【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0151話『ルイとイタリア艦の食事会』

 

 

 

……今回の大規模作戦で仲間になった艦娘の中で一人、扱いに困っている子がいたりした。

その子とは『ルイージ・トレッリ』の事なんだけど……。

彼女の過去の艦歴がなかなかにすさまじいんだよな。

イタリア海軍の潜水艦として進水したのはいいんだけど、その後にドイツ軍に接収されてドイツ艦のUボートとなって、またドイツが負けると日本軍の潜水艦として活躍したという何気に転々と生きながらえた潜水艦なのだ。

改装していけば姿とともに名前も変わっていくようだけど現在はまだうちでは未改装のためにルイージ・トレッリのままだ。

 

「ねぇー、Ammiraglio。あたしってまだ練度上げの途中だけどまだ改装はしないんだよね?」

「ああ。練度が55になったら一気に改装していこうと考えているんだ」

「ふーん……まぁいいけどね」

 

そう言ってルイージは執務室の窓から空を眺めている。

少し不思議ちゃん要素がありそうな感じの子だからどう接していけばいいのか迷っているんだよな。

と、そこに執務室に入ってくるリベッチオの姿が。

 

「提督さん。ここにルイはいるって……あ、ルイ。ここにいたんだね」

「あ、リベだ。チャオ♪」

「チャオ♪」

 

そう言ってリベッチオとルイはハイタッチをしていた。

うん、やっぱり同じイタリア艦としては仲が良いんだろうな。

 

「ルイになにか用があったのか?」

「うん! なんでもイタリア艦の集いをするってイタリアさんが言うんで探していたの!」

「そうなんだ! にゅふふー……パスタが出るかなぁ……?」

「多分あると思うよ」

「そっかー。にひひ、楽しみ」

 

それでルイは笑みを浮かべる。

 

「提督さんも参加する? 今は少し暇してそうだから」

「いいのか?」

「うん。きっとザラさんとか喜ぶと思うし」

「それじゃ参加させてもらおうかな。一応聞いておくけど……榛名。今のところは大丈夫だよな?」

《はい。今日の予定は大体は終わっていますので後は明日に回しても大丈夫な物ばかりです》

「そうか。それじゃ行くとするか」

《はい》

 

それで私達はリベッチオとルイに着いていくようにイタリア艦がよく集まっている部屋へと案内された。

そこにはイタリア、ローマ、アクィラ、ザラ、ポーラとイタリア艦が勢ぞろいしていた。

最初にローマがこちらに気づいたのだろう。

 

「リベにルイ……? 遅かったじゃない?……って、提督? どうしたの?」

「ああ。リベッチオに誘われてな」

「そう……それじゃ楽しんでいってね」

 

それでローマは席に着いた。

よく考えてみると海外艦で一番多いのはイタリア艦になったんだよな。

今まではドイツ艦と数は同じで二強だったけどルイが来たことによって七人になって一番多い国になったんだな。

私がそんな事をしみじみと考えているとパスタを作っていたのだろうザラがお皿に盛ってやってきた。

 

「提督! 私が作ったイタリアンのパスタ、楽しんでいってくださいね」

「ああ、ありがとうザラ」

 

それで料理も運ばれてきたので全員で頂くことになった。

そんな中でザラがルイに話しかける。

 

「……でも、ルイ?」

「んー? なに、ザラ姉さん……?」

 

パスタを頬張っているのかどこかリスのように見えるルイは少しお行儀が悪かった。

それも見かねたのかイタリアがフキンを使って、

 

「ほら、ルイ。一回お口を拭きましょうねー?」

「んー……」

 

それでなすがままのルイ。

そして綺麗になったのか再度ザラはルイに話しかけて、

 

「それでルイ。この艦隊に来て少し経ったけど調子はどう……?」

「んー……そうだね。まだ改装がされていないからまだどうとも言えないかなー?ね、Ammiraglio。あたしの改装の目途っていつ頃になりそう……?」

「そうだなー。さっきもいったけど最終改装が出来るような練度に達したら一気に上げようとは思っているけど今はまだ他の潜水艦の練度上げに集中したいからな。もう少し待っていてくれ」

「わかったー」

「提督? 早くルイも活躍できるようにお願いしますね?」

「分かっているよ、ザラ」

 

そんな話をザラとしながらも食事を進めて行っているけど、

 

「そういえば、提督?」

「どうした、アクィラ?」

「はい。近々なんですけど、サラトガさんが改二になられるという話を聞いたんですけど……話の信ぴょう性はどうなんでしょうかー?」

「ああ、その件か。なんでも大規模作戦が終了したら実装するという大本営から通知が来ているな」

「なるほどー。そのための今回の大本営が報酬でカタパルトを出したんですね」

「おそらくな」

「なるほどー。海外の空母としては初めての改二実装ですから羨ましいですね……」

 

そう言ってアクィラはどこか己の事のように頬を染めている。

ここにグラーフがいれば「お前も改二になればもう少しまともになるかもしれないな」とでも言うのか……? 本当に言いそうだから困りものだな。

 

「ポーラもザラ姉様みたいに改二になって綺麗に成長したいですね~」

「それじゃまずはポーラは禁酒をしないとね?」

「それは嫌ですぅ~……」

 

ザラの速攻のツッコミでポーラはいやいやと首を振って酒瓶を握りしめていた。

 

「あはは! イタリア艦ではまだザラ姉さんしか改二になっていないからこれからが楽しみだね!」

「そうねー。リベもいつ改二になるのかしらね?」

「リベはまだ先かなー? こう考えてみるとドイツ艦って本当に恵まれているよねー。レーベちゃんとマックスちゃんの二人が改二、それでビスマルクに至っては改三なんだから」

 

羨ましいなぁ……とリベッチオは呟く。

ふとそれでリベッチオがキラキラした目で私を見てきたのでなにかを言う前に予防線を張っておくとしよう。

 

「リベッチオ? 一応言っておくが私が大本営に口出してもなんの影響力もないからな?」

「ぶー……提督さんのいけずー!」

 

それでみんなで笑いあう。

それから食事会は終了して、解散となった後に、

 

「でもー、Ammiraglio……」

「ん?」

「あたしも早く活躍したいからなるべく早めに改装してちょうだいね?」

「わかっているよ。これから頑張っていこうな」

「にひひ。うん!」

 

それでルイは笑顔を浮かべたのであった。

 

 

 

 




今回はルイを焦点に当ててみました。
まだまだうちでは練度は低いですから早めに上げてあげたいですね。



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