【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。   作:炎の剣製

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更新します。


0109話『大トリの瑞雲祭りに向けて』

 

 

 

 

私は来たる30日に迫ってきている最終ステージの瑞雲祭りについて町への視察に来ていた。

今回の私のお供には霧島がついてきてくれている。

 

「それで司令。町内会との話はどんなことをお話しされるのですか……?」

 

霧島がそう聞いてきたので私は言葉を返す。

 

「うん。分かっていると思うけど瑞雲祭りについての話をしようと思っているんだ。大本営の話によれば今月の30日の祭りを最後に瑞雲祭りは締めを飾るそうだから」

「そうですか。でしたらしっかりとしておかないとですね」

《霧島? あんまり張り切らないでくださいね?》

「わかっているわよ榛名」

 

榛名の心配の言葉に霧島は眼鏡をクイッと上げて大丈夫の合図をしたのであった。

それから私達は町内会へと顔を出して、

 

「おお、提督さん。本日はどうされましたか……?」

「それはですね―――……」

 

それで霧島に説明した内容をまた一度話して理解をもらう。

町長さんはそれで納得の表情をしたのか、

 

「わかりました。最後の祭りに関しての取り決めですね。それでは本日からまた祭りに向けて準備を進めていきますね」

「お願いします」

 

それで細々と言った話し合いを重ねていく私と町長さん。

それをじっと隣で眺めている霧島の表情はあまり伺えなかったけどどこか熱を感じると思った。

そして話し合いは終わり町長さんとあらかた打ち合わせは済んだので私達は帰ることにしたのであった。

その帰り道に、

 

「司令。なかなかご立派でしたよ。小さい会議とはいえあれほど話し合えるのはいいと思います」

「そうか? あれくらいなら前から結構やってきたんだけどな。それにいい祭りにしたいじゃないか? それはよその鎮守府の提督達はここまで熱心に行事に取り組まないとは思うけどね」

「確かに……他の鎮守府となると戦果を気にするあまり、積極的に取り組まないとは話を演習では他の子から聞きますね」

「まぁそろそろ大規模作戦の期間が近づいてきているのもあってかそちらに意識を向けているのがほとんどだろうな」

「司令はそうではないのですか……?」

「そちらに関しては今のところは大丈夫だ。今のところはそれといってもう準備をすることは無いからな。しいて言えば大型主砲の改修を少ししておきたいのが本音かもな」

「そうですね。まだ不安がおありでしたら改修しておくのも一つの手だと思いますね」

 

それからそんな話を霧島としているとすでに時間はお昼時になって来ていたので、

 

「霧島。今からじゃまだ鎮守府には帰るには早いからお昼でも食べていくか……?」

「よろしいのですか?」

「ああ。私がおごるから何でも頼んでくれ」

「わかりました。それでは司令のお言葉に甘えておきますね」

 

それから私と霧島は近くにあった食事処で昼食を摂っていた。

以外に和風なチョイスで改造巫女服の霧島にも似合っていた。

食事をしながらも霧島は話しかけてきて、

 

「……しかし、瑞雲祭りは今度は扶桑さんと山城さんがなにやら主役らしいですね」

「そのようだな。なんでも大本営の方でもその二人がガチガチに緊張をしてしまっているという話だ」

「うちの二人も緊張しなければよいのですが……」

「そこら辺に関しては大丈夫だろう。うちの二人はそこまでやわ……じゃないよな?」

「いや、私に聞かないでくださいよ司令」

「ははは、すまん……」

《提督は早とちりですね。きっと扶桑さんと山城さん達なら大丈夫ですよ》

「そうだな。……雨が降らない事を願うばかりだ」

《あはは……提督、縁起でもないですよ》

「榛名のいう通りですよ司令」

「うん、まぁ。だからいい祭りにしようか」

「はい」

《はい、わかりました》

 

それで食事も終えて、

 

「提督さん、いつもありがとうございましたー!」

 

店員さんの元気な声に送りだされながらお店を後にする私と霧島。

 

「さて、それじゃもう用は終わっているしこれからどうするか」

「でしたらもう鎮守府に帰りましょうか。まだ今日の分の任務が終わっていなかったと記憶しています」

「そうだな。わかった。帰るか」

 

それで鎮守府へと真っ直ぐに帰る事にした私達。

 

 

 

 

 

 

鎮守府へと帰ってきた私達にさっそくとばかりに散歩をしていたのだろう夕立と時雨が近寄ってきた。

 

「提督さん。霧島さんとどこに行っていたの?」

「ああ。町への視察をしてきたんだよ。一緒に瑞雲祭りに関しても話し合いをしてきた」

「あ、そっか。今度の瑞雲祭りでは扶桑と山城が主役だったね。僕としては嬉しいけどね」

 

それでどこか誇らしげな時雨の姿がそこにあった。

 

「ああ。だから時雨からも二人にあまり緊張はしないようにと伝えておいてくれないか?」

「わかったよ」

「それより提督さん! 今度は夕立達も町に連れてってほしいッぽい!」

 

そこで夕立がここぞとばかりに甘えてくる。

だけどそこで霧島が、

 

「夕立さん? 視察は決してお遊びではないんですよ? 司令の身の安全もしっかりと守る役目もあるんですからね」

「それはわかってるっぽい! もし誰かが提督さんを襲ってきたら夕立が返り討ちにするっぽい!」

「頼もしい限りだな」

「にゅふーん……」

 

それで夕立の頭を撫でてやると甘い声を出し始める夕立。

それをどこかもの欲しそうに見つめてくる時雨と霧島の視線に関しては見なかったことにしておく。

 

「それじゃ霧島。今日の護衛はありがとな」

「いえ。司令、いつでも私に頼ってくださいね。お力になります」

「ねぇねぇ提督さん。もう今日の用ってもうないの……?」

「いや、視察前にまだ任務が残っていたと思うんでそれを消化しようとは思っているけど……」

「でしたら!」

「それじゃ!」

 

そこで同時に声を出す霧島と夕立。

そしてにらみ合う二人。

 

「夕立さん? 私が司令の手伝いをしますから大丈夫ですよ?」

「いやいや、夕立が頑張るっぽい……」

 

どこか張り合っている二人にどうしたものかと思っていると時雨が私の手を取って、

 

「それじゃ間を挟んで僕が提督の手伝いをするね。いこうか提督」

「あ、時雨……?」

 

睨み合いをしている二人をよそに私を連れて行こうとする時雨にさすがの二人も気づいたのか、

 

「時雨! ずるいっぽい!」

「時雨さん、抜け駆けはいけませんよ!」

 

そんな事態になりながらも活気があっていいなと私は現実逃避をしていた。

まぁ結局は最終的に三人に手伝ってもらったんだけどね。

 

 

 




霧島を久々に出しました。
前に出たのは金剛姉妹全員でのお風呂だったと思うので久々の登場でしたね。
最後はグダグダになりましたけど鎮守府の一風景だと思っていただければ幸いです。


そういえば夏イベの時期が発表されましたね。
来月の8月10日かららしいですね。
よし、まだボーキが貯められる期間が増えたぞ。カンストを目指そう。


それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。

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