【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0279話『ヒトミとの執務とお洒落事情について』

 

 

 

今日は、私……伊13が秘書官をすることになりました……。

どうして今日なのかな……とも思ったけど、どうやら1月13日にかけているという話みたいです……。

当然秘書官だから色々と仕事があるのは分かっているから、頑張ら……ないと。

 

「提督……。本日の演習の具合は、どうでしたか……?」

「ああ。村雨を育成しているところだけどあと練度2上げれば80に行くんで一応は改二の練度には達した感じだな」

 

それで提督は私に今日の演習で出撃した艦隊の表を見せてくれた。

そこには当然提督の名前も入っていたので、

 

「その……提督? あんまり、無茶はしないでくださいね……? 演習弾とはいえ当たれば痛いんですから……」

「うん。分かっているよ。大丈夫だから安心してくれ」

「あっ……」

 

提督は私を安心させてくれるように頭を撫でてくれました。

それがとても安心感を私にもたらしてくれると同時にもっと撫でてもらいたいという欲求が芽生えてきてしまうんだけど、いつまでも甘えていてはイヨちゃんに示しがつかないから我慢、です。

 

「……もう、提督は優しんですから。それとなんですけど、龍鳳さんを編成に入れているんですね……」

「ああ。今現在は練度は98になったからこのままカンストを目指していきたいと思っているんだ」

「それだと、その……龍鳳さんとも絆を結ぶため、ですか?」

 

そう聞いてしまった直後に少しだけ罪悪感に襲われました。

提督は、私も含めてみなさんに優しいお方です。

だから少しでもいいから私だけを今は見てほしいというある意味嫉妬のようなものを表に出してしまいました……。

もしかしたらこれで提督に嫌われてしまわないかと不安になってしまいます。

だけど、

 

「……そんな不安そうな表情で聞いてくるセリフじゃないな。これでも私的には鈍感ではないからヒトミが思っている事はなんとなく分かるよ。構ってほしいのか……?」

「い、いえ! そんな事はありま、せん……!」

「我慢はよくないぞ。秘書官の時じゃないとできないことだってあるんだから。金剛とかが秘書官になった時にはいつも以上に甘えてくるからな」

 

そう言って思い出し笑いをしている提督の顔を見て、『ああ、やっぱり優しい人……』と感じてしまいます。

昨日もたまにしか行けない居酒屋鳳翔でイヨちゃん達と騒いでいたとか言う話でしたけど、とても今更なのですけど提督はやっぱり軍人には性格的に向いていないとは思うのはきっと気のせいではありません。

それは仕事も指揮も立派にこなしていますけどやっぱり関係的に軍隊というより家族という感じがしっくりくるんですよね……。

それだから皆さんに好かれる要因だと私は考えています。

もし、提督がとても私達艦娘に厳しくて酷い事も平然と行う人だったらもうこの鎮守府は崩壊していたと思います。

だからこそ、一般人の感性を持っている提督は特殊な例だと感じます。

前に演習をしていた時によその鎮守府の子と話をした事がありますけど、とても規律や規則に厳しい提督らしくてストレスを感じている子が多いという話を聞いたことがありますから。

……それが一般的な軍人の姿だとは私も思います。

でも、結局はよそはよそ、うちはうちなんですから気にしたらダメですよね……。

提督は今のままでいいんです。それが魅力なのですから……。

 

「ヒトミ……? どうした? さっきからころころと表情を変えて……?」

「えっ……い、いえなんでもありません。ただ、そうですね……私は提督と出会えてよかったと感じています……」

「そうか。それなら嬉しいんだけどな」

 

そんな感じで少し誤魔化してしまいましたけどその後は普通に執務をしている提督のお手伝いをしているという事をやっていました。

少しだけ時間も経過して窓の外を見ればもう暗くなってきていました。

 

「提督……。暗くなってきましたのでそろそろ艦隊を引き上げましょう……」

「そうだな。夜間哨戒艦隊や遠征艦隊以外はもう戻しておくか」

 

提督はそれで皆さんに聞こえるように通信をかけていました。

それから外にいた皆さんはわらわらとそれぞれの寮へと戻っていく光景を執務室から見ていました。

 

「とても、寒そうでしたね……」

「そうだな。さすがに冬なだけあるからな。ヒトミも潜水艦だから寒いところはなれているとはいえ防寒の服は着た方がいいぞ」

「ですが、一応室内の服も来ていますけど……」

 

潜水艦の皆さんは海に出ない時は普段は基本はジャージなどを着ていますね。

格好は少しダサいかもしれませんけどすぐに海に潜るためにはお洒落なんかに気を回していてはいざという時の出撃に間に合いませんから。

 

「そうだけど、少しはお洒落も気に回してもいいんじゃないか……? はっちゃんとかは去年は結構な恰好をしていたのを記憶しているんだけどな」

「そうでしたね……」

 

あの時のはっちゃんはいつも以上に大人みたいな雰囲気を出していましたからね。

それを私達は羨ましい視線を送っていたのも覚えていますね。

 

「……そうだな。後で服装のカタログを潜水艦のみんなに配るから欲しいものがあったら言ってくれないか? いつもジャージ姿だけじゃ味気ないだろうし」

「そうですね……。後で皆さんと話し合ってみますね。提督、お気遣いありがとうございます」

 

私はそうお礼を言っておきました。

こういう気遣いも嬉しいと感じています。

だからこれからも提督のもとで頑張りたいと思いました……。

 

 

 

 




潜水艦達の都合上は陸ではほとんどジャージを着ている設定です。
なんでってすぐに脱げるからですかね。
たまにはお洒落をしてもいいと思いますよね。去年のはっちゃんみたいに。




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