【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0115話『第二二駆逐隊、出撃』

 

 

 

今、執務室にはじつに個性的な面々が集まっている。

睦月型の文月を始めとして皐月、水無月、長月、さらには追加人員で三日月に菊月の計六名。

文月、皐月、水無月、長月で第二二駆逐隊を編成するのに追加でどうせなら睦月型で編成しようと思ったためのこのメンバーであった。

 

「司令官~。文月、いっぱい活躍するからねー」

「文月の護衛はこのボクに任せてよ!」

「この長月に任せておけ。役目は果たすさ」

「水無月としてはこうして任務に出させてもらえるだけで嬉しいからふみちゃんに、さっちん、ながながは守るね」

 

第二二駆逐隊の面々は元気があって大変よろしい。

さらには三日月と菊月も出れるとあってやる気を出していた。

 

「司令官。キス島撤退作戦ですね、この三日月におまかせください」

「出せる力は出しきるさ」

 

二人もかなり気力は十分のようだ。

これならかなりいい感じにみんなでクリアできるのではないか?

私はそう思った。

だって何のために睦月型の練度をこの日の為じゃないけど全員70以上にしたのか分からないからちょうどよかったとも言える。

いや、よかったよかった。

 

「それじゃこの六名でキス島撤退作戦に参加してもらいたい。軽巡が入れられないのは少し不安だけど君達の練度なら十分攻略は可能だろう」

「「「了解」」」

「それではさっそく出撃してくれ。いい報告結果を待っているよ」

 

それで私はみんなを送り出した。

気持ちは子供を送り出す親の気分である。

ぜひ頑張ってもらいたいな。

 

 

 

 

 

 

 

司令官に送り出されてあたし達は今、北方海域へと足を運んでいた。

そんな中、皐月ちゃんと長月ちゃんが、

 

「でもさー、司令官も相変わらず過保護だよねー」

「ほう? どうしてそう思ったんだ皐月?」

「だってさ、当然だけど誰かが大破したら即座に撤退しろと口を酸っぱく言っているからね」

「それは当然のことだろう。司令官にも苦い記憶はあるさ。過去を思い出しているのだろうな」

 

長月ちゃんが皐月ちゃんとの会話でそんな事を言っている。

そうだよねー。

司令官は過去に何度か轟沈させてしまった過去があるから余計気を張っているのはあたしから見ても分かるから。

文月たちはそんなに弱くないんだよー?

ついあたしはそんな事を思ってしまう。

 

「そうですけど、だけど私達だけで部隊を編成してくれたのですから私達の事を信じてくれていると思いますよ」

 

そこに三日月ちゃんがそう言って話に入ってきた。

 

「そうだね。水無月はまだこの鎮守府で睦月型としては新参に近い方だから言えるけど司令官の指揮は十分だと思うな。だってそれなら水無月が来てから間違って大破進撃したなんて報告は一度も聞いたことがないし」

「そうだな……司令官はそこら辺はかなり徹底的に熟知しているからな」

 

水無月ちゃんと菊月ちゃんもそれで司令官の事を褒めていた。

うんうん。それは文月もわかっているよー。

だってあたし達自慢の司令官だからね。

うちの鎮守府はゆるくもなくそんなに厳しくもないのが印象的だ。

司令官が優しいのもあるけど不便に思った事はあまりないから。

そしてここ最近で改二になるまで演習艦隊に入っていたから分かる事だけど他の鎮守府の子に話を聞いた事があるけどなにかしらブラックな職場が多いのが印象的だったから。

よく言えば軍隊式で規律に厳しい鎮守府もあれば、悪く言えばあたし達艦娘を兵器として運用している鎮守府もあり前に熊野さんが言っていた事だけど助けてやりたいというのも少しは頷けることだったし。

今はさほどそんな事態にはなっていないけどいつでも受け入れる用意は出来ていると司令官は言っていたからそんな事態にはあまりなってほしくないけどそうなったら司令官にはぜひその子達を助けてほしいなー。

そんな事を思っていた時だった。

 

「文ちゃん。そろそろキス島周辺海域に突入すると思うよ」

「わかったよ皐月ちゃん。みんなー、十分注意して進んでいってね!」

「「「わかった(りました)」」」

 

それでキス島周辺へと突入していくあたし達。

最初に渦潮に接触するのはもうお約束でなんとか巻き込まれないように進んでいく。

そしてボス前の強敵ル級がいる艦隊が現れた。

 

「みんなー! 単縦陣で攻めていくよー。なんとかル級の攻撃は避けるようにしてね!」

「わかった。皐月、突撃するよー!」

「いきます!」

 

みんながそれぞれ戦闘態勢に入る中、私も改二になってからの初の戦闘となるので気合も十分に挑んでいった。

ル級の攻撃が何度もあたし達に晒されていく。

それをみんななんとか避けながら反撃していくけど少しずつカスダメも喰らっていく。

そして一番危うかったのが皐月ちゃんが中破してしまったんだ。

 

「さっちん、大丈夫!?」

「くっ……まだまだ大丈夫だよ。ボクの事は気にしないで戦闘に集中して!」

 

水無月ちゃんが皐月ちゃんの事を心配するけど皐月ちゃんはなんとか踏ん張っているようでまだまだ平気のようだ。よかったー。

 

「もう! 文月怒ったんだから! やっちゃうからねー!」

 

それでル級は倒しきれなかったけどこちらもなんとか大破者は出ないで済んだので司令官に報告をする。

 

「司令官。なんとか大破者は出ないですんだよ」

『わかった。そのままボスエリアへと足を踏み込んでいってくれ』

「了解だよー」

 

それで司令官との通信を切った後、

 

「それじゃみんな。羅針盤に祈って進んでいこう」

「そうだな……この先は敵のエリアに行くか気のせいかのどちらかだったな」

 

それで菊月ちゃんが少し声のトーンを落としている。

 

「ダメダメ! 弱気になったら勝てないよ!」

 

あたしがそれでみんなを鼓舞する。

それでなんとかみんなもやる気を取り戻していってボスエリアへとなんとか突入していった。

だけど、

 

「敵艦隊、私達の横から接近中! 文月、状況はT字不利だ! 気を付けろ!」

 

長月ちゃんのそんな警告の言葉が聞こえてくる中、戦闘が始まる。

あたし達の攻撃はことごとくカスダメで終わってしまいこちらは長月ちゃんと菊月ちゃんも中破にさせられてしまって負けムードになっていたけど、だけどまだただでは終わらないんだから!

 

「みんなー! 夜戦にかけていくよー!」

「「「了解!」」」

 

それで夜戦へと突入していく。

するとやっぱりあたし達の攻撃は夜戦の補正もあってか次々と命中していく。

そして結果を見ればあたし達は全敵を沈めていたのであった。

 

「な、なんとか勝ったねー……」

「ああ。辛い戦いだった……」

「まぁ、なんとか勝ったからよかったじゃない。文ちゃん、司令官に報告しようか」

「わかったー」

 

それであたしは司令官に勝利の胸を報告するのであった。

あたし達睦月型でもやる時はやるんだから!

 

 

 




なんとか二回でクリアできました。
そして報酬は兵装資材を受け取りました。
一個だけだけどそのうちまた手に入る機会はあるだろう。



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