【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0139話『空母夏姫の攻略』

 

 

 

 

……先日にやっとの事でルイージ・トレッリの救出が成功したためについに私達はE-6ボスへと進行を開始しようとしていた。

その為かメンバーは数名を残してほとんど一新している為に改めて執務室へと全員を呼んでいた。

第一艦隊旗艦をアイオワ、そしてザラ、鈴谷、筑摩、千代田航、千歳航の六名。

第二艦隊を旗艦を阿武隈、そして利根、照月、大井、北上、霞の六名。

この十二名で水上打撃部隊を組んでもらう。

 

「Admiral! このMeに任せておいてチョウダイ! いっぱい活躍しちゃうんだから!」

 

アイオワが元気にそう言葉を発する。

この艦隊の中で唯一戦艦なので活躍してもらいたいものだな。

 

「ああ。頼んだぞアイオワ」

「イエス!」

 

それで笑顔になるアイオワ。

いつもニコニコしているイメージだからいざ戦闘になると怖いんだよな。

まぁそこも魅力の一つだけどな。

 

「提督ー。あたし達を入れたって事は本気だね?」

「そうですね北上さん! 私と北上さんでなら最強です!」

「あのー!? 阿武隈の事も忘れないでちょうだい!?」

「あ゛? おまけの分際で気安いわね……?」

「ひどい!? いっつも一緒に活躍していたでしょう!?」

「そうだったかしら……?」

「もうっ! あまりからかわないでください! ねぇ北上さんもそう思うでしょう!?」

「んー? まぁ阿武隈も頑張ってるんじゃない?」

「北上さんがそう言うのでしたらそうなんでしょうね!」

「……うわー。相変わらずの開き直りの早さですぅ……」

 

なにやら先制雷撃トリオが漫才を勝手に始めているようだ……。

それによって他のみんなが少し呆れた視線を三人に向けている。

それでも気づいていないのか……? いや、大井に関しては気づいていて敢えて無視を決め込んでいるのか? 北上は無関心だろうし。

 

「まぁまぁ三人とも落ち着くじゃん? これから会議って時に野暮な争いは無しにしておこうよ」

 

そこで意外な人物である鈴谷が仲裁に入ってきた。

いつもなら面白そうに見学していそうなんだけどな。

私のその視線に気づいたのか鈴谷は私の方を見て舌を出して「褒めてもらいたいじゃん!」と言ってきた。

うん、やっぱりいつも通りの鈴谷だな。

まぁそれで北上達三人もようやく落ち着いたので私は話を開始する。

 

「今回は空母夏姫の攻略を行ってもらいたい。丙作戦だからもしかしたら最後までみんなに出番が回らないかもしれないけど頑張ってもらいたい」

「はぁ……出撃前からそんな余裕をかましているんじゃないわよ! これでも結構奥の方の海域なんだからね! シャキッとしなさいな!」

 

霞に怒られてしまった……。

確かにそうだな。戒めておこうか。

 

「ありがとう霞。気持ちがすっきりしたよ」

「あ、そう? ま、それなら構わないのだけどね」

「カスミは相変わらず提督思いですね」

「ちょっ!? ザラさん、別にそんなんじゃないから!」

「そうですか? カスミはいつも提督の事になると真剣になるじゃないですか。とても健気です」

「ううー……そんなんじゃないんだからぁ……」

 

霞はそれで顔を赤くしてしまいそれ以降は黙り込んでしまった。

ザラは特に悪気はないので霞の反応に不思議そうな顔をしているけど意外とツッコミがきついな、霞を黙らせるとは……。

 

「提督よ! 早く出撃しようじゃないか! この利根、張り切っていくぞ!」

「利根姉さんは気合が入っていますね。それでは筑摩も頑張らないといけませんね」

「よし。それじゃみんな。気合を入れて出撃してくれ。打倒空母夏姫だ」

「「「了解」」」

 

それで一同は出撃していった。

 

 

 

 

 

出撃してみたのはいいのですけど、道中の潜水艦の編成が厄介ですね……。

照月さんが中破をしてしまいました。

利根姉さんも第二艦隊ですから大破しないかハラハラしてしまいます。

 

「利根姉さーん! 大丈夫でしたか?」

「筑摩よ。吾輩は大丈夫じゃ! 照月が少し食らってしまったが……」

「私なら大丈夫です! まだ航行可能です!」

「そうですか……。しかし道中の潜水艦が厄介ですね」

「そうだね。あたしと千歳お姉じゃ沈められないから……」

「そうね、千代田。道中の潜水艦をどうにかしてもらうようにこの戦いが終わったら提督に進言してみましょうか」

 

千歳さんがそう言っています。

そうですね。それがいいと思います。

そしてなんとか中破者はいるものの空母夏姫へと遭遇する事が出来たのですけど、

 

「ヒノ……カタマリトナッテ……シズンデシマエ……!」

 

水着の恰好をしていますけどいつもの威圧感は変わらず持っていますので要注意ですね。

ですが次の瞬間には驚きに目を見開きました。

基地航空隊が到着したのですけど、なんと言いますか開幕でほとんどの敵深海棲艦を沈めてしまったのです。

 

「なんじゃ……? 意外に脆いのじゃな」

 

利根姉さんがそう呟いているのを聞きまして私もそう思いました。

呆気なさ過ぎたのです。

そして残ったのは空母夏姫に戦艦夏姫だけだったのです。

 

「これなら! 後はこのアイオワに任せておいて! いくわよ!」

 

そしてアイオワさんがきつい一撃を空母夏姫に叩き込みました。

そしたらまるでバターのように柔らかかったみたいにダメージが入りたった一撃で空母夏姫は沈んでしまいました。

 

「脆っ!?」

 

誰かがそう言葉を発していました。

いえ、本当に脆かったのです。

これならもう第二艦隊の皆さんは道中は対潜装備でもいいかもしれませんね。

私達第一艦隊の攻撃だけで戦闘が終了してしまいましたから。

それで鎮守府へと帰投した後に提督に事情を説明しましたら、

 

「そうか。それなら阿武隈、大井、北上の三名は甲標的以外は対潜装備で挑んでくれ。霞も対潜装備でも構わないぞ」

 

それで四人は少し不満そうな表情をしていましたけど渋々と言った感じで装備を換装していました。

私の提言とはいえ心苦しいですね。

 

「提督? これなら乙作戦でもよかったんじゃない……?」

 

北上さんがそう言っていました。

確かにこれなら乙作戦でもいけたかもしれませんね。

 

「そうだな。しかし、また輸送作戦をするのは資材的にはあまりやりたくないからな……」

 

提督はそう言ってため息を吐いていました。

前々から提督は輸送作戦を苦手とする構えですから仕方がないですね。

 

「だから不満だと思うけどこのまま丙作戦で倒してくれ」

「わかったー……ま、楽が出来るから別にいいけどね」

 

それで対潜装備を充実させて私達はまた出撃していきました。

そしたら厄介だと思っていた道中の潜水艦が綺麗に先制対潜で全艦沈んでしまっていて思わず笑ってしまいました。

これほどに先制対潜は有効な手段だと改めて思いましたね。

そして何度も空母夏姫を倒していって次でおそらくラストダンスだと思いましたら、またいい乱数を引いたのか航空基地隊がいい仕事をしてくれました。

空母夏姫と戦艦夏姫を残してまたほとんどを沈めてくれました。

さらには千代田さんと千歳さんの艦載機による攻撃で二体とも中破をしていましたので、

 

「これなら楽勝ネ! とどめを刺してあげるわ!」

「後はザラとアイオワさんに任せて!」

 

そう言ってアイオワさんとザラさんが二体にとどめを刺していました。

本当に丙だと簡単に終わるのですね。

提督は……丙を脱出することが出来るのでしょうか……?

私達の練度なら甲作戦は無理でも乙作戦なら突破は不可能ではありませんからね。

まぁ、夏の作戦は色々と辛いですからね。E-6までに十万以上は資材を消費しましたしね。

ですから秋の作戦に期待しておきましょうか。

私達はそれで鎮守府へと帰っていきました。

 

 

 




編成・装備さらし。


第一艦隊

Iowa     Iowa砲×2、紫雲、一式徹甲弾
Zara due  二式水戦改(熟練)、20.3㎝(3号)連装砲×2、零観(MAX)
鈴谷改二   SKC34 20.3㎝連装砲×2、零観、強風改
筑摩改二   20.3㎝(3号)連装砲×2、零観、熟練艦載機整備員
千代田航改二 村田隊、岩本隊(☆6)、52型熟練(MAX)、烈風(六〇一空)
千歳航改二  村田隊、52型熟練(MAX)×2、彩雲


第二艦隊

阿武隈改二  甲標的、四式水中聴音機、三式爆雷投射機
利根改二   SKC34 20.3㎝連装砲×2、夜偵、照明弾
照月改    10㎝連装高角砲+高射装置×2、13号対空電探改
大井改二   甲標的、四式水中聴音機、三式爆雷投射機
北上改二   甲標的、四式水中聴音機、三式爆雷投射機
霞改二乙   四式水中聴音機×2、三式爆雷投射機


最初は全員主砲を装備していたんですけど丙だとこの装備で十分でした。
道中の潜水艦を対潜で封殺して基地航空隊が粗方終わらしてくれてアイオワとザラが一撃を加えて終了な感じでしたから。



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