【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0262話『クリスマスの片づけと正月の準備』

 

 

 

「はーい! そっちのツリーと飾りつけはそっちの倉庫にしまって!」

「わかったー!」

「正月のお料理の下ごしらえをしたいのですが……」

「それじゃ買い出しに行こうかー! 外出許可取りに行こう!」

「しっかり数人で行くんやでー! 誘拐されたらたまらんからなー!」

「「「はーい!」」」

「着物の準備はどこでしましょうか……?」

「ここはやっぱり和風の空気漂う空母寮だよね!」

「鳳翔さんや龍鳳さんに着付け教えてもらおう!」

 

鎮守府中は今現在大掃除もさながらのクリスマスの片づけや正月に向けての準備などを行っている。

私も私で今は大掃除を手伝っている真っ最中である。

 

「しかし……やっぱり結構ほこりが溜まっていたな」

《そうですね。普段は妖精さん達が勝手にというのもおかしな話ですけどやってくれていますからね》

「こういう時は妖精さん達にも感謝しないといけないよな」

 

それで私は近場にいた妖精さん達を集めて、

 

「いつもみんなありがとな。後でなにか美味いものを食べさせてあげるぞ」

【【【わーい!】】】

 

喜ぶ妖精さん達を見て和む私。

妖精さん達は艤装にいつもいるから結構体のサイズが小さいのに、頑張り屋さんだから可愛いんだよな。

それで最近めっきり世話になっていない榛名の艤装の妖精さんを呼んだ。

すると私の肩によじ登ってきたので、

 

「いつもありがとな。細かな部分はやってくれているのは知っているから感謝しているんだ」

【はい、ありがとうございます。提督さんも今年はまだ数日ありますけど私達妖精にも良くしてくださりありがとうございます】

「なに、気にするな。妖精さん達だって家族には違いないんだから」

【はい……】

 

妖精さんのデフォルト顔でも照れているのが分かるからやっぱり可愛いよな。頬をつつきたくなる衝動を抑えながら、

 

「それじゃもう少し頑張って掃除でもしようか」

《はい、提督!》

【お手伝いします】

 

それから他の場所で掃除をしている艦娘のところへと赴いて手伝うなどをしていた。

その度に、

 

「提督、ありがとー!」

「司令、感謝いたします!」

 

感謝されるのが嬉しいと感じるのはいい事だよな。

そんな感じで午前中は大掃除に駆けまわっていたのであった。

 

 

 

 

 

 

そして食事を摂った後、時間は午後となって執務室で少し任務の片づけなどをしていた。

今日の夜に来るであろう長波の改二に含まれる任務と、正月までに集めて系の任務もおそらくだけどあるだろうから年末は頑張らないといけないしな。

まぁ、多少の心残りと言えば今年中に駆逐艦全員を練度70まで上げられなかったところだな。

あと、10人だったんだけどな……。

それにそろそろ本気で気が早いけど夏に向けて速吸とかも育てないといけないから大変だ。北上や大井も育ててお札対策にしておきたいしな。

加賀さんと赤城さんの二人目は今は順調に育成中だから今のところは問題はないけど、果たして私の予想は当たるのかはわからないところだな……。

それに提督間の噂ではなにやら村雨が改二になるかもしれないという話が持ち上がっているからな。

大本営からお知らせが来る前までには練度を80にまで上げておいても損はないだろうしな。

 

《提督……? 少し眉間に皺が寄っていますよ? なにか難しい事でもお考えですか……?》

「いや、大丈夫だ。ちょっと来年の抱負をどうしようかと考えていたものでな」

《抱負ですか……そうですね。榛名は明石さんのお薬が完成してほしいところですかね? そしたらいつでも提督のお役に立てますから》

「それはありがたいな。でもまだまだ開発途中だから何回か実験で幼児化はするだろうからな……覚悟しておかないと」

《あはは……まだまだ臨床試験は始まったばかりですからね》

「そうなんだよなぁ……」

 

あの薬は分離薬と解毒薬がセットになって今のところは現状維持な状態だからどちらか紛失すると大変なことになるからな。

明石に成分を聞いてみたが「企業秘密です♪」ではぐらかされてしまったし。

そんな時に、ふと……もとの世界の事を思い出していた。

 

「……そういえばこの時期は家族や親戚と一緒に色々と集まっては初詣やらに行っていたっけな……」

《あっ……。そ、そうですよね……》

 

そう受け応える榛名はどこか声のトーンが下がったような気がする。

おそらく気にしているんだろうな。

 

「榛名が気にする事じゃないから安心してくれ。大丈夫……もう戻れない事は分かっているから吹っ切れているし、それにもう何度言ったか分からないけど今は艦娘のみんなが私の家族なんだから。だから寂しくなんかないよ」

《はい……》

 

まずったかな……少し空気がしんみりとしてしまったな。

どうにか元に戻さないと気まずいし……。

 

「そうだ……。榛名、正月は薬を飲んで分離して一緒に初詣に行こう」

《え、でも……それでは提督がまた子供になって記憶を失ってしまいます》

「なに、大丈夫だ……とはさすがに言えないけど元に戻る薬もあるんだからどうにか小さい私を説得して飲ませてやってくれ」

《わかりました》

「よし、決まりだな。明石も時間の延長くらいはもうすでにやっていそうだから後で聞いてみようか」

《はい!》

 

そんな感じでお正月の予定が一つ決まった瞬間だった。

少し不安だけど榛名の喜ぶ姿も見たいからな。頑張ろう。

 

 

 




正月はまず任務を済ませてから初詣の話を書こうと思います。
実際、うちはいつも三が日に初詣に行っていますから。




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