【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0257話『子日と長波と国後の関係』

 

 

 

 

今日は何の日? 子日の進水日だよ!

え? 聞いていないって? そんなぁ……。

だけど提督はきっと私のところに来てくれると思うから安心しているんだぁ。

初春姉さんに若葉や初霜もきっと祝ってくれると思うから恵まれているなーって思う事だよ。

だけど、そんな時に子日の部屋に誰かがやってきたのかノックをしてきた。

提督かなー?

誰でも嬉しいけどそれで出て行くと、

 

「お、子日。いたか」

「あ、長波ちゃん! どうしたの?」

「いやな、お前の進水日のお祝いをしに来たんだけどなんかもしかしてあたしが一番乗りな感じか……?」

「そうだよ! 長波ちゃん、ありがとう!」

「いやー、それならよかったよ。なんせ先日まで改二に向けて練度上げの日々を送っていたからなかなか酒保に買いに行けなかったんだ」

「そっかー。そういえばもう長波ちゃんも改二になるんだよね? 練度とかは大丈夫……?」

「ああ。そこら辺は提督が頑張ってくれたからもう80まで達したから一応は安心ラインだと思うけどな」

「そうなんだー。よかったね」

「おう!」

 

それで長波ちゃんはいい笑顔を浮かべる。

 

「それじゃいつまでも扉の前じゃ悪いから入って入って!」

「それじゃ上がらせてもらうぜ」

 

長波ちゃんが中に入ってきてさっそくとばかりにプレゼントを渡してくれたのでありがたく受け取ったの。

 

「なんか恥ずいから後で開けてくれな?」

「わかった!」

「でも……なんかこうしていると昔を思い出すよな。まぁ、艦時代の話じゃないんだけど艦娘として鎮守府に配属されたはいいものの、子日ときたら初春型以外の奴らと関わるのが苦手みたいであんまり話しかけないでいたよな」

「あー……そう言えばそうだったね。その時はまだ提督とは直接出会っていない頃だったし話しても信じてもらえないだろうけど結構臆病だったんだよね、子日」

「そうそう。だから仕方がないからあたしが色々と見んなと関わるきっかけを作ってやっていたんだよな」

「うん! 長波ちゃんのおかげでみんなとも仲良くできるようになったんだ。ありがとね、長波ちゃん」

「まぁ、あたしもそれは同じだからお相子だな」

 

ニシシと笑う長波ちゃんはやっぱり頼りになれる子だよね。

話に聞くところによると今現在で実装されている夕雲型で姉妹の子達と艦時代では唯一全員と面識があるとかで艦娘になってから色々と取り持ってやったとかなんとか。

姐御肌で面倒見もあるから憧れちゃうなー。

 

「それでさー……」

 

それから少しの間、長波ちゃんとお話に花を咲かせていたらまた誰かがノックをしてきた。

今度は誰だろう……?

 

「あたしはいいから出てやんな」

「うん。はーい!」

 

子日が扉を開けるとそこには意外な人物というか子日的には少し苦手な子が立っていた。

 

「……その、来てやったわよ」

「く、国後ちゃん……」

 

少し照れているのかそっぽを向きながらも目では部屋に入れなさいと訴えてきていた。

うーん……国後ちゃんとは少し苦手な間柄なんだよね。

直接子日が悪いわけじゃないんだけど、子日の艦長さんが国後ちゃんの艦長さんにどえらい態度を取ってしまって、階級が上であると分かった途端に直接船にまで赴いていったという艦時代の話がある。

だから艦長さんの影響もあって子日も少しだけ国後ちゃんは苦手な存在とも言えるんだ。

でも、こうして国後ちゃんから会いに来てくれるんだったら歓迎しないといけないよね。

そう思った子日は国後ちゃんを部屋に通すことにした。

 

「それじゃ入って!」

「反応が遅い! それじゃ海の上では致命的よ!」

「きゃん!」

 

さっそく怒られちゃった……。

やっぱり厳しい性格しているよね。

 

「お、国後じゃん!」

「長波、あなたもいたのね……上がらせてもらうわよ」

「おう。入れ入れ」

 

なんか、すでに長波ちゃんに部屋を乗っ取られている気がするのは子日の気のせいかな……?

 

「しっかしお前から子日に会いに来るなんて珍しいな」

「はぁ!? べ、別にいいでしょ! あたしだって子日さんと話がしたいんだから。でも、なかなかタイミングが合わないからこちらから会いに行くしかないじゃない!」

「おー……なになに? 意外と国後の方は子日の事を気にかけてるんだな」

「べ、別に……そんなんじゃないわよ」

 

あれあれー?

なんか変な空気になってきたねー。

実は国後ちゃんて子日の前では照れ屋さんだったの……?

だとしたら、

 

「それだったら子日も嬉しいかな! 国後ちゃんと仲良くしたかったから!」

「わっ! ちょっとー。あんまり引っつかないでよー!?」

「嫌よ嫌よも好きの内って奴だなー」

「あんたは黙っていなさい!」

 

それから少しだけ三人でコントのような会話をしながら話が盛り上がってくる。

 

「……はぁ。子日さんはともかく、長波は一緒にいると疲れるわね……」

「あ、ひどいなー!」

「まぁ……今日は子日さんの手前、許してあげるけどね。そういえば、長波は近々改二になるそうじゃない……? おめでとうって言っておくわ」

「お、ありがとな!」

「それじゃ子日さん。遅くなっちゃったけどプレゼント、受け取ってちょうだい」

「ありがとー! 後で開けるね」

「ええ、構わないわ」

 

今日は二人に祝ってもらって嬉しいなー。

だけどふと複数の気配を感じたので扉の方を見ると隙間から提督、初春姉さん、若葉、初霜の四人の顔が見えたので、

 

「もー! 隠れてこっちを伺っていないで入ってきてもいいよー!」

「いや、なんか邪魔したら悪いかなって思ってな」

「そうじゃのう。なかなか珍しい組み合わせじゃったからのう」

「……楽しそうでなによりだ」

「はい。子日さん、とても楽しそうでしたよ」

 

うう……。いつから見ていたんだろう?

だけど、

 

「みんな! ありがとね! 子日、とっても嬉しいよ!」

 

それからみんなが子日の事を祝ってくれた最良の日でした。まる!

 

 

 




ながねのはジャスティス。
そしてねのくなもいいですよね。国後が「子日さん」って呼ぶところに愛を感じます。



長波の練度、80になったのでメンテナンスの日まで待機です!



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