【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0181話『朝雲と山雲の演習に関しての心配』

 

 

 

 

先日に武蔵が練度がカンストしたためにカッコカリをして、もうカンストしていない戦艦はあとはリシュリューだけという事になったので私は演習に参加して自身の練度を上げていこうという事になった。

だけどそれで演習に参加する旨を現在の演習艦隊のみんなに伝えたんだけど……。

まず飛龍から、

 

「まぁ提督自身の練度を上げたいってんなら別に構わないとは思うけどね。悔しいけどまだまだ練度が低い私じゃ提督には物申せないしね」

 

と、飛龍は比較的賛成だった。

だけどアークロイヤルは結構厳しい意見だった。

 

「Admiral……? まだまだ新参者の私だけど言わせてもらうわね。あなたはみんなのAdmiralなのでしょう? 演習とはいえ下手すれば傷を負うのよ? そこのところは理解しているか?」

「ああ、まぁ理解はしているよ。それでもいざという時に私が出る事になったらまともに動けないとなったら色々とあれだろう?」

「そうだけど……はぁー。他の子達には聞いていたけど、Admiral……あなたはもうすでに自分が戦う前提で考えているのね」

 

それで色々と溜まっているような溜息を吐かれてしまった。

うーん、これは手厳しいね。

 

《大丈夫ですよ、アークロイヤルさん。いざとなったら私が大声で何度も提督の耳元で叫んで無理やりにでも撤退させますから》

「そうしてくれるとありがたいわね……。Admiralはもっと自身や周りの事を視野に入れて考えた方がいいわよ? 私でさえこんななんだから前からずっと一緒にいるみんなは相当の物よ……」

「わかっている……そこら辺は反省しているよ」

 

アークロイヤルに言われるまでもないけど私はみんなに心配をかけているのはもう承知済みだ。たんにこれは私のいつか榛名が体を取り戻した時のための保険だから。

榛名には練度は上がっていてほしい。

そんな感じでアークロイヤルには渋々だけど納得してもらった。

そしてお次はリシュリューなんだけど……、

 

「amiral、ワタシからはアークロイヤルが大体言ってくれたから特にいう事はないですけれど……やっぱりamiralは安全な場所にいてほしいのが本心よ。戦えるからってわざわざ前線に出る必要性はないわ。amiralの代わりになれる艦娘は大勢いるんだから。最近は駆逐艦のみんなも含めて練度は上がってきている……だから無理だけはしないでね」

「ああ。心配ありがとうリシュリュー。大丈夫、私という存在はいざという時の保険だから。だから実践経験だけを積みたいだけだから安心してくれ」

「それならいいのですが……。以前にコマンダンテストに聞いたのですが、春の戦いでは重傷を負ったと聞きましたよ? それで悲しむ艦娘だってたくさんいるんだから不安がらせちゃダメよ」

「わかった。肝に銘じておくよ」

「それならいいわ。ハルーナにも心配はかけないように」

「はい……」

 

それでリシュリューも納得してくれた。

これでつい最近入った三人からは賛成を得られたんだけど残りの二人は少し説得に骨を折りそうだな。

そう、朝雲に山雲だ。

この二人は他のみんなと同じく長い間私の艦隊で過ごしてきたから結構な言葉を浴びせられそうだし。

それで朝雲の方へと向いてみると少し涙目になっていた。

 

「むー……」

「あ、あの……朝雲?」

 

朝雲はただ私の事をじいーっと睨みつけてきていた。

 

「朝雲姉ぇ~、落ち着いてぇ?」

「……落ち着いているわよ山雲。ただね、司令にいくつか言いたいだけよ。だから司令、目を逸らさないで聞いてよね……?」

「わかった」

「司令さん。山雲も~、言いたいことはあるから逃げないでねぇ~?」

 

山雲もそのふんわりとした物言いなのにどこか目つきが怖い感じなんだよな。

これは覚悟を決めないとな。

 

「司令……朝雲たちはいつも司令に命じられれば戦ってきたわ。それはこれからも変わらないと思うわ。だけどね、司令自身が出撃して傷を負うたびに私達はどれだけ気持ちがざわつくかわかってる!?」

「………」

 

私は無言で頷いた。今はただ朝雲の物言いを黙って聞く時だからだ。

 

「分かっているなら……なんで司令自身が表に出ようとするのよ! 戦いは私達がするから司令は安全な場所で見ていて指示してよ! 朝雲達じゃ信用できないとでもいうの!?」

「そんなことは無いよ」

「だったら……!」

「それでも私だってみんなと一緒に戦いたいんだ」

「ッ!」

 

それで朝雲は少し悔しそうに表情を歪める。

 

「……ずるいじゃない司令。それじゃ朝雲ももう司令に何も言えないわよ……」

「ごめんな、これは私の我儘なんだ」

「……うん。それじゃもう私からはもうないわ。司令の好きにして。だけど絶対に死なないでよ?」

「わかった」

「それじゃ山雲、後はお願いね」

「はーい、朝雲姉ぇ~」

 

朝雲とバトンタッチをして交代をして私の前に立った山雲。

この子からは何を言われるのか少し不安だった。

 

「司令さん? 山雲が何を言いたいかくらいは、わかるわよね~?」

「それは……もう他の四人から聞いたから分かっているよ」

「そうじゃないわ~」

 

ん……?

違うのか?

それじゃ一体……。

 

「朝雲姉ぇを悲しませたんだから山雲はとても怒っているんだから~」

「そこか……」

「そうよ~。山雲はいつだって朝雲姉ぇ第一なんだから~。司令さんはその次よ~。だからね~…………また朝雲姉ぇを悲しませたら~……酸素魚雷を叩き込むんだから~♪」

 

ニッコリ笑顔でとても怖い事を言いだす山雲。

叢雲以上の威圧感を感じるんだけど……?

これは本気の目だ!?

私の第六感がそう告げていた……。

 

「……わかりました。なるべくみんなを悲しませないように努力します」

「それでいいのよ~」

 

それで山雲は笑顔を崩さずに引き下がっていった。

最後に一番怖い事を言われたけど、みんなからはなんとか承諾を得ることが出来たからよかった。

 

「あ。それと朝雲達はもう言わないけど他のみんなからも何か言われるのを覚悟はしておいてね、司令?」

 

朝雲は最後にそう言って演習場へと先に向かっていった。

今日はみんなへの対応で眠れなさそうだな……。

 

《提督、ご愁傷さまでした……》

「甘んじて受け入れないといけないんだよな……」

 

榛名とそう話して私も少し心が痛んだけど遅れて演習場へと向かっていくのであった。

 

 

 




普通は指揮官は後ろで指示するものですからみんなの塩対応は当たり前だと思うんですよね。
これが現実だったらもっときつい事を言われそうですね。



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