「いえ、以前に九六陸攻が開発可能になった時に加賀殿と一緒に開発戦争を繰り広げて見事先手を会得しましたのでそれが無くなってしまったと思うと少し悲しく思いましたので…」

 

そう、以前に九六陸攻が開発可能になったと聞いていざ我はという者たちが工廠へとはせ参じたのであった。ほとんど空母だったけど…。

その中にあきつ丸もいて、いざ一人ずつ試しに開発戦争を繰り広げていたら加賀さんよりも先に陸攻を建造してしまって加賀さんに屈辱を与えていったのがあきつ丸なのである。

そのあとに加賀さんもどうにか踏ん張ってもう一機陸攻を開発したが、消費資材が重いために陸攻任務が出た際になければ開発すればいいという話で落ち着いたのである。

そんな経緯もあり、あきつ丸は陸攻になにやら思い入れを持ったのか、装備できないのが悔しい…と言っていたのはこの世界に来てから本人に聞いた話である。

だけど、

 

「珍しいな。特にあきつ丸とは陸攻は関係した話はなかったと思うが…」

「そうでありますが、どうにも陸攻に関しましては譲れない思いがありまして。今度も開発する際は自分を採用していただきたく今回は参りました」

 

…そんな真剣な眼差しで迫られると迫力あるな…。

ただでさえ顔がおしろいを塗ってあり白いだけに。

 

「わかった。それじゃ九六陸攻が足りなくなったらその時には呼ばせてもらうよ」

「はいであります!」

 

それであきつ丸も気持ちが落ち着いたのか少し余裕を持った面持ちで、

 

「しかし、一式陸攻は数が増えましたな」

「そうだな。これも今までイベントで頑張って取ってきたおかげだよ」

「そうですな。口惜しくは提督殿がチキンだったために有名どころのネームド機を取り逃している事ですな」

「うッ…あきつ丸、頼むからそこを突くのはよしてくれ」

「いえいえ。まだまだありますよ。かの有名な陸攻機である『銀河』を取り逃したのは痛恨の極みでしたな」

「うわああああっ!!? やめてくれ!! 頼むから…!!」

 

あきつ丸は私が苦しむ仕草を見るたびに愉悦の表情を浮かべている。確信犯か!?

それでなにかを言い返そうと思うけど特に反論できないのが悔しいところである。

 

「…まぁ、それでも提督殿はこの世界に来てから大本営の命令とはいえ苦難を乗り越えて初めて甲作戦を制覇して甲種勲章を貰えたのはこのあきつ丸も評価したい所存であります」

「あきつ丸…」

 

いきなりの上げてくるセリフに思わずほろりと涙を一筋流してしまった…。

 

「ふっふっふ。提督殿の涙、しっかりと確認いたしましたであります」

「くっ…!?」

 

それで急いで涙を腕で擦って無くす。

不覚を取ってしまった…。

やっぱり人心掌握に関してはあきつ丸には一歩及ばないのか…。

陸軍艦娘、恐るべし。

 

「まぁ、何が言いたいかと言いますとこれからも提督殿には頑張ってもらいたいのが本音でありますね。

それでできればネームドの艦載機やその他の装備を貰い受けていただければ自分も目が潤うであります」

「なに…? もしかしてあきつ丸。お前は夕張や明石と同じで装備マニアだったのか…?」

 

それであきつ丸はにっこりと笑顔を浮かべて一言、「はいであります」と答える。

そうだったのか…。知らなかったな。

それであきつ丸は少しうっとりとした表情をしながらも、

 

「陸攻の翼のフォルムはとてもいいものですよ。瑞鳳殿とも意見が合いましてどの陸攻や艦載機が一番かわいいのか論議を交わすくらいです」

「ほう…? あの瑞鳳とな。そんな仲だったのか」

「はいであります。提督殿が知らないコミニティは結構存在するでありますよ? 艦載機ファンクラブは空母組内では何人か入っているであります」

「確かにそんなグループもあっても驚きはしないな」

「でしょう? ですからもう少し提督殿も見聞を広めるために鎮守府内のある意味闇の部分を垣間見てもいいと思うであります。色々な艦娘の顔が見れますよ?」

 

そのあきつ丸の提案に内心で少し心が躍っている私がいる。

何それ面白そう。

 

「ちなみに駆逐艦とかのグループもあったりするのか…?」

「もちろんあるでありますよ。連装砲ちゃん会などが有名でしょうか? 島風殿を筆頭に天津風殿や秋月姉妹なども入っているであります。毎回どの子が一番かわいいかで騒いでいるので賑やかなのは確かですな」

「ああ、確かに…それはもしかして秋津洲とかも参戦しているのか? 大艇ちゃんとかの絡みで…」

「いいとこをつくでありますな。ええ、秋津洲殿もたまにそのグループで話をしていますな。それぞれの装備の子達の言葉はその所有者の艦娘にしか分からないから翻訳などもやっています」

「…やっぱり連装砲ちゃんとか喋るんだな」

「当たり前であります。でなければ自立歩行などしませんよ」

「だよなー」

 

そんな、少しあきつ丸の意外な一面を見れた楽しい会話ができた一日であった。

それとは別として今夜の大本営の発表も楽しみにしておこうか。

 

 

 




今回はあきつ丸メインで書いてみました。
陸攻関連は昨日に任務で出たのでちょうどよかった話のネタが思いついたので書いてみました。
今夜の情報の開示が楽しみですね。

夏イベは射程が厳しくなるかもしれないから二式大艇をゲットするために6-4に三体目の秋津洲でも探しにいこうかな…?




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