【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。
今回はある意味説明回なのでつまらないものかもしれません。
多少のネタバレがありますのでご注意下さい。


0012話『久保提督による講座』

…この世界に来てから一週間くらいが経過した。

久保提督の話によればこの世界の年号は私が元いた世界と同じで今は2017年の4月らしい。

だが一つ違うところがあるのは艦隊これくしょんというゲームは2013年に開始したゲームだ。

だけど、この世界では約20年前から深海棲艦が出現し始めてこの世界のありとあらゆるシーレーンを破壊して人々から海への進出を奪ったという。

艦娘というのは深海棲艦と幾度にも戦い敗戦を繰り返していた人々の前に突如として現れた妖精さんによって作り出された。

作り出される艦娘は過去に…主に第二次世界大戦で活躍した戦船の魂を宿して建造されるらしい。

ここまでに関してはメタ知識を知っている私としては理解できる内容だった。

各鎮守府に工廠と入渠施設を作る事から始まって世界は艦娘を使用しながらも、この20年でどうにか深海棲艦との戦線を膠着状態にまで持ち込んで最低限の海の航路は確保できた。

だが作られる数に限りがある艦娘と違い深海棲艦はどこで建造されているのか分からずに倒しても倒してもまるでゴキブリのように沸いてきては戦いを挑んでくるという。

今ではどうにかそれで防いできた。

だけどこれも2013年からだと言う話だけど主に年に頻度としては四回くらい活発的になって起きる深海棲艦との大規模な戦いをなんとか深海棲艦の群れの所謂ボスを倒して撤退させて戦術的勝利をしているという。

これははたして私の世界が無意識にこの世界を観測してゲームとしたのか分からなくなってくる話だ…。

今の偽りな平和は様々な主に言えば艦娘の犠牲のもとに成り立っているという講習を受けていた。

考えてみれば当たり前な事だ。

莫大な費用をかけて作り出した現代兵器も深海棲艦の前ではまったく通用しないのに、艦娘の行う攻撃だけは通るという理不尽さだ。

ゆえに莫大な費用をかけて艦船を作るよりは艦娘一人を作る費用の方が莫大に燃費もコストもいい。

それだから今のこの世界では戦艦やイージス艦といった船は大体が沈んでしまっており、代わりに妖精さんの助けを借りて指揮は一人でできる指揮艦船が主に作られているという。

久保提督の話によるともうすぐ私の所へも大本営から電文を送る機械とともに一緒に指揮艦船が一隻届けられるという。

 

 

それとこの世界で知って驚いたことがこの世界では艦娘は大破ストッパーはあるにはあるが主に顔面に直撃だとか当たりどころが悪ければ無傷の状態からでも沈んでしまう事があるらしい。

それを聞いて思い出したのはアニメ艦これで如月が無傷の状態から攻撃を受けて沈んでしまったという出来事があった。

だからこの世界の現実というシビアな認識を再確認できた。

ゲームのように甘くはない。

今まで以上に気を引き締めて挑んでいかないといざという時に大切な艦娘達をまた沈めてしまいかねないから…。

 

「あ…久保提督、一ついいですか?」

「なんですか、榛名提督…?」

「はい。艦娘がもし轟沈して沈んでしまった場合、もう二度と戻ってこないんですか…?」

 

疑問点を私は聞いた。

そう、映画で判明した設定だけど艦娘は倒されたら深海棲艦となって人類の敵となる。

そしてその逆もまたあって深海棲艦を倒したら艦娘として再度生まれ変わるという…。

映画内では如月と加賀、そして特殊ケースの主人公の吹雪がそれに該当された。

なまじ中途半端に深海棲艦化して苦しんだ如月ならまだしも、一度は深海棲艦として敵となっていた記憶持ちの加賀というレアケースがある。

加賀が言うにはそういう深海棲艦としても記憶を持っている艦娘は名乗り出ないが何人もいるらしい。

それはゲームをやっていると分かる事だが、『駆逐棲姫』という姫級の深海棲艦は駆逐艦・春雨に酷似している。

他にも今までイベントで倒した深海棲艦に酷似した艦娘がドロップした例がたくさんある。

だからこの世界でもその設定は活かされているのではないかと思う。

 

「榛名提督は何を懸念にしているのか分かりませんが、基本的に艦娘は轟沈して沈んでしまえば二度とそれまでの艦娘としての記憶を持った個体は戻ってきません」

「そうですか…。わかりました」

 

久保提督はまだ轟沈経験がないから基本的にそう海軍学校で習ったという。

だから深海棲艦が艦娘化する現象にも遭遇したことがないのだろう。

そういった確証もまだないので私もこれからこの世界で実際に深海棲艦を倒してみないと分からない。

 

「…でも、そうですね。代わりと言ってはなんですが深海棲艦は艦娘の魂を捕らえているという噂があります」

「捕らえている…?」

「はい。所謂ドロップという現象ですが、深海棲艦の群れを倒すと稀に深海棲艦に捕らわれていた艦娘の魂が解放されて即座に体を構築して私達の前に姿を現すそうです」

「なるほど…」

 

その現象はゲームをしていれば嫌というほどに分かる現象だ。

それで何度も新艦娘の掘りを味わわされたからね…。

 

「わかりました」

「榛名提督は覚えがよくて助かります。伊達に提督をやっていたわけではないですね。

多分私の方が教えられることも多いのかと思いますし…」

「そんな…ただそう言う知識を持っていると言うだけですから本物の提督の証を持っている久保提督には知識面では劣ると思います」

「いやいや…」

 

と、そんなお互いのやり取りをしながらも、

 

「さて、それでは明日ほどには電文が届く機械と指揮艦船が届くと思いますのでこれで榛名提督は正式に日本海軍の軍人という事で登録がされます」

「わかりました」

「階級は柳葉大将が話し合ってくれて決定した特例の特務少佐の地位から始めてもらいますので少し私の方が先輩になりますね」

「そうですか、よろしくお願いします」

「はい」

 

それで今日の久保提督の講座は終了した。

 




こんな感じに世界観を作っていきます。

アーケードの大和と阿賀野型が素晴らしい…。



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