【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0024話『青葉のいつものアレ』

 

 

 

 

作戦名、『出撃!北東方面 第五艦隊!』と銘打たれた作戦が開始された。

次々と報告が大本営から送られてくるのを見て思う。

 

「…こうして大本営から情報が送られてくるのはそれだけ期待されているという事なのだろうか…?」

「そうですね。大本営もこちらの未知なる練度の鎮守府がどう出るのか様子を伺っていると思います」

 

私が大淀にそう聞くとそう返されてきて、やはり大本営の手のひらで踊らされている感が否めないのを感じた。

それよりも今は気になる事がある。

ゲームをやっていた時にも何度も気になっていた事だ。

イベントが始まると大淀という艦娘は私に様々な情報を伝えるためにその手には辞書が数冊は収まるだろう太さの資料を抱えている。

しかも片手で…。

だから気になったから聞いてみることにした。

 

「なぁ、大淀?」

「はい? なんでしょうか提督…?」

 

大淀はそう言って私の方へと顔を向けてくる。

その涼しい表情から別に無理をしているとは感じられなかった。

ますます気になったので聞いてみた。

 

「その大量の資料の山…重くないのか?」

「ああ…そうですよね。人間の人から見たら重そうですからね。

ですが私は艦娘です。普段は艤装なども扱わないといけませんのでこれくらいの資料の山なら持てないと任務娘をできませんから」

「そうか。無理をしていないならいいんだ。うん…」

 

大淀はそれで私が心配していると思ったのか少し頬を赤くさせながらも「ありがとうございます」と言ってくれた。

それから私は大淀とともに作戦や任務の確認をしている際に、

 

「だけど、最初の海域が大湊警備府からか。深海棲艦は着々と日本近海に侵入しているようだな」

「そうですね。まずは対潜作業で大湊警備府近海の潜水型深海棲艦を一掃するのでしょう」

「それと………新艦娘が六隻か…」

「はい」

「大丈夫だろうか…?」

「やるしかありませんよ」

「そうだな…」

 

それで大淀と一緒に溜息を吐く。

大本営は本当に憎い演出をしてくれる。

国を守ってくれ。代わりにそれで新しい艦娘は六隻を与えてやる。

…とか、そしてそのうち数隻が深海棲艦に魂を捕らわれているだろう艦娘もいるとか言ってくるのだから。

どうやってそう言う事を観測しているんだ…?

本当に深海棲艦と取引をしているのではないかと本気で疑ってくる。

そこになにやらカチャカチャとなにかを操作する音が聞こえてくる。

なんだ…?

まだ情報は流していないと思うのだが…。

そんな事を思っていると扉が開かれてそこには記者魂が滾っている青葉の姿があった。

 

「司令官! 青葉、聞いちゃいましたよ!」

「はぁ………どこでなにを聞いた? 話によってはお前を拘束しないといけないぞ?」

「そうですよ青葉さん。もしかして執務室に盗聴器でも仕掛けているんじゃないでしょうね?」

「や、嫌ですよ~…そんなに睨まないでください。ただ青葉は知的好奇心の赴くままに執務室の扉に心音計を取り付けて聞いていただけですよー」

 

うん。真っ黒だな。

それで私はおもむろに電話を取り出してある部屋へとかけようとする。

 

「し、司令官…? その受話器は何をするために…?」

「ん? 古鷹に電話をかけようと思ってな。青葉の口を塞ぐには古鷹の協力が一番だからな」

「待ってください!! ただの出来心ですから許してください!」

「本当だな…?」

「はい。この瞳にかけて。光っているでしょう?」

 

そう言ってどうやっているのか分からないが本当に目をキラキラと光らせている青葉を見て、

 

「はぁ………全員に伝えるまで口出し厳禁だぞ」

「はい、わかっていますよー」

 

本当だろうか…?

まぁ、いいか。言っても直さないだろうし。諦めよう。

そう私も開き直って、

 

「それじゃ教えてあげるが今回の新規艦娘は計六隻。

そのうち、四隻が三つのエリアからなる前段作戦で仲間になる」

「ほうほう…前段作戦で四隻ですか。大本営もよくもまー三つのエリアに四隻もぶち込みましたね」

「勘違いしないでほしいのは、ゲームと違って大本営は報酬艦はしっかりとくれるが深海棲艦が魂を捕らえているという所謂ドロップ艦も含まれる」

「なるほど…この世界ではドロップ艦はそういった()()()に則っているんですねー」

「そう言う事だ。まだ後段作戦は発令されていないが、前段作戦の内容だけは分かっている」

「ほう…それはどういった?」

 

青葉はメモを取りながらも私の話に耳を傾けている。

やはり一筋縄ではいかないようだな、この子は。

取材力が半端じゃない。

 

「まず現在分かっている作戦は計三つ。

 

第一作戦海域を『出撃!大湊警備府』。

第二作戦海域を『艦隊集結!単冠湾泊地へ』。

第三作戦海域を『艦隊抜錨!北方防備を強化せよ!』。

 

…これらからなる前段作戦で展開される」

「ふむふむ」

「第一、第二海域は通常艦隊で挑むそうだ。そして第三海域では連合艦隊を組むことになる。

今のところの作戦の内容は以上だ。詳しい内容はその都度教えていくとしよう」

「了解です!…ところで前段作戦で仲間になる艦娘はどなたかもご存じで…?」

「ああ、分かっている。まず大本営からの報酬艦だが第三海域を攻略した暁には特設航空母艦『春日丸』が加入となる」

「春日丸さんですかぁ…。翔鶴さん達五航戦組が喜びそうですねぇ」

「そうだな。そして残りの三隻は深海棲艦に魂を捕らわれているという。

どうやって判明しているのかは分からないが大本営の知らせによれば、

 

第二海域以降では占守型海防艦『国後』

第三海域以降では占守型海防艦『占守』、そして給油艦『神威』がドロップすると言われている。

私からの情報は以上だ」

 

それを聞いて全部メモできたのだろう青葉は満足そうな表情になり、

 

「司令官。この発表はいつ頃しますか?」

「この後に艦娘全員が集められる校庭で開こうと思う」

「そうですか。では青葉は青葉新聞を即座に作成しておきますね。少しでもお役に立ちたいと思います!」

「そうか。わかった。ただし変な事は書くなよ? そこがお前の悪い癖だ」

「きょーしゅくです」

「いや、褒めていないからな?」

 

そんなこんなで青葉は部屋を出ていった後に私は艦娘を校庭に集めて今回の情報を教えるのであった。

 

 

 




十二時を過ぎてやっと情報が出揃ったのでこうして文章に書き起こしました。
なんか山城改二がドロップする不具合とかさっそくE1で伊13がドロップしたとか騒がれているので出撃情報が出揃うまで様子見ようと思います。


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