【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0263話『長波の改二改装』

 

年末の今日この頃、長波の第二次改装の日がやってきたなという感じである。

それで私は長波改二以外にも追加された項目などを見ながら大淀と話をしていた。

 

「しかし……新たに新遠征が追加されたのか」

「はい。南西諸島関連の遠征ですが『敵泊地強襲反撃作戦』という名前になっていますね」

「重巡一隻に軽巡一隻を入れて後は駆逐艦を四隻の編成での遠征か……これはおそらく敵強襲ともあるんだから主砲を装備していってもらった方がいいよな……?」

「おそらくですが、それで正解だと思います。最近の新遠征は装備を重視していますからね」

「そうだな。それじゃさっそくだけど行ってもらおうか」

「了解しました。手配しますね」

 

それで私達は編成した艦隊を送る事にした。

8時間40分もあるんだからそれなりに時間を要しないとクリアは難しいから慎重に行かせる子達は選ばないといけないしな。もし無駄になったら嫌だし。思い出すのは潜水艦派遣任務……あれを一回失敗した時はさすがに少し萎えたからな。48時間はきついんですよね。

まぁ、後は時間が解決してくれるだろうから遠征に関してはもう任せておこう。

続いての項目に目を行かせる。

そこには火力や装甲など微修正された艦娘の名前が載せられていた。

 

「綾波に潮、時雨、初霜、ヴェールヌイのステータスが上方修正されたのか……」

「そのようですね」

 

それで私はさっそくとばかりにこの五名を電話で呼び出してすぐに改修室へと向かうように指示した。

しばらくして、

 

『提督ー。五名の改修が済みましたよ』

 

明石からそう連絡が入ってきた。

 

「そうか。結果はどうだった……?」

『はい。まず時雨さんは雷装が強化されました。初霜さんは雷装と一緒に装甲も強化されましたね』

「そうなのか。続いては……?」

『はい。ヴェールヌイさんは安定して装甲の強化でしたね』

「なるほど……なんかどんどんヴェールヌイが要塞化してきたな」

『あははー。それ、本人の前で言わないでくださいね……?』

「わかってるよ」

『はい。そして極め付けなのが潮さんと綾波さんの火力の強化ですね。なんと、ついに綾波さんがあの夕立さんの素の火力を越えてしまいました』

「なんと。夕立を越えたのか……」

『はい。これで装備しない限りトップの座は譲る形になりましたね』

「そうか。わかった。それじゃ明石、もう少ししたら長波を連れて第二次改装に行くと思うから改装室の準備を頼む」

『わかりましたー! では』

 

それで明石との通信を終了する。

そして、

 

「しかし、そうか。綾波が夕立を越えてしまったか……」

「さすがの鬼人と呼ばれた綾波さんなだけありますよね」

「それも本人の前では言えないな」

「ふふ、そうですね。それでは次の項目に行きましょうか」

「そうだな。次は……武蔵の建造率が上昇しているのか」

「はい。分かっていると思いますけどうちにはすでに武蔵さんはいますので大型建造はほどほどにしておいてくださいね……? 時には諦めも大事ですから」

「わかってる。まぁ期待しないで回しておくよ」

《あはは……。提督、結局は回すんですね》

 

そこで榛名が出てきてそう言う。

 

「まぁ、私の気分の問題なんだけどもう一隻欲しいというのは欲が出ているとは思うけど仕方ない事なんだ。幸い今はボーキ以外はカンスト気味だから何回かは回せるしな」

「提督……?」

「わかってるわかってる! ほどほどにしておくから!」

 

大淀の追及があるけどなんとか流しておこう。

資材を集めてくれるみんなの苦労も知っている事だし……。

武蔵建造の件はこれで一応は終わりとして、最後の項目になってきた。

 

「そして最後に長波の第二次改装か……これには改装設計図にプラスして戦闘詳報も一つ必要とあるけど、確か一つだけあったよな……?」

「はい。秋の作戦で未使用の戦闘詳報が一つ残っていますね。どうやら新任務でも数個手に入るとありますから安心して良いと思いますけど」

《なんか最近本当に改二に必要な道具が増えてきましたよね》

 

榛名がそう言ってどこか感心しているような声を出していた。

そうだよな。大体二年から三年以内に実施された改二には改装設計図も必要としない子が多かったけど、レアな装備を持ってくるようになってから改装設計図を必要とする感が増えてきたからな。

 

「わかった。それじゃ大淀、改装設計図と戦闘詳報の準備をお願いしていいか……?」

「わかりました。すぐに取り掛かりますね」

 

大淀はそれで一度部屋を出て行った。

その間に長波を部屋に呼んでおくとするか。

長波の部屋へと連絡を入れる。

 

『お、提督かー? どしたー?』

「長波か。さっそくだけどお待ちかねの時間だからすぐに執務室に来てもらっても構わないか……?」

『ッ! 改二だな!』

「ああ。だから早めにな」

『わかった! すぐにいくから!』

 

よほど嬉しいのだろう、長波はそれで通話もほどほどに通信が切れた。

 

《ふふ。長波さん、よほど嬉しいのでしょうね》

「そうだな。すぐに来るだろうから待っていようか」

《はい》

 

と、そこでタイミングよく、

 

「提督。改装設計図と戦闘詳報の準備が出来ました。すでに妖精さん達に頼んで明石の方に運んでもらっていますよ」

「わかった。さて、改二はどうなるか楽しみだな」

 

するとさっそくとばかりにドタドタと複数の足音が響いてきたので来たのだろう。

 

「提督! あたしの改二は!?」

「落ち着きなさい。まだ改装もされていないんだから焦らないの」

「そ、そうだな……」

「長波姉さま、深呼吸かも!」

「そうだな、高波」

 

それで何回か深呼吸をしている長波。

その間に清霜が近寄ってきて、

 

「司令官。長波姉さまの改二は練度はどの程度なんですか……?」

「ああ。75で改装できるらしいから80の長波なら十分だろう」

「そっかー。それじゃ楽しみだなー。夕雲型では初めての改二だから」

「そうだな。果たしてどういう風になるのかで今後の使い方が決まってくるようなものだからな」

 

そこに夕雲が入ってきて、

 

「ふふ、提督。使うなんてなんか言い方がダメですよ?」

「ああ。すまない、配慮に欠けていたか」

「いえ、間違ってはいないですからいいんですけどね」

「それじゃ提督! 行こうぜ!」

 

落ち着いたのだろう、長波がそう言うので、

 

「それじゃ改装室に向かおうとするか」

「おー!」

 

元気よく改装室へ向かう私達。

明石がおなじみの笑顔で、

 

「まってましたよー。それじゃ長波さん、改装室に入ってもらってもいいですか?」

「わかった!……清霜」

「ん? なぁに? 長波姉さま……?」

「……お先に戦艦になってくるぜー」

「うー……う、羨ましくなんかないもん! いつか清霜も改二になれるもん!」

「あははー! じゃ、行ってくる」

 

清霜を煽りながらも長波は改装室へと入っていった。

しばらくして、明石から合図が来たので私は改装ボタンを押す。

するといつも通りに改装室の中から光が漏れてきて、そして……。

 

「改二改装された長波様だぜ! どんな敵でもかかってきな!」

「「「おー!」」」

 

そこにははちまきを巻いて上着を着ている長波の姿があった。

ふとももまでになったストッキング改めニーソが眩しいな。

 

「な、長波姉さな、とっても素敵かもー!」

 

ぶー!と鼻血を出している高波にみんなが「わー!?」と駆け寄っていった。

長波が好きな高波には刺激が強かったようだな……。

とにかく、

 

「それじゃこれからもよろしくな、長波」

「おー! 任せておいてよ!」

 

こうして長波は改二になったのであった。

 

 

 




武蔵建造、七連敗して爆死しました。また資材を貯めます。
長波可愛いですよね。




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