【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0118話『レディのお買い物』

 

 

 

 

 

本日は土曜であり明日の花火大会もあるので控えめにしておきたいところだったけどとある艦娘達が買い物をしたいとお願いしてきたので私も同伴で着いていくことにした。

その艦娘というのは、

 

「Admiral。本日はお願いを聞いてくださりありがとうございます」

「私も感謝しているわ。ありがとね、司令官」

「気にするな。最上とか三隈も着いてきたそうだったけど今回は二人が特に行きたそうだったから特別な」

 

そう、お願いしてきたのはウォースパイトと暁の二人である。

最近海軍と大本営とまたしてもコラボしている某百貨店なのだけどさすがに東京に行くまでの道のりは鎮守府を空けるわけにもいかないので諦めてもらった。

代わりと言ってはなんだけど宿毛湾の近くにあるそれなりに有名なブランド店へと三人で足を運ぶことにしたのだ。

こういう時に関東圏内ではないという実感を沸いてしまうのは考え物だ。

特に私は欲しいものはこれと言ってないので不便と感じたことは無かったのでまさか二人が頼み込んでくるとは思っていなかった。

 

「司令官! 早くいきましょう!」

「わかったわかった。だから手をあまり引っ張らないでくれ。急ぐと転ぶぞ」

「ふふ……Admiralもお姉さんみたいですね」

「それを言ったら今の私の姿は榛名だから反論できないんだよなぁ……」

 

そう、暁と榛名は同じ黒髪だから歳の離れた姉妹だと思われても不思議ではない。

そしてウォースパイトという外国人を案内している感じに周りから見られてもまた不思議ではない。

実際、今回の買い物ではいつもは町に出るのは提督服を着ているのだけど今回だけは榛名の私服を借りているために一般人とそう大差はないからね。

 

《提督……? 私の姿がお嫌でしょうか?》

「そんなわけないだろう! だからそんな涙目にならないでくれ……」

 

榛名がそう言って涙目で訴えてくるのはさすがに心が痛くなるのでやめてほしいな。

そんな私と榛名のやり取りを見ていた暁とウォースパイトはというと、

 

「ハルナもAdmiralもとても楽しそうですね」

「そうね。息がとても合っているわ」

 

二人には仲が良いように見えるらしい。

まぁそれなら嬉しいけど。

 

「まぁ、榛名。それに二人とも。今回はお忍びでの買い物だからあまり騒ぎすぎるなよ? 軍人である私達がこうして鎮守府の外に出ているだけで変な目で見られたらまずいから」

「わかっているわ。そこら辺は注意しておきますね」

「暁もちゃんと気を張っているんだから! 安心していきましょう、司令官!」

「それなら良いんだけど……まぁ、いいか。それじゃちゃっちゃと済ませてしまおうか。それで帰りはどこかいい飲食店でも寄って食事をした後は真っ直ぐに鎮守府へと帰ろうか」

「はい」

「わかったわ」

 

それで私達はさっそくブランド店まで向かっていった。

そして到着して中を色々と見学をしていく。

そこのブランド店も多少は本店の方での恩恵も受けているようでコラボのグッズも色々と置かれていた。

 

「わぁー……綺麗なものがたくさんあるわね! どれも欲しいかも」

「アカツキ、買うのは自分と姉妹の分一つずつだけよ。お給金を貰っているとはいえ無駄使いはできないから」

「わかっているわ。レディとして嗜みを持ってお買い物をしてくるわ」

「それではイギリス本場のオールドレディである私に着いてきてくださいね」

 

それで二人のレディはずんずんとブランド店の中を突き進んでいった。

私はそんな二人を見失わないように後ろで着いていく。

こういう時の女子の行動力は凄まじいものがあるから置いてかれないように注意しないとね。

そして榛名は今は人の目もあるので私の脳内に語り掛けるような感じで話しかけてきた。

 

《ふふ……暁ちゃんもウォースパイトさんも楽しそうですね》

《そうだな。二人とも立派なレディだから色々と馬が合うんだろうな》

 

私も脳内で榛名に語り掛けるように話す。

さすがに一人で喋っていると変な人に見られたくないのでこれが一番いい方法だろう。

言葉に出さないで会話をする方法は結構習得するのに苦労したからな。

こういう時には役立ってくれてよかったと思う。

それで二人の後を追っていると、

 

「ウォースパイトさん、これってどうかしら……?」

「いいんじゃないかしら? アカツキにとても似合っているわ」

「そ、そうかしら? それならこれを四人分買おうかしら」

 

暁はそれで買うものが決まったのか買い物かごに四人分それぞれ色が違うものを選んでレジへと持って行っていた。

そしてウォースパイトも暁とは別に買うものをすでに選んでいたために暁の後ろに着いていっていた。

 

《こういう時は女の子って買い物をする時間は長いって話だけどすんなりと選んでいたな》

《そうですね。おそらくですけどすでに買うものは事前に調べておいたんだと思います》

《なるほどね。それじゃ私も調べておいた方がよかったかな? 特に下調べはしないで来ちゃったから》

《あはは……提督も意外と抜けていますね》

《それを言ったら榛名だって口出しはしてこなかったからお相子だろう?》

《確かにそうですね》

 

そんな脳内会話をしながらも私も手ごろなマグカップを購入する事にした。

そして三人で買い物を済ませた後に暁がアイスクリームが食べたいと言い出したので外の販売店の近くでアイスクリームを購入している暁をウォースパイトと見守っている中、私はウォースパイトにある話を持ち掛けた。

 

「……それで、ウォースパイト。少しは気は紛れたか?」

「えっ? な、なんのことですか?」

「とぼけないでいいよ。もう今度の大規模作戦の話は行き渡っていると思うから知っていると思うけど今は少し欧州周辺の海域が危ないそうじゃないか。気になっているんだろう……?」

 

それでウォースパイトは少し言葉を止めていたけどしばらくして、

 

「……さすがAdmiralですね。はい、少し心配なのは本音です。祖国が今危ない状況だというのにこんなに呑気にお買い物をしているのもおかしいですけど少しでも気が紛れればと思いまして……ソーリー」

 

それで頭を下げて謝罪してくるウォースパイト。

いや、別に謝らなくていいから。

そこら辺をやんわりと言って宥めてあげる。

 

「まぁ気にするなとは言わないけど重圧に感じないでほしいと言っておく。それだから今回は私達が欧州を助けにいくんだろう」

「そうですね。はい、今度の作戦では頑張らせていただきますね」

「その意気だ」

 

そんな会話をしていると暁が危なっかしく三人分のアイスクリームを持ってきていた。

 

「はい。司令官にウォースパイトさん」

「アカツキ、サンクス」

「ありがとう暁。頂くよ」

「ふふん。もっと褒めてもいいのよ?」

「どこか言い分がビスマルクに似てきたな」

「そうですね。とっても似ているわね」

「そ、そうかしら……意識して言ってみたんだけど。えへへ、まだまだね」

 

そんな感じで笑いあいながら三人でアイスクリームを食べた後に飲食店で食事をしていった。

ちなみに少し有名らしい和食店だったのでウォースパイトが目を輝かせていたのは別の話。

そしてそれから私達は真っすぐに鎮守府へと帰っていったのであった。

 

 

 




某コラボ関係での話を書いてみました。
場所が宿毛湾という設定ですので本店にはいきませんでしたけどね。



それとついに資材が開発資材以外がカンストしました。
これで後はイベントを待つばかりです。


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