【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0129話『E2攻略と帰っていく魂』

 

 

私は先日にE2のギミックを解除したために攻略しやすくなった海域の攻略をしようとしていた。

そしてそのために先日の件も含めて川内などを招集していた。

招集したメンバーは旗艦を霧島、そして高雄、川内、初月、雲龍、天城の六名だ。

本当なら空母枠には今回のルート固定艦になるだろう蒼龍と飛龍の二航戦を使いたかったのだけど後が詰まっている為にまだ使うわけにはいかなかったので雲龍と天城の二人に頑張ってもらおうという計画だ。

 

「提督ー、今日こそはあの重巡ネ級を倒してくるね!」

「ああ。川内、頑張ってくれ。夜戦の見せ所だぞ」

「うん! いっぱい夜戦してくるね!」

 

それで川内は浮かれながらも闘志を燃やしていた。

これなら川内は常時キラ状態だから大丈夫だろう。

と、そこに高雄が話しかけてきた。

 

「提督? あまり川内さんを調子づかせないでくださいね? 着いていく私達も大変ですから」

「いいじゃん! 私だって別にみんなに合わせていないわけじゃないんだから」

「それはそうなんですけどいざ夜戦になると川内さんは突撃してしまうではないですか……」

 

それで高雄はため息を吐く。

 

「まぁまぁ高雄。そこは私達でカバーすればいいじゃないですか」

「霧島さん……そうですね」

 

霧島にそう言われて高雄も諦めがついたのだろう、もう口は出してこなかった。

 

「すまないな高雄、苦労をさせる」

「いえ、提督もいろいろと考えていますのに私情を挟んでしまいすみませんでした」

 

高雄はそう言って頭を下げてきた。

まぁ高雄がそう思うんならそれはそれでいいんだけどね。

 

「それと初月と雲龍と天城は制空権を頼んだぞ」

 

私は三人にそう告げる。

それで最初に初月が声を出して、

 

「任せてくれ。必ず艦載機は撃ち落とそう」

「ええ……。制空権は私と天城に任せておいて」

「はい! 雲龍姉様と一緒に空をお守りします!」

 

三人は元気よくそう答えていた。

よし。士気は全員十分という所か。

それなら最後に霧島に話を振る。

 

「霧島。旗艦としてみんなを率いて頑張ってくれ」

「お任せください司令。しっかりと敵深海棲艦を倒してきますね」

「うん。それじゃみんな、出撃してくれ」

「「「了解」」」

 

それでみんなは出撃していった。

みんなを見送った後に私は榛名へと話しかけた。

 

「榛名、少しいいか……?」

《はい。なんでしょうか提督?》

「ああ。今日はお盆の最終日だけどまだ彼女達は……そこにいるのか?」

 

私はつい弱気な声でそう聞いてしまう。

私の罪の象徴である彼女達がまだここにいると思うと過去の自分を殴りたくなるほどだ。

 

《提督……はい、まだ木曾さん達はいますよ》

「そう、か……なら少し通訳を頼んでもらってもいいか?」

《お任せください。榛名は大丈夫です!》

 

それで榛名を通じて彼女達へと話をすることにしたのであった。

 

 

 

 

 

 

提督が木曾さん達と話をしたいという事ですので私は木曾さん達の言葉を代弁する事にしました。

 

《というわけです。木曾さん、綾波さん、イムヤさん、まるゆさん、よろしいでしょうか……?》

《ああ。提督が話をしたいと言うなら俺も話すのも吝かじゃないぜ》

《はい。綾波も司令官とお話をしたいです》

《イムヤは……その、イムヤもしたいかな……》

《まるゆも隊長とお話をしたいです》

 

皆さんはそう言って提督とお話をしたいそうですので私は嬉しくなりました。

彼女達は決して提督の事を恨んでいなかったのがこれほど嬉しいなんて……。

それで私はちゃんと彼女達の言葉の代弁を務めようと頑張る思いになりました。

 

「木曾は……まだまだ戦場に出たかったか? ふがいない私のせいで沈めてしまって申し訳なく思っているが……」

《えっと、はい……。

『提督、俺は確かに轟沈しちまった時は悲しかったさ。もう姉さん達に会えないし戦場にも出れないという気持ちでいっぱいだったからな。だけどな、俺の遺志を継いでもう一人の俺が今は頑張ってくれている。それだけで嬉しいんだ。だから今はもう戦場にに出たいという気持ちはあまりないな。代わりに見守っていたいんだ』

……木曾さんはそう言っています》

「そうか……ありがとう榛名」

《いえ……》

 

それでもう木曾さんについてはいいのでしょう次に提督は、

 

「まるゆ……初めてうちに来た最初のまるゆ型のお前を私の不注意で大破進撃させてしまいすまなかった。

イムヤもそれは同様だ。

二人には同じような悲劇をさせてしまってすまないと思っている」

 

今度はまゆるさんとイムヤさんに話しかけたようです。

それで私は二人に話を聞いて代弁する事にしました。

 

《ちょっと待ってくださいね。えっと……、

『隊長、気にしないでください。まるゆはそんなに活躍できる艦ではありませんでしたからいいんです』》

「だがしかし鍛えればまるゆだって活躍は出来るだろう? 私に言いたい事があったら言っていいんだぞ?」

《『ううん、いいんです。沈んでしまったのは悲しいですけどそれで隊長がもう沈めないと誓ってくれるのでしたらそれでまるゆは満足です……』》

「そうか……」

《お次はイムヤさんですね。

『司令官? まだ司令官が始めたての頃にまだ大破進軍で轟沈してしまうという事も知らなかったんだから最初の轟沈者である私が言うのもなんだけど、気にしないでね』》

「……本当にすまなかった」

 

それで提督は二人がいるであろう方向に頭を下げていた。

 

「そして最後になるけど綾波。君には一番残酷な事をしたと思っている。当時、サブ島沖海域であまりにも攻略が捗らなくて焦っていた私はもっともやってはいけない手段であるデコイという役目を君に背負わせてしまった……。

それで結局は君を無駄死にさせてしまって本当にすまなかった……」

 

それで提督は一番後悔があるのだろう。

少し涙を浮かべていた。

私も覚えています。当時、提督は本当に何度も大破撤退を繰り返していて資材も残りわずかという所まで追い込まれていて焦っていたのを思い出します。

それで綾波さんに役目を背負わせてしまった事も……。

それで私は綾波さんに話を聞きました。

 

《代弁しますね。

『司令官……そこまで後悔しているのでしたらもう、綾波のような悲劇は起こさないでくださいね? そんな事態になるのは綾波だけで十分ですから……。

それでも今はもう立派な司令官の姿を見ることが出来て、綾波も嬉しいです。これからも頑張ってくださいね』

綾波さんからは以上です》

 

これでみなさんの代弁は終わりました。

と、その時でした。

霧島から通信が入って来まして、

 

『司令。重巡ネ級の撃破に成功しました。これにてE2海域の攻略を完了です』

「よくやってくれた。すみやかに帰投してくれ」

『了解です』

 

それで霧島との通信は終わりました。

そして時間もそろそろ夜です。

見れば木曾さん達の身体が私の目で見てもどんどん透けていくのが分かります。

 

《提督……どうやらタイムリミットのようです……。木曾さん達は帰ってしまうみたいです》

「そうか。もう、そんな時間か……最後にみんなに伝えたい。君達のような悲劇を起こさないように私もこれからも頑張っていくから見ていてくれ。そしてまた来年も会おう……」

 

提督がそう伝えると皆さんは満足そうに無言で頷いてくれました。

そして次の瞬間にはもう皆さんの姿は消えていました。

 

《提督……》

「わかっている。もういなくなってしまったのだろう……? 悲しいけど彼女達はもうあちらの住人なんだから無理に騒ぎだてない方がいい。私も、伝えたいことは伝えられたからよかった……。また、来年に会おうな」

《はい。長いですけどまた会えるのを信じています》

 

それで私と提督は来年に向けて思いを馳せていました。

その後に提督は鎮守府内に彼女達のお墓を立てると言っていました。

それがとても嬉しかったのでよかったです。

 

 

 




E2の装備さらし。


霧島  アイオワ砲、紫雲、一式徹甲弾
高雄  SKC34 20.3㎝連装砲×2、零観(MAX)、FuMO25レーダー
川内  SKC34 20.3㎝連装砲、15.2連装砲改(MAX)、夜偵
初月  10㎝連装高角砲+高射装置(MAX)×2、13号対空電探改
雲龍  村田隊、52型熟練(MAX)×2、烈風(六〇一空)
天城  村田隊、岩本隊(☆6)、友永隊、彩雲



今回はお盆最終日ですので彼女達も帰っていきました。
こんな感じのお話も来年も書きたいですね。
それには誰も轟沈しない事を心掛けないといけません。
頑張らないと!



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