【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0237話『涼月の歓迎会 in 坊ノ岬沖組』

 

 

 

涼月です。

昨日に着任しまして秋月姉さん達に熱烈に歓迎をされて昨日の晩には秋月姉さん達が作ってくれた料理を食べることが出来てとても有意義な時間を過ごさせてもらいました。

提督もお肉のお裾分けをしてくださって照月姉さんやお初さんとかがよだれを垂らしていたのにはさすがに苦笑いを浮かべましたが……。

そして今日、私は大和さんのところへと招かれましたので向かっていました。

どうやら大和さんの部屋はやはりVIPルーム顔負けの広さを持っているらしくそこならみなさんで私の歓迎会を開けるという事で……。

とても……とても嬉しく思います。

そして大和さんの部屋へと向かっている時でした。

 

「あ! 涼月さんだ!」

「雪風さん!」

 

雪風さんがどうやら大和さんのお部屋へと向かっていたのでしょう、ばったりと遭遇しました。

まだ昨日に着任したばかりですのでこうして会うのは初めてですけど嬉しい気持ちが溢れてきます。

 

「やったのです! ついに涼月さんが着任してくれたんですね!」

「ええ……やっと来れました」

「それじゃ精一杯歓迎したいですのでいきましょうか!」

 

そう言って雪風さんは私よりも小さい手で私の手を握ってくれてまだ道中が不安な私を案内してくれました。

 

「でも……まだ冬月さんはこれないのですね……」

「はい。でも……そういつかお冬さんとも会える時が来ます。その時まで一緒に待っていましょうね」

「了解です! あ、大和さんのお部屋に着きましたよ!」

 

雪風さんにそう言われて改めてその部屋の横幅の広さに驚かされました。

ここは戦艦寮なのですがただでさえ戦艦の人の部屋は大きく感じたのですが大和さんのお部屋は多分二倍以上はあるでしょうか……?

それで思わず、

 

「広いんですね……」

 

と、呟いていました。

 

「はい。大和さんは大きいですから!」

「その……あまり大きい大きいと連呼はしない方がいいのではないでしょうか……?」

「あ、そうですね。大和さんも気にしていますから気を付けますね」

 

てへっ!と頭をコツンと叩く雪風さんの姿が愛らしく感じましたね。

そんな感じで中に入ろうとしたのですが……、

 

「ちょっと涼月さんは待っていてください。中を確認しますね」

「わかりました」

 

雪風さんがそう言って扉を少し開けて中にいる皆さんに話しかけているのでしょう、少しだけ時間が経ちました。

しばらくして、

 

「はい。準備が出来たようですので中に入りましょうか、涼月さん!」

「はい」

 

それで私は雪風さんに急かされるようにドアノブに手をかけて扉を開けました。

すると中からクラッカーの鳴る音が響き渡りました。

 

「「「涼月! 着任おめでとう!!」」」

 

中には大和さんを始め、矢矧さん、浜風さん、磯風さん、初霜さん、霞さん、朝霜さんの姿がありました。

みなさんはとてもいい笑顔を浮かべていて私は皆さんに歓迎されているんだと改めて感じることが出来ました。ですので、敬礼をしながらも、

 

「涼月、着任しました!……皆さん、お久しぶりですね……私は会えてとても嬉しいです……」

「私も会えて嬉しいわ、涼月さん……」

「大和さん……」

 

大和さんにそう言われて嬉しい反面、過去に守り切れなかった思いが蘇ってきて、

 

「大和さん……すみません。この涼月、防空駆逐艦だったのに大和さんの事を守り切れなかった……」

「いいですよ! 涼月さんにこうしてまた会えることが出来ただけで私はもう胸いっぱいですから!」

「そうよ。それを言ったら私達全員が大和の事を守れなかったんだから同じ気持ちだわ」

「矢矧さん……はい、すみません。一人で勝手に落ち込んでしまいまして……」

「真面目ね……でも涼月のそういうところは嫌いじゃないわ。着任……おめでとう」

「はい!」

 

矢矧さんにもそう言われて嬉しい気持ちになりました。

それから磯風さんと浜風さんが近寄ってきて、

 

「ふふ……涼月よ。この艦隊では先輩だな。これからともに頑張っていくとしようか」

「磯風はこう言っていますが先輩とかそう言う事も気にせずに過ごしてくださいね」

「ふふ……わかりました」

 

磯風さんと浜風さんも冷静な方々でよかったです。

そしてお次は朝霜さんが近寄ってきて、

 

「そんなことより早く涼月の歓迎会を開こうぜ! あたい、もう待っていただけでお腹が空いちまったよ」

 

それを気にしてか初霜さんと霞さんが、

 

「もう……もう少し落ち着きなさいったら。料理は逃げないんだから!」

「そうですよ朝霜さん。もう少しだけ涼月さんと話していてもいいではないですか」

「ま、それもそうだな。そんじゃ涼月、こちらに座れよ。大和さんの専用の椅子なんだぜ!」

「は、はい……」

 

朝霜さんにそう言われたので私は大和さんの専用の椅子だというものに座らせてもらいました。

 

「よし。涼月さんも席に座った事ですし、この大和が大和ホテル自慢の料理を振る舞いますね!」

「いよっ! 待ってました!」

「大和さんの料理……楽しみです!」

「そうね」

 

みなさんが口々に楽しそうにしていましたので私も気分が高揚してきました。

 

「ほら。涼月もボーっとしていないでなにか話しなさいな?」

「霞さん……そう言われましてもなにから話せばいいか……ありすぎて迷います……」

「ま、そうよね。でもこれからは一緒に過ごしていくんだからなんでも話してよね?」

「そうですよ。涼月さんも私達の仲間なんですから!」

「その通りです!」

 

みなさんもそれで「うんうん」と頷いていましたので、

 

「そうですね……それではまずは……」

 

という感じで大和さんの自慢の料理を食べながらもみなさんと楽しく色々なお話をすることができましたのでとっても嬉しかったです。

この涼月……これから皆さんのために頑張らせてもらいますという気持ちで胸がいっぱいになりました……。

 

 

 




涼月は喋りが礼儀正しい子なので書きやすかったですね。
これからさらにいいところを発見していきたいです。




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