【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0156話『自己紹介と作戦完了の宴』

 

 

 

 

私達はこの世界に来て二度目の大規模作戦の攻略完了の日を迎えた。

欧州の方では昨日まで頑張って戦い続けてくれた提督の皆さんも晴れて深海棲艦を撃退できたという事でそれぞれに祝い事をしている。

それはうちでも例外ではない。

私はマイクを片手に皆に見えるように壇上に立って話をしようと思う。

 

「さて、話をする前に……隼鷹? こういう時は邪魔立てはしないでくれよ?」

「わーかってるって!」

 

前回みたいに話の出鼻を折られたらたまらない。

だから一応釘を差しておいた。

 

「それじゃ改めて……こうして大規模作戦も終了したわけだ。

活躍したもの、逆に活躍できなかった者もいるだろう。

それも踏まえてこれからもみんなの練度をより一層上げていくことに専念していくと考えている。だからみんなもこれからも力を合わせて頑張ってくれ。

そして今回新たに仲間になった七名のみんなに改めて挨拶をしてもらいたい」

 

それで私は横で控えている七人に壇上に登ってくるように促す。

七人は少し緊張した面持ちながらも壇上に登ってきて、私はまずはアークロイヤルにマイクを渡す。

 

「Thank you Admiral。さて、もう知っていると思うが私の名はアークロイヤルだ。イギリスの正規空母としてこの鎮守府で活躍できることを期待していてくれ」

 

それでアークロイヤルの話は終わったのだろう私にマイクを返してくる。

正規空母の会の方からなにやら「真面目かー!」という飛龍の声とか「頼もしいわね」といった赤城と加賀のやり取りが聞こえてきた。

 

そして次はリシュリューにマイクを渡して、

 

「私はリシュリューよ。フランスの戦艦としてこの鎮守府で活躍させてもらうわ。行っておくけどフランスの戦艦は世界で一番よ。そこだけは譲れないわ」

 

リシュリューは敢えて挑発するように発言して私にマイクを返した。

そして戦艦の会の方では長門が「ほう? 面白いな……」と凄みのある笑みを浮かべていて、ウォースパイトなどは「頼もしいわね」と言っていた。

 

次はルイージ・トレッリにマイクを渡して、

 

「あたしはルイージ・トレッリだよ。イタリア艦の潜水艦なんだけど色々あってドイツ艦とか日本艦にもなったけどよろしくね」

 

ルイがそう言って私にマイクを返してくる。

潜水艦の会の方からは「はやく練度を上げて立派なオリョクル要員の仲間になるでち!」というゴーヤからブラックな勧誘が行われたり、「同じ経緯の艦だから楽しみですって!」とろーちゃんが笑みを浮かべていた。

 

「これで海外艦のみんなの挨拶は終わったな。次は……そうだな。天霧、よろしく」

「んあ……? わかったよ、提督。それじゃあたしから行かせてもらう。あたしは綾波型駆逐艦の天霧だ。まだまだ練度は低いんで活躍はまだまだだけどいつか川内さんと一緒に夜戦をしたいと思っているからよろしく!」

 

それで天霧は紹介を終えた。

客席の方から川内が「いいよー。いつでも夜戦の会に招待するから待ってるよー!」という声が聞こえてきた。

 

「ふふ。天霧、言ったからには後戻りはできないぞ?」

「望むところだよ」

「そうか。それじゃ次は狭霧だな」

「はい、わかりました。私も天霧さん同様に綾波型駆逐艦の狭霧です。みなさん、よろしくお願いします。……天霧さんと違ってあまり夜戦は得意じゃないからほどほどにお願いしますね。後、暁ちゃん、あとで色々とお話ししましょうね」

 

それで狭霧は私にマイクを返してきた。

 

「というわけだ。暁も狭霧の相手をしてやってくれよ?」

「任せなさい! 狭霧は私のあこがれの人だからいつでもいいわよ!」

 

憧れの人という情報は初耳だったから周りから微笑ましい目で見られている暁だった。

 

「それじゃ次は旗風だな」

「わかりました。それでは少し喋らせていただきます。わたくしは神風型駆逐艦の旗風と申します。皆さま、どうぞこれからも神姉さん達ともどもよろしくお願いいたしますわ」

 

そう言って旗風は深々と頭を下げていた。

どうやらこれが素なのだろうが海外艦のみんなは和の心を体現したような旗風の姿になにかを見たのか口々に「it's beautiful……」と言っていたのが印象的だった。

 

「それじゃ最後の大トリは松輪。君に任せた」

「は、ははははい! 松輪、が、頑張らせていただきますね!」

 

緊張しているのか松輪はかみかみで少し落ち着きがなかった。

順番を間違えたか……?

 

「あ、あの……私は択捉型海防艦の松輪です……。択捉ちゃん達と一緒に対潜任務を頑張りたいと思いますので、その、えっと……よろしくお願いします……。あの、つまらない紹介でごめんなさい……」

 

何とか言い切ったんだけど最後には涙目になっていたので私は落ち着かせるために松輪の頭を撫でてやりながら、

 

「頑張ったな松輪」

「はい……すみません」

 

私が慰めているんだけど、「あー、提督ばっかずるいー! 松輪ちゃん、いつでも相談に乗ってね!」やら「松輪ちゃん、択捉ちゃんと一緒でとても可愛い……」などといったどこか怪しい言葉を発する駆逐艦の子が多めにいた。

どうやら自分達よりさらに小さい子が来たのでお姉さんぶりたいようだな。まぁ、仲が悪くなるよりはいいだろうな。

 

「よし。これで全員の紹介は終わったな。もうそろそろ時間も経ったんで待ちきれないものもいるだろうから言わせてもらうよ」

 

そう言って私はジュースが入ったコップを持つ。

それで「待ってました!」やら「お腹がすきました……」といった声が聞こえてきたので焦らすのもなんだし、

 

「それじゃ食事にお酒にそれぞれ楽しんでくれ。乾杯!」

「「「かんぱーい!!」」」

 

それで一同はそれぞれに食事や飲み物に手を伸ばしていっては舌鼓を打っている。

それでも礼儀は出来ているので汚した食べ方はしていないのが嬉しいところか。

もしそんな事をしたらせっかく作ってくれた鳳翔さんや間宮さん、伊良湖さんが泣きそうだしな。

それで私も手ごろな席に着いた途端に、

 

「司令官ー! 今回の作戦について色々と聞きたいのですが……!」という青葉とか、「さて、提督よ、飲むとするか」と飲兵衛軍団が迫ってきたりと宴会は終わりまで賑やかに行われていったのだった。

うん……やっぱりいいものだな。こういう雰囲気は……。

これからも守っていこう。

私はそう誓った。

その後にお酒でダウンするのはお約束だったとも言うが……。

 

 

 




2017年夏の大規模作戦を参加の提督の皆さま、お疲れ様でした。
または後三時間掘るぜ!という方は諦めずに頑張ってください。

海外艦の改装話は明日に書きますね。




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