FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
4月1日、エイプリルフール。
それは嘘が許される日。
え?いや、清姫さん。前回のあれは・・・・・・
いやぁぁあああああああああ!?
召喚された、もとい勝手にやってきた清姫が、立香以外にも(妻として)挨拶をしようとした時だった。
視界に入ったその姿を見て呟いた。
「あら、安珍様が二人・・・・・・?」
だが、今契約を結んでいるマスターは男性の安珍様とは別にいる。
しかし現在のマスターは女性になっているが、間違いなく安珍様だ。誰がなんと言おうと(本人自身が否定しても)清姫にはわかる。
だが、間違いなく、この男性の魂も安珍様のもの。男性の安珍様もここにいるのだ。
決して嘘(偽物)ではない。つまり、どちらも本物の安珍様だ。
「え?」
「ん?」
勿論、清姫の考えがわからない立香と藤丸は疑問符を浮かべる。
立香は発言の意味がわからず、藤丸は自分を見ながら知らない人物の名前を言われて。
「安珍様が二人なんて、二人の安珍様に囲まれるなんて、なんて幸せなことなのでしょうか!!」
「え?いや、待ってきよひー。いったい何を言っているの?」
立香には清姫の言っていることがわからない。
あれ?安珍様って私以外に言われるような人が居たかな?
そして清姫の視線を辿ってみると、先には疑問符を浮かべている藤丸がいる。
(え?なんで?)
立香の頭も混乱した。
**
「あ、ん、ち、ん、さ、まー!!」
「え?うわぁ!?」
「待って!きよひーstay!」
藤丸に抱きつく清姫とそれを抑えようとする立香。
他はサーヴァントを含めた全員が唖然としていた。
悪意や敵意があればサーヴァントたちは反応しただろう。
だが清姫は悪意や敵意などない。ただ安珍への純粋な(重い)愛があるだけだ。
「マスターも一緒ですよ?」
「え?うわぁ!?」
「先輩!?」
藤丸だけではなく、清姫を止めようとした立香のことも抱きしめる。
そう、男性の安珍様だけに愛情を送る訳ではない。
安珍様が二人いるのなら二人に愛情を注げば良いのだ。
身体は一つしかないが、清姫の愛は無限なのだから。
「うふふふふ」
ここが清姫の理想郷だ。
**
(あれ?今何が起こってるんだ?)
和服姿の少女に抱きしめられた藤丸には現在の状況についていけない。
召喚サークルから出てきた少女が別人の名前を呼びながら抱きついてきた。
止めようとした立香も共に抱きしめられている。
二人の(可愛い)少女とくっついている状況だ。
役得感が凄い。
「えっと、ごめんね。きよひーが暴走したみたい・・・・・・」
「い、いや大丈夫」
すまなさそうに謝る立香に男としての煩悩、
(とても嬉しい状況です)
などの本音は言えない。
「き、清姫さん。一度お二人から離れてください!」
「もう少し大丈夫でしょう?」
マシュという(自称)後輩の女の子も離そうと頑張っているのに言える訳がない。
だから士郎と慎二に視線で助けを求める。
しかし、
「女子に問答無用でフラグを立てるのは衛宮だけじゃないのかよ!」
「慎二!?俺はそんなこと・・・・・・」
「あー、でもシロウだしねー」
「イリヤ!?」
「心当たりがあるわね・・・・・・」
「遠坂!?」
「ライダー、先輩を逃がさないで。兄さん、その話、詳しく教えてもらえますか?」
「すみません、士郎」
「ライダー?桜!?」
「さあ座ってください、シロウ」
「セイバー!?」
逆に助けを求める視線が送られてくる。
(それにしてもこの娘たち、力強いなー)
余計なことを考えないように藤丸は現実逃避を始めた。
**
「じゃ、じゃあ気を取り直していこうか」
「そ、そうね」
召喚サークルを起動した瞬間に、誰も召喚をしていないのに自力でサーヴァントが召喚されるという珍事から、いきなりの藤丸を安珍様呼び。
からの立香と藤丸の二人を抱きしめて離さない。
唐突に始まった修羅場。
等のなんともカオスな状況は、マシュの頑張りで清姫が離れたことで一時的に収まった。
「今回はサーヴァントのいない私たちから召喚していくわ。ただし、立香は無しよ」
「一人だけ三騎ですしね」
苦笑いを浮かべる立香。
まあ、今回は清姫が来たし仕方ない。
「サークルは問題なく起動した!召喚の準備は整ったわ!さあ、石を用意しなさい!」
やっぱりどう聞いてもガチャにしか思えない。
「呼符でもいいわ!」
要するに、ガチャのチケットですよね?
「私の言うことを聞いてくれる、私だけのサーヴァント、来なさい!」
寂しがりの彼女の想いは色々と強かった。
聞いているこちらも哀しかった。
暴走したんだ!(誰がとは言わない)
最近としては・・・・・・
ガウェインが来ました。
さあ、現実は二部まであと少しだ!!
この作品はいつになったら一章が終わるんだ!?