【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0193話『川内と愉快な仲間達の補給線』

 

 

あー、眠いなぁ……。

私はそう考えていながらもついつい執務室へと足を向けているのはどういうことだろうかと自問する。

はて、これは啓示みたいなものかねぇ……?

こう、秋のヤングな私服を着るのです、的な?

まぁ別になんでもいいんだけどね。

それで執務室にいるだろう提督と顔を合わせる。

なにやら提督は少し難しそうな顔をしていて私と顔を合わせた途端、……深い笑みを浮かべた。

一瞬この私ですらゾクッとした。

なんだ? 何を私にさせるつもりだ?

警戒心を起こしながらも、

 

「提督……? 私に何をさせようっていうのさ?」

「そう警戒するな。別に難しい事じゃない。新しい任務での『補給線の安全を確保せよ!』っていう任務なんだけど川内に任せようかなと思ってな」

「なーんだ。そんなことかぁ……警戒して損した気分だよ」

「まぁ警戒するっていうのはある意味当たりかもしれないけどな」

「どういう事……?」

 

それで提督は任務の内容を話していく。

それには毎度こまめに追加される鎮守府近海の任務なんだけどまたしてもある意味鬼門と言わしめる製油所地帯沿岸の攻略が必要だとかで……。

 

「うへぇ……確かにまずいタイミングで顔を出しちゃったな。そこってあんまり夜戦もしないからつまらないんだよね」

「川内ならそう言うと思っていたよ。まぁ運が悪かったと思って諦めてくれ」

「はーい……それじゃまずは鎮守府近海の対潜哨戒から始めるの?」

「ああ。大鷹と択捉、松輪の三人と一緒になって攻略して来てくれ」

「わかったよ。川内、行ってきまーす」

 

そんな感じでメンバーを集めて鎮守府近海へと向かっていくんだけど、

 

「……あの、川内さん」

「ん? なに、大鷹?」

「はい。あの、川内さんは先制対潜は可能なのでしょうか?」

「ああ。確認ね。それなら……」

 

そう言った後に私は左手の薬指を三人に見せる。

 

「わぁー……」

「いいなぁ……」

 

択捉と松輪が案の定目を輝かせて反応してくれた。

 

「ま、そんなわけで対潜値に関しては大丈夫だよ」

「そうですか。しかし提督は一体何人の方々と……」

 

それでぶつぶつ言いだす大鷹。

ふぅん? まだそこら辺は気にするタイプの子だったか。

まぁ仕方がないよね。この世界の出身の子だからね大鷹は。

提督は一番好きなのは榛名だっていうのはもう周知の事実だから別段気にはしているけどそこまで入れ込んでもいないしね。

気にしているのは特に金剛型の三人かな……?

特に金剛は着々と提督の貞操を狙ってるっぽいし。

提督はもう女性の身体だから間違いも起こるわけもないのにねー。

だけどそんな事を前に誰かと話してか忘れたけど、『提督と一線を越えたという理由が出来ればワンチャンあるかも……』と企んでいるような会話を聞いて怖いなぁ……と感じてたりもした。

いや、本当に誰か忘れたからね? なぜか思い出そうとすると恐怖が蘇るというか……。

それにそんな事は榛名が一緒にいる限りはまず起こらないだろうしね。

そう考えると提督っていつも榛名の見張りを受けていることになるんだよね……?

よく平常心を保てているなって感心するね。

まぁそれだけお互い通じ合っているって事だし口出しは不要だね。

 

「そんな事を言ったら大鷹だって絆を結んでるじゃん?」

「そ、そうですけど……それとは考え方が別と申しますか……!」

 

顔を赤くして可愛いなぁ、こいつぅ~。

 

「まぁでも提督の事は嫌いじゃないんだからいいんじゃない? 私も提督の事は好きだよ?」

「そ、それは……そうですけど」

 

しどろもどろになる大鷹。

 

「司令は優しいですから」

「はい……。松輪達にも優しくしてくれます……とてもいい人です」

「あう……お二人にもそう言われてしまいましたら私も引き下がるしかないじゃないですか……」

 

そんな感じで雑談をしている間に、

 

「……さて、そろそろソナーも引っかかってきたからお話はしゅうりょー。行くよ……?」

「あ、はい!」

「了解です!」

「わ、わかりました……!」

 

おそらく私の視線に感化されたんだろうけど三人も真剣な表情になった。

私って切り替えが早いタイプだからねぇ……。

夜戦だともっと頑張れるんだけど、我慢我慢。

 

「それじゃ行くよ!」

 

そして私達は潜水艦の深海棲艦を屠っていった。

 

 

 

 

 

 

……それから場所は変わって場所は南西諸島。

提督もこのメンバーならいけるだろうという感じでメンツを変えずに装備だけ変えてもう二人今遠征で育て中の黒潮と朧を追加して挑んでいる。

 

「ひゃー。ひっさびさの実戦や。うち、頑張るで!」

「朧も頑張ります!」

「まぁそんなに気張らなくてもいいんじゃない? 気楽に行こうよ」

「まぁそやねー」

 

黒潮はさっそくもう空気になれたのか順応している。

さすが大阪人の魂を引いているだけあるね。

 

「それじゃバリバリいくよ!」

「はい、吶喊殲滅します」

「いやいや、朧ちゃん口が堅いし物騒やでぇー?」

 

黒潮のツッコミがさく裂するけど朧にはあまり通用していないようである。

堅物だねぇ。

大鷹たちも苦笑いを浮かべているし。

まぁいいけどね。

そして南西諸島の深海棲艦も瞬く間に殲滅した。

敵には情など抱いてはならぬってね。

 

 

 

 

 

 

 

そしてやってきました。

製油所地帯沿岸のエリア。

ここは毎回羅針盤が安定しない事で有名だからきっちり仕事をしてさっさと終わらせないとこじらせたら泥沼になるからね。

 

「それじゃ最後のエリアだからゆっくりだけど確実に仕留めるよ」

「「「了解」」」

 

それで航路を進んでいくんだけど……。

やっぱり渦潮に進んでしまうのはどうにかならないものか……。

 

「これで何回目だっけ……?」

「えっと……確か六回目ですね。初期の海域だというのに難しいという話を聞いていましたけどこれほどとは……」

 

択捉がそれで別の意味で感心していた。

 

「沖ノ島海域に比べれば可愛いもんだよ……? あそこじゃ択捉達は……いや、私も速攻で大破しちゃう可能性があるからね」

「「「うんうん」」」

「本当ですか……?」

「少し、怖いかも……」

 

知っている者は頷き、択捉達のように知らない者達にとっては少しの恐怖を覚えるだろうね。

ゲーム的には最初の難関だからね。

まぁそんな感じで数回繰り返して疲労も貯まってきた頃合いで、

 

「きたで! 絶好のチャンスや!」

 

黒潮が叫んだ通りボスエリアの前まで進めることが出来た。

いや、やっぱここも鬼門だわ。再確認。

 

「行ってください!」

「お願い!」

 

択捉と松輪の二人が祈りながら羅針盤を回していた。

そしてついにボスマスへと進むことが出来たので、

 

「さぁて、それじゃ鬱憤晴らしといこうかね……?」

 

その後の事なんて記載する事もない。

当然勝利で終わらせたんだからね。

そして向かうは執務室。

 

「提督ー? 任務終了だよー」

「ご苦労だった。疲労も貯まっているだろう。明日は夜まで寝ていてもいいよ」

「了解だよ。夜になったらまた哨戒を頑張るからさー」

「ああ」

 

それで私は執務室を後にして自室へと向かっている途中で、

 

「川内姉さん、お疲れ様です」

「川内ちゃん、お疲れー」

「おお、神通に那珂か。さっそくで悪いんだけど夜になったら起こしてよ。一旦眠るからさ」

「わかりました」

「了解だよー」

 

二人にそう言って私は自室に戻ると速攻で眠りにつく私だった。

夜になったら鬱憤も晴らす気持ちでバリバリで深海棲艦を狩ろうかね。

 

 

 




夜戦型アイドルの川内ちゃんは可愛いですよね。秋グラが可愛いのなんので。
それと狭霧と天霧がかなり優遇されている感じがしましたね。




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