FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
カオス。
いくら立花が眠っていても確実に気になってくることがある。
それは空腹だ。
「腹減ったな・・・・・・」
ポケットの中を探しても見つかったのは何故かチョコレートと玉ねぎ。
「なんで玉ねぎ・・・?」
制服を貰ったのは移動(という名の誘拐)の時だ。
玉ねぎを入れる時間は無かった筈だ。
そもそも玉ねぎをポケットに入れる理由がないし立花は入れてないけれども。
そしてこれ以外の食料らしきものは・・・・・・
「どう見ても食べ物の色をしてないんだよな・・・・・・」
何故かシミュレーションルームの中にあった銅のリンゴと銀のリンゴと黄金のリンゴ。
触った感じは金属ではなかった。
皮を剥いてみたらリンゴとわからなくなりそうだった。
だが、一般人としては食べる勇気がでない。
立花は食中毒やノロウイルスなどになったことはない。
他の人物が食べられない物(メシマズ系)も食べることが出来た。
毒でも食べれるんじゃね?とは立花の友人の談だった。
そんな立花も性格的にも一般人であることには変わりがない。
食べる度胸は無かった。
**
だがしかし。
チョコレートを食べきり、玉ねぎも無くなった立花。
食べるものも無くなり、まだ扉は開く気配が無かった。
餓えには勝てず、リンゴにも手を出していた。
「意外と食べれるんだな、コレ」
一度口に入れるまでは躊躇したが、食べてみると立花の分かる害はない。
むしろ一度食べるだけで元気が溢れてくるモノだった。
「コレがあれば遭難しても大丈夫なんじゃないか?」
疑問を浮かべながらドアが開くまで待っている。
寝る、起きる、食べる。寝る、起きる、食べる。寝る、起きる、食べる。
ただ、誰かが来るまでそれを繰り返す。
行動を言葉にすればとても怖いことだ。
人によっては発狂していただろう。
「おやすみ」
だが、立花自身はのんびり眠る。
本人は意外と満喫中。
**
「ねえ、レオナルド。手伝って欲しいのだけど」
「ん?」
立香たちが第1特異点で作戦会議を終えて戦い始めていた頃、エネループを入れ換えたオルガマリーは自分のラボに戻っていたダ・ヴィンチに話しかけていた。
「コレをシミュレーションルームで使うことが出来る?」
オルガマリーの手にはゲームや映画。
「コレかい?大丈夫だ」
中に入ったように、3Dを超えて体感できるだろう。
「ならちょっと来てくれる?ドアが少し歪んでいて開かないのよ」
「力仕事は私の管轄外だね」
「今カルデアにいるサーヴァントはアンタだけでしょ!」
「えー?」
見た目がロリーでも知識に変化はない。
自分が責任を取らなければならなかったプレッシャーなどから解放されたオルガマリーは生き生きとしていた。
だからこそ以前ならヒステリックに命令していただろうダ・ヴィンチに普通に話すことが出来たのだろう。
そんな成長を感じながらダ・ヴィンチはオルガマリーの後を着いていく。
そしてオルガマリーがシミュレーションルームを(ダ・ヴィンチを使って)開いたとき、眠っている青年が視界に入ってきた。
「え?」
「おや?」
死んでいた筈のカルデアの(子供になった)所長と主人公だったかもしれない青年。
大分と遅い初遭遇だった。
***
思い出してみたがやはりわからない。
そして立花が記憶を思い出し終わっても目の前の混沌とした状況は終わっていない。
(誰かこの状況を止めてくれないかな)
そう立花が思った時だった。
「ダ・ヴィンチちゃーん!イッパイ集めてきたから受け取れーい!!」
深夜テンションの少女がラボに入って来たかと思うとダ・ヴィンチちゃんに緑色の箱を投げつけた。
「先輩!?」
「立香ちゃん!?」
「グフッ!?」
ゴスッと鈍い音がダ・ヴィンチちゃんの頭から響く。
しかも投げつける数は一つではなかった。
「そーれ♪呼符ちょうだーい!」
しかもコントロールが良いために少女の投げた全ての箱がダ・ヴィンチちゃんの顔に向かう。
立花が望んだ通り、現在の状況は変化した。
更に混沌とした状況に。
(俺はこういう状況の変化を望んでるんじゃ無いんだよ!)
内心で叫ぶ立花。
だが、残念でした。
知らなかったのか?このカルデアの混沌からは逃げられない。
割りと全員が巻き込まれるのだ。
なお、混沌とした状況になる原因の半分近くがリツカだ。
そろそろぐだーズは自重するべきである。
次回のお話から
ぐだ男=藤丸(君)。
ぐだ子=立香(ちゃん)にする予定です。
分かりにくいもんね。
近況報告ー
ラストの石を使って十連しましたー
やっぱり引きたいオルタちゃん。もしくはエミヤ!
と思ってたらダ・ヴィンチちゃんと縁がつながりました。
うれしいけど第二部プロローグを見てるからちょっとだけ複雑な感じです。