【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0199話『霞のお姉ちゃんが可愛い件について』

 

 

 

 

今日は満潮姉さんの改二が実装される日だ。

だからってどうというわけじゃないんだけど……少し私の以前に起きた話をしていこうかしら。

そう、それはまだ満潮姉さんが改二の情報が来ていなくて、朝潮姉さん達第八駆逐隊の面々が揃って改二になっていた時に起きた事件だ。

それは私がお風呂に入って私服に着替えていた時だった。

ふと自室に戻ったらなぜかいつも制服をかけてある場所に私の制服がなかった……。

私は少し混乱した。

なんで私の制服が無くなっているのか……と。

司令官がまさか盗むような事はしないと思うし……あれで私が認めるくらいには真面目な司令官だから。

それでどうしたものかと思っていたんだけど、そこでなにやら書置きがあったのでそれを読んでみた。

そこには

 

『霞、少シ借リルワネ』と書かれていたので私は瞬時に悟った。

 

「ははーん……?」

 

珍しく私は自身の顔がにやけるのを自覚しながらもその書置きを書いた人の部屋へと歩いていった。

なにも言わずにそっと扉を開けて中を覗いてみるとやはり思った通り、満潮姉さんが私の改二の制服を着て鏡の前で楽しんでいる光景が映っていた。

それはなんと微笑ましい光景だろうか。

わざわざ自身の黄緑のリボンまでつけていかに自身の改二の恰好を演出している満潮姉さんは可愛いという言葉以外が見つからなかった。

そこで私の嗜虐心が大いに揺さぶられたのは言うまでもない。

 

「お姉ちゃん~?」

 

私は扉を開けながらもいまだに服装のチェックをして楽しんでいる満潮姉さんの部屋へと突撃していった。

 

「か、霞!?」

 

案の定満潮姉さんは顔を真っ赤にさせながら慌てだす。

そんな仕草もいまとなっては可愛いという表現しか浮かんでこない。

 

「わたしの~制服で~なにをしているの~?」

「ちょ! そ、それはねー……?……っていうかあんたなにかキャラがおかしいわよ!?」

「今は気にしない方向で行くわ。満潮お姉ちゃんたらいつか来るだろう改二の恰好をして楽しんでいるなんて可愛いわねー」

「ううう、うるさいわね! いいでしょう!? 少しは気分に浸らせてよ!」

「うんうん。それもいいんだけど……ここに取り出したるわコンパクトなカメラ」

 

私は事前に準備しておいたのだ。

まさか使う時が来るとは思っていなかったけどね。

 

「ま、待ちなさい! 撮らないで!」

「どうしようかなー?」

 

もし今の私と満潮姉さんを司令官が見たら困惑する事はかなりの確率であると思う。

それくらい今の現状が楽しい事になっているんだから。

 

「まぁまぁそう言わずに……一枚だけ撮らせて! ね?」

「うざいったら! 可愛く言っても私が写真を撮られるのは変わらない事実でしょうが!」

「えーでも満潮お姉ちゃん可愛いし……」

「その、なんていうかお姉ちゃん呼びもよして……恥ずかしくなってくるから!」

 

私達がそんな感じで部屋で騒いでいるとこの騒ぎに気づいたのか都合が悪く? いや、私にとっては都合がいいのか? 朝潮姉さんと荒潮姉さん、大潮姉さんが満潮姉さんの部屋に入ってきた。

 

「満潮? なにやら騒がしいですがどうしまし―――……」

「朝潮姉さん? どうしたの~? 中を覗いて固まって―――……」

「なになに!? 二人とも固まっちゃったよ!? 中に一体何が―――……」

 

三人は案の定満潮の恰好を見て固まってしまっていた。

満潮姉さんはそれはもう完璧にフリーズしているのか顔を盛大に赤くさせて「あうあう……」しか言葉を発していない。

そして少しの間の後に朝潮姉さんが最初に再起動を果たしたのか、

 

「満潮! とっても可愛いですよ!」

「やめて姉さん! 今だけは放っておいて!」

 

朝潮姉さんが逃げようとする満潮姉さんに、だけど手を掴んで興奮しているのか頬ずりをしているというなんとも羨ましい光景が広がっていた。

 

「あら~。満潮ちゃんったらお茶目なところがあるのねー。まだ改二になっていないのに憧れちゃったのかしら~」

「これはもうアゲアゲですね! いつか第八駆のみんなで揃って並びたいよね!」

 

荒潮姉さんと大潮姉さんもとても嬉しそうな表情を浮かべている。

どうやらかなりウケがよかったようだわ。

 

「あー、もう! 少しは落ち着いてよー!!」

 

満潮姉さんがそう言って叫ぶが敢えて私はそこで火を着けた燃料を投下しようと思う。

 

「朝潮姉さん、せっかくだから記念に撮影でもしておかない? ちょうどいまカメラを私、持っているよの」

「ちょ!? 霞、図ったわね!」

「なんのことやら……」

「それはいいですね! いつか本当に満潮に改二が来たらまた撮りたいですが今この時だけでも写真に残しておきたいものです!」

「朝潮姉さん、その気持ちはわかるわ~」

「そうですね。気分はとってもアゲアゲです!」

 

どうやら満潮姉さん以外は賛成らしく、

 

「それじゃ四人とも並んで。写真を撮るから」

「うーうー!」

 

満潮姉さんは逃げたそうにしているけどしっかりと朝潮姉さんに手をホールドされているのか逃げ出せないでいる。

そして私はこの瞬間が逃げ出さないようにしっかりと写真にその光景を写し取ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

………という事があったのを今司令官と話しているんだけど、

 

「そうか……やはり満潮も楽しみにしていたんだな」

《そうですね提督。満潮ちゃんも今日の改二実装ではとても喜びそうです。だって第八駆逐隊が全員改二で揃うんですから》

「そうよね! ちなみにその時の写真なんだけど……」

 

私が写真を司令官に見せようとしている時だった。

バンッ!と扉が開かれてそこには満潮姉さんが立っていた。

 

「か~す~み~!? なに、司令官にあの時の写真を見せようとしているのよ!!」

「チッ……気づかれたか」

「その分かりやすい舌打ちもやめなさいったら! やっぱりその写真は私が押収するわ!」

 

そう言って満潮姉さんは手を出してくるんだけど、

 

「はい、司令官パスー!」

 

私は撮られる前に司令官へと写真を渡した。

司令官はその写真を見て、

 

「可愛いじゃないか。やっぱり四人で揃っていると見栄えがいいものだよな」

「う、うー……恥ずかしいったら!」

 

満潮姉さんは急いで司令官の手から写真を取り上げるけど時すでに遅し。

 

「満潮……今日の改二実装、楽しみにしておいてくれ。練度85だから最低でも改二にはなれるだろうからな」

「ふ、ふん……まぁ楽しみにしておくわ」

 

そっぽを向きながらも満潮姉さんも満更ではない笑みを浮かべているのだった。

やっぱり、

 

「満潮姉さん……やっぱり可愛いわね」

「……霞? 後で覚えておきなさいよ?」

「はいはい。待っているわ」

「うー……」

 

終始私のペースで勝負的には勝っていたのであった。

いや、でも本当に楽しみだわ。

盛大に朝潮型の面々でお祝いをしてあげないとね。

 

 

 




霞を少しキャラ崩壊させました。
姉妹間だとこれくらいはありそうですからね。
そして今日の改二実装、楽しみです!そのために来るだろう激ムズ任務を見越して我慢して5-5と6-5の攻略を控えていたんですから!



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