【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0011話『ライフラインの復旧とお風呂』

大将達との会談の二日後にようやくライフラインの目途が立った。

明石と工廠妖精さん達が大将さんに指定してもらった場所から水、電力、ガスなどの必要なパイプを鎮守府に繋ぐ作業を現在急ピッチで行っている最中だ。

やっぱり妖精さんは万能の生き物らしくまずは水とガスを半日ですぐに繋いでしまい、その夜には電気も復旧して予備電源だけで少々暗かった鎮守府全域に明かりが灯された。

そしてその晩の事…、

 

「お水だー! お湯だー! アゲアゲですよ!!」

 

大潮がお湯が出たことに対して持ち前の明るさで騒いでいた。

 

「シオイ! 潜行します! ドッボーンッ!!」

「あ、シオイ! ずるいですって!」

「待つでち!」

 

潜水艦の艦娘達が勢いよく飛び込んでいた。

君たちはよく水の中に飛び込んでいたろう。

いや、水ではなくお湯となるとまた違ってくるのだろうな。

そんなみんなの騒ぐ声が隣の大浴場から聞こえてくる中、私も提督専用の湯船でこの体になって初めてのお風呂となり別の意味で緊張をしていた。

そう、鳳翔さんとの一件で一回裸にはなったが、それでも胸にはさらしが巻いてあったしパンツも穿いていた。

だけど今から全裸になるだろう事を予測して顔が赤くなっているのは仕方がない事なのだ。

そしてそんな時に限って、

 

《あ、あの…提督。あんまり、見ないでくださいね?》

「あ、ああ…」

 

榛名が自身の体を見られるのを恥ずかしがって普通に出て来ていたのだ。

こういう時にこの体に宿ってしまった事を喜んでいいのか嘆いていいのか分からない事になってくる。

いざ脱ごうと思うがあまり勇気が湧いてこない。

そんな時だった。

提督専用の脱衣場に誰かが勢いよく入ってきたのは。

 

「ヘーイ! 提督ぅ! 榛名! お困りですカ!?」

「金剛!?」

《金剛姉様!?》

「司令、お困りでしたらこの霧島にお任せください」

「ひぇー! 司令? 榛名の体でエッチな事はしちゃだめですからね!?」

 

そこには金剛シスターズの姿があった。

それでこの後の展開を予想して顔が赤くなるのを自覚しながらも「どうして脱衣場に入ってきたんだ…?」と上ずった声で聴いてみると、

 

「どうせ提督の事デース! 素直にお風呂に入れないと予測したデース!」

「私の計算通りでしたね」

「いや、霧島。なんの計算ですかそれ…?」

「そ、そんな…比叡姉様にツッコミをされた…」

 

わーい!と騒ぐ金剛と、自身の発言にまさか比叡に突っ込まれるとは思わなかったのかがっくしと項垂れる霧島の姿があった。

 

「とにかく! 提督はまず女性の裸になれることが先決デスヨ! だから…比叡! 霧島! やっちゃいなさい!」

「わっかりましたー!」

「了解です、金剛姉様!」

 

金剛の指示で比叡と霧島が一気に私に詰め寄ってくる。

な、なにをする!?

そんなたいして抵抗もできずに私は一気に裸にされてしまいすぐに体にバスタオルを巻かれてしまっていた。

気付けば金剛達もすでにバスタオルを体に巻いていた。

い、いつの間に!? さっきまで私と同じで改造巫女服姿着ていたよね!?

これが女性の脱ぎ技テクニックというやつか…!?

そのまま四人でお風呂の中へと突入していくという…。

そんな背後で透明の榛名が《ううぅ…》と恥ずかしがっている声を上げていたのはどうすればいいのか私にも分からない…。

 

「さーて! それではさっさと提督の何日も入っていない汚れた体をウォッシュしてバスタイムデース!」

「わかりました。…司令…覚悟してくださいね?」

 

女性としては出してはいけない声を出しながら手をワキワキしながら比叡がにじり寄ってくる。

そんな光景をして羞恥心より先に恐怖の方が上回った私の気持ちは間違っていないと思う。

逃げ出そうとして…できずに先に霧島に腕を掴まれてしまう。

 

「おっと司令? 逃がしませんよ?」

「お願い、許してください…」

「ノウッ! ダメデース。提督ぅ、覚悟してくださいね!? 食らいついたらハナサナイネ!」

 

そう言って金剛が勢いよく私の体を濡れた手で触ってきた。

その瞬間、

 

「ーーーーーッッッ!?」

 

私の中で男の尊厳にも関わるだろう出してはいけない声を出してしまった。

すぐに両手で口を押えてたが時すでに遅く、金剛達三人の顔は赤くなっていてなぜか息も荒くなって様子がおかしくなっていた。

 

「ふ、ふふふ…提督ぅ? 私、どこかおかしくなってしまったようデース…」

「お姉様もですか…?」

「ぐふふ…司令、可愛いですよ…ジュルリ…」

 

金剛と霧島が顔を赤くさせながらも私の体を粘っこい目で見てきて比叡に関してはもうアウトーーー!だろうという笑い方と舌なめずりをしている。

 

「ヒッ!?」

 

恐怖から来る声を出して思わず体をギュッと抱きしめてしまったのは悪くない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――そこから先の記憶はあんまりなかった…。

気付けば私は湯船の中に沈んでいた。

頭が回らずに少々ぼんやりとした意識の中でふと横を見れば三人ともどこかホッコリとした顔をしながらも透明な榛名に涙目ながらも説教を受けている光景があった。

本当に何があった…?

でも、思い出さない方が私の精神衛生上にもいいのだろう。きっと、多分、おそらく、めいびー…。

 

 

 

そんな事があってかもう自身の裸にもいつの間にか慣れてしまっていてお風呂から出る際には普通に着替えていたのであった。

ただ…。

金剛達に次も一緒に入りましょうね…?と言われて何故かは知らないが拒絶反応が出て体が少し震えてしまっていたのはどういう事か…?

しかもその光景をどこかで撮影していたのか次の朝には何日か前に発行を許可した青葉新聞が掲示板に掲載されていて見出しには、

 

『提督、お風呂で金剛姉妹たちと蜜月の体験をする』

 

というふざけた見出しに思わずグシャッとその新聞を握りつぶす。

その光景を目撃していたのだろう震えている艦娘が数名いるが今は気にしない。

そして、

 

「青葉ー! どこだーーーッ!!?」

《青葉さん、どこですか!?》

 

と、私と榛名は気持ちが重なって大声で叫んだ。

 

 

 




こういうのってTSの醍醐味ですよね。
女性の方が感度が高いっていう…。

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