【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0134話『戦艦仏棲姫の撃破』

 

 

 

空母夏鬼を撃破した翌日に私は新たなルートが解放されたために今度は水上打撃部隊を組んで挑もうと思っていた。

先行組によると空母機動部隊のまま進めるとまた空母夏鬼と戦う羽目になるというからね。

それで大淀とまたしても考えていた。

 

「まだ海外の高速戦艦は使うのは惜しいからどうするか……?」

「そうですね。もうすでに霧島さんと比叡さんは使ってしまっていますし、アイオワさんはまだまだ取っておきたいですからね。だとすると……」

 

それで大淀は私の方へと向いてくる。

なるほど……。

 

「金剛と私をここで使うんだな」

「はい。提督を前線に立たせるのは心苦しいですがお願いしてよろしいでしょうか……?」

 

大淀はそれで苦い表情になっていた。

私を使うというのはこの鎮守府では結構ジョーカーじみているからな。

でも海外艦が特攻持ちが多いかもしれない現状で渋っていても仕方がない。

 

「わかった。それじゃ長門を呼ぼうとするか」

「了解です。すぐにお呼びしますね」

 

それで大淀は内線で長門の部屋へと連絡を入れている。

しばらくして長門が執務室へと入ってきた。

 

「提督よ。私だけを呼んだという事は……また戦場に出るんだな?」

「ああ。後半は丙作戦でするかもしれないけどなるべく海外艦は温存しておきたいという私の一存で今回は出撃しようと思っている」

「そうか……。わかった、提督が留守の間は私がまたしても代行を務めよう。もう慣れたよ……」

「いつも苦労をかけてすまない」

「そう思うのであったならもう一隻榛名を育ててみたらどうだ……? うちは何隻もいる事はそう珍しい事ではないのだから」

 

長門がそんな事を言っているけど、私としては榛名だけは一隻のままでやり繰りしていきたいと思っているんだよな。

それにそんな事をしてみろ?

 

「そんな事をしたら榛名に嫉妬されてしまうからな。言葉が悪いけどもし育てるなら他の金剛型をもう一隻育てるよ」

《提督……私の事を考えてくれているのですね。嬉しいです》

 

それでどこか感動をしているような表情をしている榛名が出てきた。

うん。やっぱり榛名は反応してくるよな。

榛名はそう簡単に怒る光景は浮かばないんだけどいざという時に怒ったら多分怖いからな。

 

「はぁー……暑い暑い。わかった、それではこれからも私がその場その場で提督の代行を務めるとしよう」

「ありがとな、長門」

 

長門もため息を吐きながらもそれで納得してくれたために私は感謝した。

 

「それじゃメンバーを招集するとしようか」

 

それで私は一斉に招集コールを各部屋にかけた。

そして少ししてメンバーが執務室へと入ってきた。

第一艦隊の旗艦は那智、そして私、金剛、隼鷹、飛鷹、熊野の六名。

第二艦隊の旗艦は神通、そして足柄、吹雪、時雨、綾波、そして加古と交代で妙高を入れた六名だ。

この十二名で水上打撃部隊を組む。

金剛が最初に執務室に入って来て、

 

「テートクー! ワタシの出番ネー! ワッツ!? 長門がいるって事はテートクも出撃するって事デスカ!?」

「その通りだ金剛。今回は私も出撃させてもらう」

「大丈夫デスカ……?」

《金剛お姉さま。心配ありがとうございます。ですが提督は榛名が必ずお守りしますのでご安心ください!》

「任せましたよー、榛名!」

《はい! 榛名は大丈夫です!》

 

榛名も元気よく握りこぶしを作ってそう言ってくれた。

それで他の面々も渋々と言った感じだけど納得の表情をしていたのでよかった。

春イベでは突然の戦闘だったけど今回は事前に色々と出撃経験を積んであるから前よりは役に立てるだろう。

 

「司令官! この吹雪が司令官を必ずお守りしますね!」

「ああ。頼りにしているよ吹雪」

「はい!」

 

それで吹雪が敬礼をしながらも心強い笑みを浮かべていた。

 

「それじゃ、長門。後の事は大淀と一緒に頼んだ」

「任せておけ」

「それじゃみんな。出撃だ」

「「「了解」」」

 

それでみんなとともに港へと出て行って、

 

「妖精さん、頼んだぞ?」

【分かりました。提督の艤装操作の半分はお任せください】

 

みんなが艤装を出している中、私も艤装を顕現させて出撃していった。

そして実際に紅海へと入っていき、目にしたのは少し狭い海へと侵入するルートだった。

 

「……こんな細いルートに入っていくのか……。本物の艦船だったらさぞ通るのが辛いだろうな」

「そうデスネ! テートクも気を付けてくださいヨー!」

「わかってる」

 

それで隼鷹、飛鷹とそして水上戦闘機をガン積みした熊野が索敵を懸命に行いながらも、

 

「提督ー! 前方に敵さんが見えたよ!」

「よし! 第四警戒航行序列で迎え撃とう!」

「「「了解」」」

 

それで道中の厄介なPT小鬼群も混じった艦隊との戦闘をどうにか潜り抜けて私達はボスエリアへと入っていった。

そして遭遇する。

前回の北方水姫にくらべればそんなに脅威には感じられないけどその代わりに守りに徹しているような感じの戦艦仏棲姫。

 

「コナクテ……イイ……ノニ……」

 

戦艦仏棲姫は戦闘を嫌っているような節を感じるな。

でも私達を視界に入れたのだろう、前回のイベントで登場した目玉付きの艦載機を飛ばしてきた。

だけどこちらもやられているだけではない。

航空基地隊の攻撃が命中していき、少しは敵艦隊を削ることが出来た。

さらには隼鷹と飛鷹の艦載機で少しは敵も減って制空権も取れた事なので私達は攻撃を開始した。

 

「みんな! 一気に行くぞ!」

「「「了解!」」」

 

それで次々と砲撃戦を繰り返す私達。

 

「喰らえ!」

 

私の砲撃も初めて見るであろう目つきの悪い駆逐艦に命中していく。

だけど他の既存の駆逐艦より硬いのか中々落とせない事が続く。

それでもなんとかほとんど倒すことが出来て後は戦艦仏棲姫を倒すだけとなって、それで神通達に夜戦を挑んでもらったんだけど……、とにかく戦艦仏棲姫の装甲が硬かった。

これで本当に乙作戦なのかという感じで神通達の攻撃を耐えている戦艦仏棲姫。

そして結果は倒しきれずにA勝利で幕を閉じる事になった。

 

「悔しいですが、相手の装甲が硬いのは事実のようです……」

 

神通が実に悔しそうに拳を握っている。

だとするとこれはあれも試してみるのもいいかなと私は考える。

 

「みんな、聞いてくれ。私達はまだ先行組が結果を出していた装甲破砕のギミックをやっていないんだ。それでもしかしたら戦艦仏棲姫が弱体化するかもしれない」

「それはいいな。では早速部隊を再編してそのギミックとやらを攻略してもらおうか」

 

那智も悔しかったのだろう、不敵な笑みを浮かべながらそう言ってくる。

それで私達は一度鎮守府へと帰っていき、E-1の那珂を旗艦とした艦隊とE-2の川内を旗艦とした艦隊をそれぞれのエリアへと出撃してもらった。

しばらくして、

 

『提督ー! 那珂ちゃん達の方はオッケーだよ!』

『私の方も軽く倒したよ!』

 

那珂と川内からエリアを攻略した旨を聞いたので私達は再度攻略を開始した。

そして今度は戦艦仏棲姫の装甲が弱体化しているのを実感しながらも何度か撃破していく。

だけどおそらく次でラストダンスとなるだろう戦闘で、

 

「シツコイ……ヒト……キ・ラ・イッ……!」

 

戦艦仏棲姫の装甲の至る所が損傷している事から【壊】になっているのを確認したんだけど、前回までなんとか倒しきれていたのに今度はさらに硬くなっていたのだ。

それでまたしてもA勝利で幕を閉じた。

 

「後少しだったんだが……」

「テートク、落ち込んじゃダメネ! まだまだこれからヨ!」

「そうだな金剛。………そうだ! 戦艦仏棲姫にはプリンツオイゲンの攻撃が特攻があるという話もあったんだ」

「オイゲンさんですか……? それでは私と交代でしょうか……?」

 

妙高が最後までいることが出来ずに少し残念そうな表情をしていた。

 

「すまない妙高」

「いえ、大丈夫です。それでは一回鎮守府へと帰ってさっそくオイゲンさんを編成に入れましょう」

 

すっぱりと妙高が折れてくれたので私達はさっそく帰ってプリンツオイゲンを編成に加えた。

 

「提督! プリンツオイゲン、頑張りますね!」

「ああ。一緒に倒そう!」

「はい!」

 

それで私達は今度こそ最後の戦いをするつもりで出撃していった。

そしてすぐさま戦艦仏棲姫‐壊と戦闘になって他の深海棲艦は昼で沈める事に成功したために後は第二艦隊のみんなに任せた。

だけど思った通りにはいかずにダメージは入っているモノのまだ倒しきれない状態になって、後はプリンツを残すのみとなった。

だけどそこでプリンツオイゲンが魚雷CIを発動した。

放たれた魚雷は真っすぐに戦艦仏棲姫へと吸い込まれていって、そして……盛大に爆発を起こして戦艦仏棲姫は苦悶の表情をしながら少しずつ体が粒子に溶けていきながらも、

 

「ダメナノ……?……ソウナノ……。コレデ……オワリ……?……マタ、ワタシ……ナニモ、ナニモォ……。……ソノ、エガオハ、ナニ……?……ソウカ、ソウ……ソウヨネ……―――――……」

 

戦艦仏棲姫は最後の部分だけおそらくフランス語で話したのだろう聞き取れなかったけど、なにかに満足して光の粒子となって消えていった。

少しの余韻の後に、

 

「やったネ! テートク!」

「ああ、やったな。みんな、ありがとう!」

 

それで私達は勝利に喜びながらも鎮守府へと帰っていったのであった。

そしてこれで前段作戦が終了したことになる。

次は後段作戦だ。頑張るとしよう。

 

 

 




装備さらし。
今回は前に乗せていなかったので私のE-1SマスとE-2Qマスの編成も書いておきます。
まだ攻略のされていない方のためになればと……。


・E-1Sマス攻略編成

那珂改二   20.3㎝(3号)連装砲、15.2連装砲改(MAX)、零観
リベッチオ改 10㎝連装高角砲+高射装置×2、25㎜三連装機銃 集中配備
朝潮改二丁  10㎝連装高角砲+高射装置×2、25㎜三連装機銃 集中配備
朝霜改    10㎝連装高角砲+高射装置×2、ポンポン砲
初霜改二   10㎝連装高角砲+高射装置×2、25㎜三連装機銃 集中配備
阿賀野改   20.3㎝(3号)連装砲、15.2連装砲改(☆6)、零観(MAX)

おそらく零観(MAX)でルートが通ったのかな……?
もしくは主砲一本と機銃とそして熟練見張員を持っていれば装備したら効果あるかもしれません。


・E-2Qマス攻略編成

川内改二   15.2連装砲改(MAX)、20.3㎝(3号砲)連装砲、零観(MAX)
初月改    10㎝連装高角砲+高射装置×2、三式水中探信儀
電改     10㎝連装高角砲+高射装置×2、三式水中探信儀
満潮改    10㎝連装高角砲+高射装置×2、三式水中探信儀
祥鳳改    村田隊×2、友永隊、彩雲
千歳甲    甲標的、晴嵐(六三一空)、瑞雲(六三四空/熟練)


・戦艦仏棲姫攻略編成

第一艦隊

那智改二   SKC34 20.3㎝連装砲、20.3㎝(3号)連装砲、零観(MAX)、FuMO25レーダー
榛名改二   アイオワ砲、試製41㎝三連装砲(☆6)、零観、一式徹甲弾
金剛改二   アイオワ砲、試製41㎝三連装砲(☆6)、零観、一式徹甲弾
隼鷹改二   村田隊、52型熟練(MAX)、流星改、彩雲
飛鷹改    村田隊、流星(六〇一空)、岩本隊(☆6)、52型熟練(MAX)
熊野改二   Ro.44水上戦闘機、二式水戦改、二式水戦改(熟練)、強風改


第二艦隊

神通改二   20.3㎝(2号)連装砲、15.2連装砲改(MAX)、夜偵
足柄改二   SKC34 20.3㎝連装砲、20.3㎝(3号砲)連装砲、零観、照明弾
吹雪改二   10㎝連装高角砲+高射装置(MAX)×2、探照灯
時雨改二   61㎝五連装(酸素)魚雷×2、熟練見張員
綾波改二   61㎝四連装(酸素)魚雷×2、熟練見張員
妙高改二   61㎝五連装(酸素)魚雷×3、熟練見張員

 ⇩変更

プリンツオイゲン改 61㎝五連装(酸素)魚雷×3、熟練見張員


妙高から特攻持ちというプリンツオイゲンに変更しました。
そしたら最後はカットインで決めてくれました。
戦艦仏棲姫の最後のセリフ部分だけがどうしても聞き取れなかったので線で表現しました。
明日はリシュリューの着任話ですね。



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