【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0175話『多摩の応援』

 

 

 

 

 

ついにこの日がやってきたにゃ!

秋刀魚漁解禁にゃ!!

去年に秋刀魚漁のために作った応援旗を多摩は引っ張り出してきてその手に持つ。

これを持っている間はやる気がみなぎってくるみたいにゃ。

提督も初日から船団護衛をしながらも秋刀魚漁を開始するみたいだからさすがだにゃ。

それで執務室へとさっそく応援旗を持ちながら向かってみるとするにゃ。

そっとドアを開けてみれば提督は電話で町の人と話をしているのかメモをかなり取っているのが目につくにゃ。

 

「……提督。今は大丈夫かにゃ?」

「多摩か。どうした?」

「うん。秋刀魚漁が開始されたから応援しに来たにゃ」

「そうか。それじゃ今日から各自皆には出撃してもらう予定だから多摩はそれで応援してもらっててもいいか?」

 

提督の言うそれとはやはり多摩が持っている応援旗かにゃ。

 

「わかったにゃ。多摩、応援頑張るにゃ」

「ああ。まずは鎮守府近海の対潜掃討部隊が出撃するところだから今ならまだ間に合うと思うから行ってみたらどうだい?」

「わかったにゃ!」

 

それで多摩は港へと走っていく。

その途中で磯風と出会う。

 

「あぁ、多摩さんか」

「どうしたんにゃ? 磯風」

 

見れば磯風の恰好は割烹着を着ていたのでいつもと違って目立っていた。

そういえば去年もこんな格好だったにゃ。

 

「いや、せっかく秋刀魚祭りが開催されるのだから私も張り切って焼こうと思ってな」

「そっか……。ま、頑張るにゃ」

「ああ。だから秋刀魚漁のメンバーにはぜひ頑張ってもらいたいと思っている」

「そうだにゃー」

 

そんな話をしていてふと窓の外を見ると海防艦のみんなが出撃しようとしているのを見つけて、

 

「あ、磯風、話はまた後でするにゃ! 今は多摩はみんなの応援にいかなきゃいけないにゃ!」

「そ、そうか。わかった……」

 

それで磯風と別れて急いで港へと到着した。

みんなはもう艤装を展開していていつでも出撃可能な状態だったにゃ。

旗艦の松輪が多摩に気づいたのかこちらへと目を向けてきてくれたにゃ。

よかったにゃ。なんとか応援が出来るようだにゃ。

 

「あの、多摩さん。どうしましたか……? そんなに息を切らして……」

「いやにゃ。みんなを応援するために来たんだにゃ」

「あ、そうでしたね。多摩さんはその応援旗で去年はいつも送り出してくれてましたね」

 

随伴艦の朝潮が多摩の持っている旗を見て思い出したかのようにそう言った。

そうにゃ。

去年までは確かにゲームの中だったから提督は知らない事だったらしいけど多摩だって無駄に過ごしていたわけじゃないにゃ。

ゲームの中だって応援くらいはしていたにゃ。

それが今年は本物の体を得てこうしてみんなを送り出せることが出来る。

これ以上の幸せなことは無いにゃ!

 

「そうにゃ。だからみんなを応援して送り出してやるにゃ! にゃふーーーー!!」

 

それで多摩は応援旗を振ってみんなを送り出してあげた。

 

「さっすが多摩さんね! それじゃ国後達も行ってくるわね!」

「行ってまいりますね」

「はりきっていきましょう!」

「あ、あの……旗艦の松輪に着いてきてください……。今日の船団護衛は鎮守府近海の海ですから比較的落ち着いて出来ると思いますので……」

 

そういう感じで松輪、大鷹、国後、朝潮の四人は海へと駆り出していった。

それを多摩は見えなくなるまで旗を振りながら送り出していた。

 

「よし。多摩の任務は完了にゃ」

 

それで出来る事も無くなったので多摩はまた一度執務室へと戻っていくことにしたにゃ。

そしてまたしても磯風と遭遇する。

どうやら待っていたみたいにゃ。

 

「ふふ。さすがだ多摩さん。見てましたよ。この時期の多摩さんは張り切っているからな」

「当然にゃ。みんなを応援して、船団護衛してその褒賞として秋刀魚を貰えて、それをみんなで調理して食す……。それはとても幸せなことにゃ」

「それには同感です。私も一昨年の秋刀魚漁でこの鎮守府に配属になったから思い入れはあるからな」

 

そういえばそうだったにゃ。

磯風は一昨年の秋刀魚祭りで期間限定実装されてドロップして鎮守府に配属になったんだったにゃ。

提督は期間限定でも逃さない人だからかなり掘ったのは思い出せるにゃ。

 

「みんなはどれくらい秋刀魚を持ち帰ってきてくれるかにゃ……?」

「ざっと見繕ってもかなりの量がないとみんなに行き渡らないからな。毎日人数分の漁を捕獲するのは骨がいりますね」

「そうだにゃ。まぁ、深海棲艦のせいで普段は海への漁をする船はいないし、隣国の密漁船も同じく深海棲艦のせいで来れるわけもないから魚の漁はかなり豊富だろうから安心できるにゃ」

「そうですね。こういうのもなんだけど提督の世界の情勢はデータで見たことはあるけど隣国からの密漁が盛んに行われていましたから……」

 

それで磯風と多摩とでため息を吐く。

まぁ、この世界ではあまり関係ない事だから気にしないで行くとするかにゃ。

 

「まぁ楽しみにしているにゃ」

「そうですね。私も張り切って焼こうと思っていますから楽しみにしていてください」

「ま、ほどほどに頑張るにゃ……」

 

磯風はこういうのもなんだけど比叡と一緒で壊滅的な料理をするから多摩も少し不安なのにゃ。

でも、なぜか秋刀魚だけは焼くだけなら成功するからにゃ。なぜか七輪が壊れているのを見た時はどうしてそうなった……?と言わんばかりだったが……。

 

「うむ。頑張るとしよう。それでは多摩さん、私は準備がありますので」

「わかったにゃ。多摩もまた執務室へと行こうと思っていたからまたにゃ」

「はい。では」

 

それで磯風はどこかへと行ってしまった。

それで多摩も執務室へと顔を出していき、

 

「提督。秋刀魚漁に出る時は多摩を呼ぶにゃ。かならず応援するからにゃ」

「わかった。その時は事前に教えておくよ。今日みたいに焦っていたらしょうがないしな」

「それはありがたいにゃ」

「だから多摩も遠征頑張ろうな」

「わかったにゃ。遠征も立派な仕事だから頑張るにゃ!」

 

それで多摩も遠征の準備をしにメンバーを集める事にしたにゃ。

今日も一生懸命頑張るにゃ。

 

 

 




今回は多摩でした。
うちの磯風は秋刀魚漁産ですね。
多くの提督はまだ磯風はレアだった頃は秋刀魚漁で掘っていたと思います。



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