【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0191話『ドーン! 大漁旗もアゲアゲです』

 

 

 

 

今日は午前中は明石の鎮守府の総点検らしいので艦隊運営は停止している。

よってなにかすることもないので家具でもいじっていようかなと思っていた。

妖精さんに頼めばすぐに執務室は様変わりするからな。

そこら辺は謎の力として捉えておかないと頭がおかしくなりそうだしね。

それで最近飾ってある大漁旗を見る。

 

「うーん……しかし今年も大漁旗はよくできているよな」

 

そう独り言を言いながらもつい大漁旗のひもを引っ張ってみる。

するとお決まりのセリフって感じで『アゲアゲでまいります!』っていう大潮の声がギミックとして仕組まれている。

 

「榛名はどう思う?」

《私ですか? そうですね……色々な楽しみがあっていいと思います。家具が一つ一つ個性があって楽しめますしね》

「そうだな。来年の大漁旗が誰になるのか今から楽しみだな」

 

それでまた何度もひもを引っ張っては大潮の声を聞いているとなにやら二重で聞こえてくる。

だからどこかに隠れているなと思って大漁旗が飾ってある隙間を覗いてみると思った通りそこにはどうやって入っているのか分からないけど大潮が入り込んでいた。

 

「あちゃー……見つかっちゃいました」

「こら大潮。今日は総点検だから自室で控えていないとダメだろう?」

「そうなんですけど司令官は執務室にいるなら一緒にいようかなって思ったんですけどダメでしょうか……?」

「はぁー……そんな潤んだ瞳をしない。分かったから少ししたら部屋に帰るんだぞ?」

「はーい!」

 

大潮はそれで喜んでいるのでまぁいいかと思っていた。私も甘いな。

 

「それにしましても司令官もこの大漁旗をそっこうで手に入れましたよね。任務が発生しましてから二日で手に入れるのは早かったと思います」

「発生した任務はさっさと片付ける主義だからな」

「ふふふー。そんな事を言いましてもやっぱり司令官もまだまだ楽しんでいるんですよねー」

 

どこか楽し気な大潮の姿にどうにも調子を狂わされるんだよな。

 

「まぁ、楽しんでやっているのは否定はしないよ。みんなで楽しく秋刀魚漁をするのは結構面白かったからな」

「そうでしょう? それにこんな立派な大漁旗を貰えるなんて思っていなかったから大潮も嬉しいです。ただ、不満があるとすれば満潮が改二服じゃない事ですかねー」

 

少し不満そうな大潮の反応に私は「そうだな」と答える。

 

「せっかく満潮が改二になるかもしれないというのにこのままだとこの大漁旗は残念な結果になってしまうと思うんですよ。だからもし満潮が改二になりましたら大潮が塗り直してもいいでしょうか……?」

「家具を弄るのは感心しないな。きっと新しく送られてくるだろうという願いを持って待っているのもありだと思うぞ?」

「そんなに大本営は融通を効かせてくれますかねー?」

 

どうにも大本営の方針を信じていないような感じの大潮。

まぁそこまで私も新しく大漁旗を贈ってくるとは思っていないからなんとも同意してしまうんだよな。

本当に中途半端な仕事をするよな、大本営も。

これが満潮改二の伏線の為のミスリードの可能性もある事だしな。

 

「ま、そのうちなるようになるさ」

「そうですね。あ、司令官。ところでまだ秋刀魚は交換を一切していませんけどどうしますか……? 早めにしておかないと無くなってしまいますよ」

「そうだな。危ない、忘れるところだったよ。ありがとう大潮」

「えへへー……」

 

感謝の意味も込めて大潮の頭を撫でてあげる。

それで気持ちよさそうに表情を緩める大潮を見て間違いではないという思いだったり。

 

「それじゃ艦隊運営は停止しているから暇だから秋刀魚を交換してくるとするか」

「そうですね!」

 

そして大潮と一緒に明石の所へと向かう。

明石は妖精さんに色々と指示を飛ばしているのを見て忙しそうだなと思った。

 

「あ、提督に大潮ちゃん? ダメですよー、今は総点検なんですからあまり出歩かないでくださいね?」

「すまんすまん。今のうちに秋刀魚の交換をしておこうと思ってな」

「そうですか。それでは少し待っていてください。もう少しで指示が完了しますので」

「わかった」

 

それでしばらく明石の指示する光景を大潮と椅子に座りながら見ていたんだけど、

 

「明石さん忙しそうですねー」

「そうだなー」

 

私達は呑気に話しているとようやく明石が用事が終わったのか、

 

「提督。終わりましたのでさっさと秋刀魚の交換に行きましょうか」

「そうだな」

 

そしていざ秋刀魚の交換をしようと思うんだけど、現在は先日に高速修復材がカンストしたので『蒲焼』の選択肢は無くなっている。

さらには鋼材と弾薬もカンスト気味なので『刺身』という選択肢もいらない。

だから残るはネジとの交換である『塩焼』に限られるんだよな。

 

「今なら提督的には塩焼きがお得ですよ」

「そうだな。大潮、一緒に食べるか?」

「いいんですか!? 食べます!」

「それじゃ塩焼きに交換とするか。39尾あるから4尾余ってしまうけどまだ一日はあるから1尾だけでもなんとかゲットできるようにしないとな」

 

それで塩焼きと交換して大潮と明石と一緒に食べているんだけど、

 

「でももう少ししたら秋刀魚漁も休止してしまいますから寂しくなりますね。はむ……」

「そうですねー。売店も儲かりますからもう少し続いてもいいと思うんですよ。あむ……」

「そうは言っても取り過ぎにも注意しないといけないからな。我慢して来年にまた取ろうじゃないか。はふっ……」

 

そんなやり取りをしながらも三人秋刀魚の塩焼きを美味しく食したのであった。

また来年も秋刀魚漁を楽しみにしておこう。

だから次の行事に取り掛からないとな。

ハロウィンとかもあるからお菓子も購入しておかないとだしな。

いや、秋イベもあるから忙しくなるぞ。

頑張らないとな。

 

 

 




18日のメンテで秋刀魚漁は終了です。
提督のみなさんも交換を済ませておきましょうね。



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