【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

30 / 306
更新します。


0030話『護衛棲姫との戦い』

 

 

 

前日の輸送作戦が完了したため、ついに前段作戦最後のエリアボスへと戦いを挑もうと思っている。

それで前日までの輸送艦隊編成を少し弄って決戦編成にする。

 

第一艦隊を旗艦を最上のまま運用する。

そして戦艦三隻。

霧島に比叡、そしてウォースパイト。

最後に軽空母の姉妹である千歳と千代田の二名。

 

第二艦隊もさほど変えてはいない。

ただ、初月を北上に変更した。

 

これで水上打撃部隊を組んで挑んでもらおうと思う。

 

「司令、この霧島にお任せください」

「はい。精一杯頑張りますね」

「アドミラル、このウォースパイトにお任せください」

 

戦艦組が元気に声出しをしてくれているので「頼むぞ」と言って期待の言葉を贈った。

 

「千歳お姉、頑張ろうね!」

「そうね、千代田。提督、私達の活躍にも期待してくださいね?」

「うん。制空権は確保できる装備にはしてあるから頼む。

なにせ相手は新種の空母型深海棲艦らしいからな。随伴艦もきっと空母を出してくるだろう」

「新種とかそんな事は関係ないよ提督。ただあたしが力を見せるんだから倒せない敵はいないよ」

 

北上が実に頼もしい事を言ってくれる。

こういう時の北上はいつもすごい活躍をするからな。

期待してもいいだろう。

 

「そうだな」

「北上さん、頑張りましょうね!」

「んー…阿武隈が第二艦隊の旗艦かー。いけるの…?」

「ムキー! 北上さん、いつも一緒に戦ってきたでしょうが! 少しは信用してくださいよ~!」

「わかったよー」

「本当ですかー?」

 

北上と阿武隈のそんなやり取りを聞き流しながらも、

 

「さて、みんな。この前段作戦が終了すれば続く後段作戦でなにかがきっと起こるだろう。

だから確実に新種の深海棲艦を倒してきてくれ」

「「「了解」」」

「それじゃ抜錨してくれ!」

 

それで私は水上打撃部隊のみんなを送り出した。

きっと激戦になるだろうからみんなの無事を祈っている。

特に私の中にいる榛名が出ていく霧島と比叡の事を心配してか、

 

《比叡お姉様に霧島…しっかりできればよいのですが》

「そうだな。でも立派な自慢の姉妹たちだろう? 信じてあげよう」

《はい》

 

それで私は執務室でいつでも戦闘指示がかけられても良い様に待機しているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阿武隈です。

提督が言っていた新種の深海棲艦………大本営からつけられたコードネームは『護衛棲姫』。

だけど最初にその護衛棲姫に遭遇した時はあたしは少し驚いた。

その小柄な体躯に額には一本角を生やしていて、だけどどこか鳳翔さんや赤城さんに通ずるなにかの似たような雰囲気を感じさせていたのだ。

 

「ネムッテ……イタノニ……ブスイナ…ヒトタチ……」

 

その護衛棲姫は眠っていたのだというけど、ならなんでこの重要な場所を任されたのか少し不思議に感じました。

でもその護衛棲姫の腕には新型の艦載機がまるで鳥のように乗っていて威圧感を一緒になって放っている。

そして提督の読み通りに随伴艦にも軽空母が何隻かいて千歳さんと千代田さんとの制空権の争いは過酷を極めているようでした。

長門さん達の決戦支援艦隊とか基地航空隊の攻撃で三分の一くらいは減らせたけどそれでも空母群はまだ健在だ。

そして同行戦になり、戦闘が開始され始める。

 

まず第一艦隊の皆さんが攻撃を始めていき、なんとか護衛棲姫以外は倒すことが出来た。

続いてあたし達の攻撃の番が回ってくる。

摩耶さんや鳥海さん、北上さん、綾波さんに雪風ちゃんが次々と攻撃していく。

それで本体を護衛している駆逐艦とかは殲滅できたのでそれで夜戦に突入できた。

あとはほぼ丸裸の状態の護衛棲姫だけを倒せば済む話なんだから決めます!

だけど私の雷撃はカスダメになってしまっていい所がなかったのは残念かも。

そしてやっぱりというか、当たり前というべきなのか北上さんが連撃を叩き込んで護衛棲姫を倒しちゃいました。

ううー…悔しい。

 

「阿武隈、あたしがやっぱり一番だねぇ」

「だからってあたしの前髪を一々弄らないでくださいよ~! もうやだー!」

 

やっぱり北上さんは意地悪です。

そんな事を思いながらも、提督へと連絡を入れる。

 

「提督? 護衛棲姫をなんとか倒しました」

『そうか。これで私達の前段作戦は終了だ。

また護衛棲姫が沸いてくる前に帰投してくれ。それは他の艦隊の仕事になるんだから』

 

そうなんですよねー。この世界ではまるでコピーされてるのかと思うくらい同じ個体が何度も出てくる。

それを各自の鎮守府の戦力が順番に倒していく感じだ。

だからあたし達が倒した護衛棲姫もそのたくさんいる内の一人に過ぎないのだ。

こんなんだからこちらが戦術的勝利を収めてもそれは一時しのぎにしかならないんですよね。

この全作戦が終わるまでは何度も深海棲艦は戦いを挑んでくるから厄介です。

…本当に深海棲艦ってどこで建造されているのか謎だらけです。

 

あ、それとは話は変わるんですけどあたし達が前段作戦は終了しましたから大本営から報酬として新しい艦娘さん。

たしか春日丸さんが合流するという話なんですよね。

だから楽しみー。

 

 

 

 




護衛棲姫を倒しました。

この世界での各鎮守府のやり取りなども記載しました。

淡々と書いていますが何度も倒すのに苦労しましたね。はい。
明日は一旦戦闘は終了して前段作戦で合流した艦娘とのやり取りを書こうかと…。


それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。