【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0045話『大鷹の初めての出撃任務』

 

 

 

長門が改二になって翌日。

私は大本営から送られてきた新たな任務をするために編成を考えていた。

まず一つ目の任務内容である『海上護衛体制の強化に努めよ!』であるがこれはいつも通り鎮守府海域を哨戒する任務だらけだ。

だけど今回特に目についたのは駆逐艦あるいは海防艦三隻を含むと書いてある点か。

しかしなぁ、いきなり海防艦を含む任務が来ると思っていなかったのでまだ練度が低い海防艦の彼女達を使うわけにはいかない。

なので、だからいつも通り駆逐艦四隻に先制雷撃の阿武隈と現在育て中の大鷹を含んだ艦隊で任務をやってもらっている。

 

それで最初の任務箇所である製油所地帯沿岸を哨戒してもらっているんだけど、

 

『司令官…逸れちゃったみたい』

「わかった。速やかに帰投してくれ」

『了解…』

 

旗艦の敷波が気落ちをしながらもそう連絡してきたのでそう返しておいた。

あそこはいつもながら固定ができないからやっかいなんだよな。

下手したら渦潮を踏むしで敵は弱いのに厄介な場所だ。

だけど二回目の出撃で今度はボスエリアまでいけたみたいで、

 

『司令官! 敵掃討に入るね!』

「ああ、任せた」

 

それですぐに敵深海棲艦は倒すことが出来た。

よし、これでまずは製油所地帯沿岸はクリア。

次は南西諸島防衛線だな。

比較的軽い海域だからどうにかなるだろう。

それで同じ編成で哨戒してもらってクリアしてもらった。

 

そしてやってきました。

鎮守府近海の対潜哨戒。

今回から新たに完封できるだろう編成で挑んでもらう。

ここも海防艦が育っていればよかったんだけどまだ見送りで大鷹を旗艦に朝潮、朝霜、リベッチオで挑んでもらった。

 

『提督、大鷹…頑張らせてもらいますね』

「ああ、まだ改二にはなっていないけど対潜は十分に高いからできるだろう」

『はい。艦攻さん達に頑張ってもらいます!』

 

そう、大鷹は対潜値が高くて先制対潜が可能な軽空母だから駆逐艦の子達と一緒に先制対潜をできるのだ。

だからこれで潜水艦をほぼ無傷で勝利できる、と思う。

まだ今回が初の試みだから何回か試行しないと分からないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大鷹さん! 今回から対潜哨戒に編入されるそうですね。よろしくお願いします!」

「あ、はい…。まだまだ未熟ですがよろしくお願いしますね」

 

朝潮さんにそう言われて緊張しながらも今回初めての実戦を経験することになりました大鷹です。

 

「大鷹さん、硬いよ! もう仲間なんだからもっとフレンドリーでいこうぜ」

「アサシモのいう通りだよ! リベも大鷹さんともっともーっとお友達になりたいな!」

 

朝霜さんとリベッチオさんにそう言われて少し気分も幾分よくなって身体から余計な力が抜けていくような感じがしました。

そうですよね。一人で戦うわけではないのですからしっかりやらないと。

赤城さんや加賀さんにも言われましたし。

 

『大鷹さん、あなたはまだ未熟ですがあなたの中には未知の力が宿っています。ですからこれから頑張っていきましょうね』

『赤城さんのいう通りです。大鷹、あなたはやれば出来る子です』

 

大先輩の赤城さんと加賀さんにそう言われてしまってはこの大鷹、頑張らないといけません。

 

「やりましょうね、艦攻さん…?」

【―――】

 

艦攻さんは私にしか分からない言葉で「任せて」と言ってくれました。

 

「そう言えば大鷹さんは他の軽空母の皆さんとは少し異なって鷹匠スタイルでしたね」

「はい。ですから艦載機の子達とは意思疎通が必須項目になってくるんです」

「島風の連装砲ちゃんみたいなもんか」

「いいなぁ…リベも一度でいいから連装砲ちゃん達とお話してみたいよー」

 

そんな他愛もない話をしながらも私達は対潜哨戒を続けていきます。

そして装備してあるソナーに潜水艦の気配が感じられたので、

 

「皆さん! 潜水艦、来ます! 単横陣でお願いします!」

「「「了解!」」」

 

それで陣形を単横陣にして、

 

「大鷹! 発艦します! いって艦攻さん! よろしくお願いします!」

 

早速艦攻さんを発艦させて先制対潜で潜水艦を沈めました。

 

「…すげー、ほんとに先制対潜をした…」

 

朝霜さんがそれで驚いているみたいです。

私も初めての試みでこうもうまくいくなんて思っていませんでした。

 

「さすがですね。朝潮も負けていられません!」

「リベも負けずに頑張るよ!」

 

それから私達はエリアボスまでほぼ先制対潜で完封してボス個体も私が倒してしまいました。

 

「大鷹さん。さすがのお力、御見それしました」

 

朝潮さんがそう言って私の事を褒めてきました。

や、そんなに畏まれても困ります。

 

「これでまだ改二になっていないっていうんだからすげーよな…」

「うんうん。大鷹さん、これから毎日対潜哨戒を頑張ろうね!」

「はい!」

 

どうやら皆さんに認められたようです。

大鷹、ここでも頑張って行けそうです。

…ただ鎮守府に帰投したら秋津洲さんがいて、

 

「もうもしかしたら秋津洲の出番はないかも!?」

 

と、悲観そうな顔をしていました。

どうやら私が入るまでは対潜哨戒は秋津洲さんの唯一の取柄でもあったみたいです。

なので少し気の毒に感じて申し訳がなかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大鷹の満足のいく成果を聞いて私は今後は対潜哨戒は大鷹を入れていこうという思いになった。

まだまだ改二という伸びしろがあるから先が楽しみな子だな。

そしておいおい海防艦のみんなも練度を上げていって対潜哨戒に入ってもらおうと思っている。

とにかくこれで対潜哨戒もクリアっと報告書に印鑑を押して、最後の任務場所である鎮守府近海航路へと大淀と駆逐艦の水雷戦隊の編成でクリアしてもらった。

 

「提督。『海上護衛体制の強化に努めよ!』を完遂です。おめでとうございます」

「ありがとう。それでここから長門の任務が出てくるのか」

「はい。長門さんなら難なくクリアできると思いますよ」

「そうだな」

 

それで長門と陸奥を招集するのであった。

 

 

 




今回はまず長門の任務の前に『海上護衛体制の強化に努めよ!』の話を書きました。
そして大鷹を演習以外で初出撃させました。
秋津洲は少し気の毒ですがまぁもう90は越えてますから十分使えますしね。



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