【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


最終話『これからも続く艦娘達との日常』

 

 

 

とうとうレイテ沖海戦が始まった。

そして続々と集まってくる情報を見ながらも思う。

 

「みんな、やる気を出しているな……」

「はい、提督!」

「榛名も鉢巻きをしているしな」

 

多くの艦娘達が気合を入れるために鉢巻きを巻いている光景が廊下を歩いているとよく見られていた。

それほど気合の入れ具合がすごいのだろうと思う。

 

「まぁなにはともあれ、榛名……今度も勝ちに行くぞ」

「お任せください! 榛名も存分に頑張ります!」

「よし。それじゃまずは武蔵の改二でもしてくるとしようか」

「それでは武蔵さんをお呼びしますね」

 

榛名がそれで武蔵を呼ぶために電話をしている。

それからしばらくして武蔵が清霜とともに執務室に入ってきた。

 

「提督よ。とうとうこの日がやってきたな」

「そうだな。そういう清霜は武蔵の手袋や髪形をしているけど、やってもらったのか?」

「そうよ! 武蔵さんが私のためにやってくれたの! いいでしょいいでしょ!」

 

嬉しそうに笑顔を浮かべる清霜。

清霜も気合が入っているな。

それじゃさっそくだけど行くとしようか。

 

「それじゃ武蔵。作戦が始まってさっそくだけど第二次改装、いくとしようか」

「おうとも!」

 

それで改装室へと向かう私達。

そこにはいつも通りに明石が待っていて、

 

「あ、やっぱり来ましたね提督。限定作戦で改装設計図とかその他いろいろ手に入るから後に回せるのですけど提督ならすぐに来ると思っていました!」

「それならよかった」

「もう大淀から必要なものは預かっていますのでいつでもいけますよ!」

「わかった。それじゃ武蔵、行って来い!」

「任された!」

「武蔵さん、かっこよくなって帰ってきてね!」

「ああ。清霜もかっこよくなった私を見て腰を抜かすなよ?」

 

それで「あっはっは!」と笑いながらも武蔵は改装室へと入っていった。

それから準備が整ったので明石からいつでもいいですよー、と声がかかってきたので私は改装ボタンを押した。

いつも通りに改装室から光が漏れてきて、扉が開くとそこには雰囲気が大幅に変わった武蔵の姿があった。

 

「これが武蔵の新しい力……行ける!行けるぞ!!」

「ふああああああ!! 武蔵さん、かっこいい!!」

 

案の定、清霜が武蔵に飛びかかっていた。

私は明石から武蔵改二のスペック表を受け取って見てみたけど、やっぱり第5スロット解放の恩恵は凄まじいなという感想だった。

それからすぐに武蔵を改修MAXにして完璧な武蔵がここに出来上がった。

 

「ふふふ……力が漲ってくるぞ。これならもう怖いものはないな。なぁ清霜?」

「はい! 武蔵さんは最強です!」

 

いい感じに師弟感を醸し出しているな。

羨ましい限りだ。

そんな感じで廊下を歩いて講堂まで向かっている途中、瑞鶴と遭遇する。

その瑞鶴の姿はいつものツインテールではなく翔鶴みたいに下ろしていてまるで戦国武将みたいないで立ちであり、その、とてもカッコいいと素直に感じてしまった。

だけど、

 

「あ! 提督さん、見てみて! この日のために新調した服装なんだ! これでもう怖いものなんてないんだから!」

「そうか。いつも通りの瑞鶴で安心したよ」

「え? それってどういう意味?」

「深い意味はないから安心してくれ。それじゃみんなも待っているだろうから早く講堂へと向かおうか」

「うん!」

 

武蔵と清霜、瑞鶴とともに講堂へと到着した。

そこにはすでにほとんどの艦娘達が集まっていた。

 

「提督、おっそーい!」

「悪い悪い」

 

島風に抱きつかれながらも壇上へと私は上がった。

そして、

 

「さて……みんな。いよいよ決戦が始まった。深海棲艦もこぞって攻めてくるだろう。だけど私達もただ胡坐をかいていたわけじゃない。この日のために駆逐艦のみんなも練度は上げてきたし、他の艦種のみんなも練度の向上を図ってきた。資材も豊富に蓄えてきた。準備という準備はしてきた。だから後は勝ちに行く。それだけだ」

 

私がそう話すとみんなも気合が入ったのか真剣な表情になる。

 

「思えばこうしてみんなと普通に話し合えるというのもいいものだと思う。この世界に来るまではただのゲームのキャラクターだと思っていたみんなとこうして触れ合えるのは私はとても嬉しく思う。

だから、このささやかながらも楽しい日常を壊さんとする深海棲艦を駆逐するために、みんな、私に力を貸してくれ! そして必ずまた暁の水平線に勝利を刻もう!」

 

私がそう言いきった瞬間に湧き上がる艦娘達の歓声。

これもとてもいいものだと思いながらも、この世界に招いてくれたあの少年には感謝をしながらも、

 

「それじゃ各自、準備を終え次第、抜錨の準備に取り掛かってくれ!」

「「「了解!!」」」

 

私達はそれで今度のこの作戦も勝ちに行くことを決意した瞬間だった。

そして慌ただしくなる中で、榛名とシンちゃんと一緒になって、

 

「それじゃシンちゃんもみんなを信じてお留守番していような?」

「うん。きっとみんな勝てるよね?」

「大丈夫ですよ。提督も私達もこの日のために頑張ってきたんですから」

「そうだよね! わかった! 私、信じて待ってるね!」

 

榛名とシンちゃんとで笑いあう。

私の最大の幸福は榛名とシンちゃんと会えたことかもしれないな。

これだけでこの世界に来れただけでも幸運だと思う。

 

 

 

 

……そしてこれからも深海棲艦との戦いは続いていくだろう。

あの少年が言ったようにいつか終わりの時が来るかもしれない。

だけど、それでも私達は決してあきらめずに足掻いていき、このささやかな日常を守っていこう……。

 

 

 

そう信じて私達は突き進んでいく。

いつか辿り着く安息の場所を追い求めて……。

私達の航海の旅はまだまだ続いていくのだから……。

 

 

 




はい。
というわけで『戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。』はこれでお終いになります。
今まで読んでくださった読者の方々は応援ありがとうございました。
艦これ一期最後の作戦が始まって物語が終わるのは少し締めが悪いですけど、終わりどころを探っていったらちょうどよかったので。

とにかく、これにて短いようでしたが後書きを終了いたします。
読者のみなさん、こんな拙い我が作品を今まで読んでくださりありがとうございました!


そして提督の皆さんはこの限定作戦も頑張って最後まで駆け抜けましょう!


炎の剣製がお送りしました。

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