【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0245話『マレー沖海戦について思う事』

 

 

 

 

今日はあの第二次世界大戦の引き金とも言われた真珠湾作戦に続いてマレー半島にて行われた海戦『マレー沖海戦』が起きた日である。

この作戦では主に活躍したのは戦艦ではなく基地航空隊の航空機群だったのは言うまでもない話である。

この作戦で海軍はイギリス海軍が誇る戦艦である『プリンス・オブ・ウェールズ』と『レパルス』を圧倒的な艦載機による攻撃によって撃沈し、世界の常識であった大艦巨砲主義時代に終わりを告げたとも言われていた。

 

 

 

 

 

 

 

「という事が過去にあったんだがビスマルクはこの件についてなにか思う事はあるかな……?」

 

私は今日の秘書官であるビスマルクに今日のあった海戦について聞いてみた。

プリンス・オブ・ウェールズはビスマルクにとってもある意味関係が深い戦艦とも言える。

なんせあの『デンマーク海峡作戦』でフッドを沈める戦果を見せたビスマルクだけど、プリンス・オブ・ウェールズの主砲を数発浴びてしまい海水が流入してしまい燃料タンクからも重油が漏れ出してしまっていたために作戦継続が不可能となってしまい、その後の怒りのイギリス軍による『ビスマルク追撃戦』によってアークロイヤルなども参加していたほぼすべての大型艦による攻撃で何度か逃走に成功するも低速での航行を余儀なくされて最終的には英国艦による何百発もの砲撃を受けて最後には沈没した。

 

「そうね……アークロイヤルとは別としても私には因縁深い相手とも言えるプリンス・オブ・ウェールズが呆気なく沈められたというのは驚きの内容でしょうね……」

 

そう言ってビスマルクは深く考え込んでいる。

そこから感じるのは郷愁か、あるいは……。

 

「まぁアークロイヤルというイギリス艦が来た以上はこれ以降も海外艦は増えるだろうからいつかはプリンス・オブ・ウェールズやフッドとかも参戦してくるかもしれないけど、そんな時になって喧嘩とかはしないでくれよ?」

「それについては保証はできないけどわかったわ。ただでさえ最近はアークロイヤルにソードフィッシュを向けられる機会も初期よりは減った方だから仲はいい方だとは思うし……」

「ほう……結構仲良くなったんだな」

「まぁね。アークロイヤルは結局構ってって言っているようなものだからね。あの子の感覚ではお遊び感覚なのでしょうね。まったく困ったものだわ」

 

そう愚痴を零すビスマルクだけどそれでもどこか楽しそうに感じるのは私の気のせいかな……?

昔には色々あったけど今ではともに戦う仲間だからな。折り合いもついているんだろうな。

そんな時に話題に出ていたのを感じたのかお姫様が執務室に入ってくる。

 

「私を呼んだかビスマルク!」

 

バタンッ!と扉が開き笑顔のアークロイヤルとどこか疲れているような表情のウォースパイトが入ってくる。

 

「げっ……」

 

案の定ビスマルクは嫌そうな表情を浮かべる。

そしてそんな反応をされてさらにアークロイヤルは刺激を感じたのかビスマルクに顔を近づけながらも、

 

「なんだ……? 私の話題が出ていたような気がしたのだけど気のせいかしら……?」

「近い、近いわよ! もっと距離を取ってちょうだい!」

「そんな冷たい事を言うな……寂しいじゃないか」

「私はそれでもいいわよ!」

 

と、二人がじゃれている間にウォースパイトが私に話しかけてきた。

 

「それでAdmiral……アークロイヤルが言っていましたようにビスマルクとなにを話していたのですか……?」

「ああ、まぁ……今日の海戦についてでいつかはプリンス・オブ・ウェールズもやってくるかもしれないから喧嘩はしないでくれよって感じの話だな」

「まぁ……そう言えば今日はあのマレー沖海戦が起きた日でしたわね。プリンス・オブ・ウェールズやレパルスも戦果を上げれずに沈んでしまい悲しい思いをしたのでしょうね……」

 

二人の事を思いだしたのかウォースパイトもどこか遠い場所を見るような目をして二人の事を考えているのだろうな。

 

「……そういえばプリンス・オブ・ウェールズではないんだけど冬の作戦ではイギリスの駆逐艦が参入するっていう話はもうしたかな?」

「そうなのですか。それは少し、楽しみですわね……。Admiral、その子の救出あるいは報酬艦でもどちらでもよいのですが必ず仲間にしましょうね」

「そうだな。うん、頑張ろうか」

「はい」

 

私とウォースパイトで和やかな雰囲気を出している中で、

 

「Admiral! 少しビスマルクをどうにかしてくれないか!? 大人しくしてくれないんだ!」

「あなたこそ落ち着きなさいな! ええい、もう! グラーフ! グラーフはいないの!?」

 

和やか……とは程遠い二人をどうにかしないといけないなぁ。

 

「ウォースパイト……二人をどうにかしたら紅茶でも淹れてくれないか? ちょっと心労で疲れたかもしれない」

「ふふ……わかりました。それでは四人で仲良くお茶会でもしましょうか」

「頼んだ」

 

そんな話をしながらも私はその後にビスマルクとアークロイヤルを喧嘩両成敗で叱った後に四人でお茶会を楽でいる時だった。

 

「そう言えばAdmiral……明日で今回の作戦も終了しますが、もう思い残すことはないのですか……? Admiralが望むならまだ新たな仲間の救出を頑張りますけど……」

「そうだな。うん、大丈夫だ。今回仲間になる艦娘達は全員仲間にしたし、欲しかった子もばっちり手に入れたからな。西村艦隊のみんなも雪辱を張らす事も出来た事だからもう私からはこれ以上は望むことは無い」

「そうですか。それならばよいのです」

 

そう言ってアークロイヤルは優雅に紅茶を飲んでいた。

 

「だが、私達の鎮守府はいいのだけど他の鎮守府はどうなのだろうな? 話に聞けばうちより低練度の艦隊が多く存在するのだろう……?」

「そうだな……」

 

思い出すのはこの世界ではいまだに横須賀鎮守府の長門がうちを除けば最高練度というのは変わっていないだろうし、まだ意識改革もそんなにできていないだろうから大和型を壁にしている鎮守府もまだあるかもしれない。

よその鎮守府の方針に口出しできるほど私もそんなに位は高くないからなんにもできないのは悔しいけど仕方がない現状なんだような。

 

「まぁそれでも……私達は私達で今の居場所を守るくらいがちょうどいいと思うんだ。なにか要請があればその時に考えればいいさ」

「そうね。それでいいと思うわ」

 

そんな感じでもうこの件についてはもう話はしなかった。

 

 

 




今日はマレー沖海戦が起きた日ですね。

それとは別にまだ一日ありますからクリアできていない提督の方は頑張ってください。




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