【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0286話『松輸送作戦』

 

 

 

 

うふふふ~。

今日は提督から新任務として『松輸送作戦、開始せよ!』というのをやらされることになったんだけどー。

少しだけ苦い思い出があるのもどうかと思うわよねー。

私が旗艦をつとめた東松2号船団での輸送中に攻撃されちゃって沈没しちゃったから……。

でも、もうあんなへまはしないって思っているから平気なんだー。

それに提督も気を利かせてくれたのか随伴艦の駆逐艦の子達を卯月ちゃん、野分ちゃん、朝風ちゃんの三人を入れてくれたから私としては少しだけ嬉しいかもしれないかもー。

それで出撃している時に、

 

 

「ですが、こうして龍田さんとまた松輸送作戦をできるというのは少しだけ野分は嬉しく思います」

「そ~お? そう言ってくれると私も少し嬉しいかな」

「ぷっぷくぷー。うーちゃん、張り切って頑張るぴょん!」

「この朝風が龍田さんを守りますから!」

 

三人がそう言ってくれるので嬉しい気持ちが溢れてきちゃうじゃない。

だからその気持ちを正直に話すことにしたの。

 

「三人とも、ありがとね。それじゃ頑張りましょうかー」

「「「おー!」」」

「それと、数合わせでごめんなさいねー。龍鳳さんに祥鳳さん」

「いえ! 龍鳳も何かのお役が立てればと思いますから大丈夫です!」

「そうですね。せっかく提督がこの任務のために組んでくださった艦隊なんですから空のお守りは任せてください」

 

龍鳳さんと祥鳳さんもそう言ってくれるのでありがたいわねーと思いながらも航路を進めていく。

この任務は割かし簡単な海域の攻略だからすぐに終わるとは思うんだけど、やっぱり油断はしちゃダメよねー。

またこれで沈んだりとかしたら卯月ちゃんとかに申し訳が立たないし、天龍ちゃんに怒られちゃうからねー。

 

「それにしても、司令官ってこういう時は本当に気を利かせてくれるわよね。こんなマイナーな編成はなかなかやろうとは思わないだろうし」

 

朝風ちゃんがそう言ってうんうんと頷きながら提督の事を感心して褒めている。

その気持ちは分かるなー。

任務の一覧にはただ駆逐艦か海防艦三隻と指定されているだけなんだから誰でもいいとは思うんだけど、効率より編成の方を優先的に括ってくれる提督はとてもありがたいわねー。

本当に提督はロマンを追い求めている感じよねー。

 

「司令官はやる時はやる人ぴょん! うーちゃんもそういう司令官のところがお気に入りぴょん!」

「野分も司令官がそう言う人だって知っていますから疑いなく付いていけますね」

 

野分ちゃんはともかく卯月ちゃんの口からもそう言われる提督ってかなりいい人なのよねー。

やっぱり普通の軍人さんより私達の事に関して踏まえている点が多いからかしら……?

少しだけ憧れちゃうなー。

私もそう言う人になりたいって思っちゃうし……。性格的に無理そうだけどね。

 

「まぁいっか。それじゃ卯月ちゃん達の気持ちに免じて張り切っちゃおうかなー」

「おっ! うーちゃんも龍田さんに負けないように頑張るぴょん!」

「いったわねー? それじゃどちらが多くの深海棲艦を狩れるか勝負でもしましょうか?」

「望むところぴょん!」

「あ、あのー……一応輸送作戦ですからね? ね!」

 

龍鳳さんが何か言っているけどこれは戦闘任務でもあるんだから変わらないもん!

そして進んでいくと、

 

「龍田さん! 索敵をしていた艦載機の子達から入電ですけど深海棲艦が群れでいます! どうしますか?」

「そうね……突撃しちゃいましょうか~! こういう時、天龍ちゃんだったら迷わず突っ込んでいっちゃうと思うしー」

「確かに……」

「天龍さんじゃそうかもしれないわね」

「龍田さんのいう通りぴょん!」

「うふふー。それじゃこの旗艦、龍田に続いてくださーい! 死にたい船はどこかしら~?」

 

私達はそれで深海棲艦に突撃をしていったの。

結果は完勝でしたけどね~。

やっぱり鎮守府近海の海域の敵は弱いわよね~。

その後の近海航路の方も楽に輸送を出来た事だし……。

それで任務も完了した事だろうし提督に連絡を入れる。

 

「提督~? 任務完了したわよ?」

『そうか。それじゃすみやかに帰還してくれ。今回は龍田のために編成した艦隊だからやりやすかっただろう?』

「そうね~。うん、とってもやりやすかったわ。やっぱり提督ってこう言う事に関しては分かっているわねー」

『それならよかった。松輸送作戦って任務が出た時にはこの編成でしないとだろうって心に決めていたからな』

「そうなの~? だったら私も嬉しいかな? 最近はあんまりこういった任務はあまりこないから私も出来てうれしかったし~」

 

それで少しばかり提督と世間話のように帰投しながらもお話をしていたんだけど会話が終了した後にみんなの方へと振り向いてみると何故かみんながとても生暖かい視線を送ってきていた。どうしたのかしら~?

それなのでどうしたのか聞いてみるとまず野分ちゃんが口を開いた。

 

「その、龍田さん……とても司令と通信で話す時に笑顔だったから普段はそんなに素の表情を龍田さんは出さないからやっぱりそんな顔を出させる司令はすごいなって……思いまして」

「あらあら~……それはとても恥ずかしいかな?」

「龍田さん、とっても笑顔だったぴょん!」

「そうね。私も少しだけ顔が熱く感じるくらいだから」

 

いやだわー。恥ずかしいじゃない~。

龍鳳さんと祥鳳さんも同意なのか半笑いだからどれだけ私、提督と話している時に笑顔を浮かべていたのかしら~。

これは帰投したら意味のない八つ当たりだけど天龍ちゃんをからかわないと私の気が晴れないかもしれないわね~。

そういうわけで天龍ちゃん、ちゃんと私に弄られてね?

 

 

 




今回は松輸送作戦を書きました。
このメンツでやりたい欲が高かったですしおすし。


それとTwitterで流れてきた話題で知ったのですけど龍田を斜めで見てみるとポールダンスをしているみたいとか言う話で画像が回ってきてなるほど……と納得しました。



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