【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0143話『ドーバー海峡沖海戦・欧州棲姫の撃破』

 

 

 

 

ギミックを解除してボスの装甲も剥すことに成功した私達はついにボスへと挑んでいこうという思いでメンバーを編成していた。

だけどここで難関にぶち当たった。

そう、水上打撃部隊ではボスマスまでいかないのだ。

だから空母機動部隊で挑まないといけなくなってしまう。

それなので第二艦隊が主に狙われる羽目になってしまうので私はここで出し惜しみは無しだという思いで第二艦隊のメンバーには女神を持たせておいた。

そしてメンバーはこうだ。

第一艦隊の旗艦はアイオワ、そして翔鶴、瑞鶴、大鳳、飛龍、ザラの六名だ。

第二艦隊の旗艦はもう変わり映えもないけど阿武隈、霞、夕立、プリンツオイゲン、北上、大井の六名だ。

威力偵察のために一回出撃してみたはいいんだけど、道中の空母夏姫に大破させられて撤退、そして一回空母夏姫を抜いて進撃したのはいいんだけどお次は戦艦夏姫との遭遇で大破してまたしても撤退という結果に終わっていた。

さらには本来なら潜水新棲姫の方へと移動するはずなのにランダムなのか逸れてしまって余計な戦闘を二回もする羽目になった時はさすがに撤退を余儀なくされた。

 

「……さて、こうして大破撤退を繰り返していってみんなはどう思った……?」

「ソウネ。やっぱり第二艦隊のメンバーが空母機動部隊の編成上で集中砲火を浴びてしまうからツラいわね……」

 

アイオワがそう言って口を開く。

やっぱり第一艦隊の面々は第二艦隊の面々を庇えないのが悔しいらしいのか瑞鶴とかなんかは拳を握りしめて悔しがっている。

 

「せっかく女神を積んでいてもボス前まで耐えられないと辛いッぽい!」

「そうだねー。北上さんも装甲は薄いからね~」

「北上さんはよくやっています! あの道中が鬼畜なのがいけないんです! ほんっとクソが!」

 

おいおい……大井がひた隠している本性丸出しで悔しがっているぞ。これは相当なものだな。

 

「あの道中の逸れも問題だと思うなー。あれで無駄に燃料と弾薬を消費しちゃうから……」

 

オイゲンがそう話す。

そう、何度かだけど逸れてしまい無駄に消費して撤退する事もあるから疲労がつきやすいんだよな。

それで何度も疲労回復のために時間を要したからな。

 

「わかった。まずは空母夏姫と戦艦夏姫をどう潜り抜けるか考えていこうか」

「あのー、潜水艦対策もした方がいいと思います」

「そうか。潜水新棲姫にも遭遇するからそこで大破もしているしな。道中で姫級と連続して遭遇するとは……本当に今回は鬼畜だな。どうにか抜けられればなんとかなると思うのだけどな」

「私と翔鶴姉と大鳳と飛龍さんでどうにか開幕で潰せればいいんだけどね……」

「そううまくいくものではないわ、瑞鶴」

「そうですね。基地航空隊も空母夏姫には送らずに戦艦夏姫に一艦隊送らないといけないから」

「後の残りの航空基地隊はボスマスに集中しないといけないしね……」

 

空母の四人がそれで表情を曇らせている。

そうなのだ。

空母夏姫の艦隊は連合艦隊編成のために第一艦隊から攻撃していくからなんとか航空基地隊を頼らずに火力で押し切れるけど戦艦夏姫の艦隊は通常艦隊のために第二艦隊に攻撃が行ってしまい多大な被害を及ぼしている。

だから少しでも被害を最小限に抑えるためにも航空基地隊の一艦隊は戦艦夏姫に集中している。

 

「まぁこればかりはお祈りをしてなんとかしていくしかないな」

「またそんな適当な……被害をこうむる私達の身になりなさいよね、クズ司令官!」

「おっしゃる通りで……でもなんとかみんなには抜けてもらいたいのは本心だからなぁ。頑張ってもらいたい」

「わかってるわよ、まったく……」

 

それで霞は頬を膨らませながらも一応は納得してくれた。

そしてみんなにはまた出撃してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったくあのクズは……。

でも私達の事を信じて送り出してくれているところは評価に値するわね。口には出さないけどね。こういう時は調子に乗らせちゃいけないからね。

そして潜水新棲姫を突破して遭遇する空母夏姫。

 

「シズミナサイ……」

 

空母夏姫が艦載機を放ってくるけどどうにか翔鶴さん達が迎撃して、そして第一艦隊の攻撃で私達にはあまり被害はなく突破できた。

だけど次の戦艦夏姫の戦闘の時だった。

 

「霞ちゃん! 危ない!!」

 

阿武隈さんのそんな声が聞こえてきた時にはもう遅かった。

私は戦艦夏姫の砲撃をもろに喰らってしまい大破してしまっていた……。

だけど私以外はなんとか凌いでくれた。

これなら!

 

「提督……霞ちゃんが大破しちゃった……」

『そうか。……霞、私の言葉が聞こえているか?』

「ええ、聞こえているわ」

『そうか、安心した。それなら酷な命令をしているという自覚はあるけど女神を積んでいる為に進撃してほしいんだけど構わないか……?』

「ほんとクズね」

 

私は第一声でそう言う。

司令官はそれで『すまない……』と謝ってくるけど、まだ私は最後まで言い切っていないったら。

 

「だけど……イイ判断だわ。せっかく勝ち目が拾えそうなんだからこんなところで撤退なんかしたらむしろ許さないんだからね!」

『ッ!ああ、わかった。少しの間だけど耐えてくれよ霞』

「任せなさい! この霞、轟沈間際の痛みなんて耐えてみせるわよ。見ていなさい!」

 

それで私は強引に司令官との通信を切った。

そこに私の事を心配してくれたのか阿武隈さんが話しかけてきた。

 

「……霞ちゃん、ホントーに無理だったら言ってね?」

「大丈夫よ」

「そっか……。霞ちゃんは強いね」

「そんなんじゃないわよ……司令官の信頼には応えたいじゃない……」

 

司令官が一緒にいない以上は本音を隠す必要もないしね。

それで他のみんなもいい笑みを浮かべていたけど私は敢えてそっぽを向いて無視した。

 

「さぁ進撃よ!」

 

私の一声で私達はついに最終ボスの欧州棲姫との対面を果たした。

 

「コンナトコマデ……キタノ……? バカナノ……? オロカナノ……ッ!」

 

欧州棲姫はそんな事を呟いているけど、確かにこんな遠くまで来るとは思っていなかったら私達はバカなんでしょうね……。

でもね、救いの手を伸ばせるなら伸ばしたいのよ!

だから私達は戦えるんだから!

そして攻撃が始まって航空基地隊の攻撃で敵の半数を薙ぎ払っていってさらには空母の皆さんの攻撃でほとんどが沈んでいった。

これならいけるかしら……?と思っていたんだけどやっぱり欧州棲姫は私を狙ってきた。

そして今度こそ直撃して私は激痛を味わいながらもダメコンを発動させた。

そして痛みはスッとすぐに引いてきて、夜戦の突入して、

 

「さっきのお返しよ! 受けなさいったら!!」

 

私のカットインによる攻撃が欧州棲姫に直撃して見事欧州棲姫を一回沈めることが出来た。

 

「オー! カスミ、見事だったワ!」

「すごいわ!」

 

そう言ってアイオワさんが私を抱きしめてザラさんが褒めてくれた。

だけどまだ痛みが引いていないので加減してほしかったのは内緒だけどね。

それからというもの、運がよかったのかもしれないけど連続して空母夏姫と戦艦夏姫の攻撃を掻い潜り、何度も欧州棲姫と遭遇してその度に撃破していってついに、

 

「コンナトコマデ……キテモ……。モ……ウ…………。ムダ……ナンダカラ……ッ!!」

 

欧州棲姫の身体が黄色く発光していて装甲もところどころ剥げている。

おそらくラストダンスに入ったんだわ。

 

「司令官! ラストダンスに入ったわ! 倒しに行くわよ!」

『ああ。頼んだぞ、みんな!』

「「「了解!」」」

 

それで私達は攻撃を開始する。

戦艦夏姫が増えていたけどそんなものも意味ないというほどに航空基地隊がダメージを与えていって空母のみんなの攻撃もダメージを与えて行って最終的には軽巡ツ級と戦艦夏姫、欧州棲姫だけが残っているといういい結果を残して砲雷撃戦へと突入する。

まずは戦艦夏姫へとアイオワさんが攻撃していって一撃で沈めて、欧州棲姫がザラさんを中破させたけどまだまだ空母の皆さんは健在だ。

それで欧州棲姫へと艦載機が集中砲火していき、ついに欧州棲姫は盛大に爆発を起こして、そして……、

 

「アハハ……スコシ……シッパイシタケドネ……。コンナノ……ゼンゼン……ワタシ……ワタシ……ウソダ……。ベツニ、ワタシハ……コンナノ……望んで、ないから……」

 

欧州棲姫は最後まで悔しそうにしながらも光の粒子となって消え去っていった。

司令官も通信越しで聞いていたのだろう。

 

『深海棲艦は……どうしてこうも悲しい存在なのだろうな』

「分からないわ……。でも相いれないんだから仕方がないでしょ……?」

『そうだな。とにかくみんなよくやってくれた。これで私達は欧州救援作戦成功だ。現地の人達に会って来なさい。

あ、でもまだ他の鎮守府の作戦自体は続いているから手短に済ませておいてくれ。

私達は一つの個体である欧州棲姫を倒したに過ぎないんだからな……。他の艦隊の迷惑にならないように』

「分かったわ」

 

それで私達は手短に現地の人達に感謝されながらも鎮守府へと帰投していくのであった。

私達の戦いはまだまだ続いていくんだから……。

こんなところで足止めなんてしていられないのよ。

 

 

 




編成さらし。


第一艦隊

アイオワ改     Iowa砲×2、紫雲、一式徹甲弾
翔鶴改二甲     村田隊、流星改、52型熟練(MAX)、Fw190T改
瑞鶴改二甲     流星改、村田隊、岩本隊、烈風
大鳳改二甲     友永隊、流星改、52型熟練(MAX)、烈風
飛龍改二      流星(六〇一空)、流星改、流星改、52型熟練(MAX)
ザラ・ドゥエ    SKC34 20.3㎝連装砲×3、零観(MAX)


第二艦隊
阿武隈改二     甲標的、61㎝四連装(酸素)魚雷×2
霞改二乙      61㎝五連装(酸素)魚雷、61㎝四連装(酸素)魚雷、熟練見張り員
夕立改二      61㎝五連装(酸素)魚雷、61㎝五連装(酸素)魚雷、熟練見張員
プリンツオイゲン改 61㎝四連装(酸素)魚雷、61㎝五連装(酸素)魚雷、夜偵、熟練見張員
北上改二      甲標的、61㎝四連装(酸素)魚雷、61㎝五連装(酸素)魚雷
大井改二      甲標的、OTO 152㎜三連装速射砲×2


最後は結構巻いていきました。
空母機動部隊は第二艦隊が主に狙われますから全員女神を積んでいました。
でも女神効果なのか霞が一回使用した以外は大体小破で済んで勝てました。
いつもなにかと女神を積むと回避率が上がるのは気のせいではないんだと思います。
とにかくこれで私の『西方再打通! 欧州救援作戦』は終了です。
次回はアークロイヤル着任の話を書きますね。




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