FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ   作:ピリの唄

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多分、タイトルが皆の感想になるのではないかなー?


幕間の物語 誰よ、あれ

カルデアは外部から侵入されることはまず、ありえない。

それはカルデアのある場所が場所だからという理由だけではない。吹雪に覆われているだけでもなく、魔術的にも結界を張っている。

それだけではない。何よりも現在は、人理が焼かれている為に人類がこのカルデアに侵入できる筈がないのだ。

カルデアは人理焼却から逃れた方舟状態。

漂い続けているために人理焼却の黒幕ですら場所を見つけることの出来ない状態になっているのだ。

だからこそ将来契約するであろう、力のあるサーヴァントならともかく、ただの人類が侵入することは不可能なはずなのだ。

 

なのに、見知らぬ(マシュ曰くカルデアの男子用の制服を着ていた)男性がカルデアにいる。侵入者がいることはカルデアに危険があるということの証明になってしまうのだ。

 

「どうしましょうドクター」

「ダ・ヴィンチちゃんを呼んできてくれ」

「わかりました。その、所長にはどうしましょうか」

「・・・・・・マリーには言わないでおこう。彼女がこの事を知るとパニックに陥るだろうからね」

「・・・・・・そうですね」

 

メンタル強度が強めに言っても豆腐な彼女にカルデアに侵入者がいると言った場合、泣きわめき、引きこもること間違いない。

そして教えるべき人間は少なくしないといけない。

無駄に不安を煽るようなことはしてはいけないからだ。

そして、魔術に強くても科学にポンコツな凜に言っても無駄になるかもしれない。

そもそも彼らの時代からみたら、このカルデアは未来技術の塊だからこそ彼らに侵入者がいると言っても多分無駄になるだろう。

そこまで考えた時にロマニは気づく。

 

「・・・・・・そういえば立香ちゃんはどうしたんだい?」

「・・・・・・ハッ!?」

 

どうやらマシュは落ち着いていなかったようだ。

 

「まだ起こしていません!今から起こしてきます!」

「いや、立香ちゃんもきっと自力で起きているんじゃないか?もう少しで9時になろうかという時間だしね」

「先輩は起こされるまではほとんど起きません。特異点でもそうでしたから」

「むしろそっちの方が大丈夫かい!?」

 

ここに立香のだらしない私生活が暴露された。

きっとロマニも責任者にならなければ寝ていたかもしれないことは置いておく。

 

「それでは起こしてきます!」

「あ、ああ。行ってらっしゃい」

 

マシュは走って救護室を出ていった。

 

「やれやれ。ま、立香ちゃんが落ち着かせてくれるだろうし、僕はレオナルドを問い詰めないとね」

 

自称天才がその男性のことを知らないとは言わないだろう。

そしてふと思う。

 

「・・・・・・まさかその男性が立香ちゃんとか言わないよな」

 

カルデアの中にいる人を驚かせるような行動をしていてもおかしくない英霊。

それはレオナルド・ダ・ヴィンチだけだ。

 

「・・・・・・いや、気のせい、もといマシュの報告次第かな」

 

疑われるのは普段の行動からだった。

 

**

 

カルデアの食堂は朝早くからとても混んでいた。

だがこれは仕方のないことなのだ。なにせ職員たちの娯楽と言えるものが食事しか無い。

根源を目指すよりも先に人理を救わなければならず、ゲームなどの遊戯系統もこのカルデアに持ち込んでいる人間はほとんどいない。

そして何よりもエミヤズが食堂のキッチンに揃っているのだ。

混まない訳がない。

 

「食べれない・・・・・・」

 

人気のメニューは立花の頼もうとしている日替わりのオススメランチなのだが、

 

「そこ、気を抜くなと言っているだろう」

「わかってる、お前こそこっちに意識を割いていたら失敗するんじゃないか?」

「貴様のような未熟者と一緒にするな、たわけ」

 

揉めながら作っている彼ら(エプロン着用)に急ぐようには言えず、

 

「シロウ、おかわりをお願いします」

 

食堂の一角を占拠し、おかわりを何度も繰り返す少女がいるため、中々料理も進まない。

 

「・・・・・・普段ならもう少し後で食べるし、今はいいかな?」

 

立花はあきらめた。

混んでいる食堂でわざわざ食べることもない。少し経てば食堂も空くだろう。

そう考えて立花は食堂から目的地を変える。

 

「ちょっと早いけどダ・ヴィンチちゃんのところに行こう」

 

第一特異点の修正が終わったら一度来るように言われていた為、立花はラボに向かう。

カルデアで微かに起こっている事件の元凶、ダ・ヴィンチちゃんの強化ラボに移動開始。

 

事件はまだ、終わらない。

 

**

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嬢ちゃん、まだ続けんのか?」

「そうよ子ジカ。寝てないじゃない」

「うん。アニキ、エリちゃん。付き合わせてごめんね?」

 

シミュレーション室で自らのサーヴァントたちに謝る少女。

その手には一画の令呪が刻まれている。

 

「いや、そこはいいんだが。盾の嬢ちゃんを呼ばなくて良かったのか?」

「私はさ、マシュの先輩だから」

 

自分の部屋に送られた後に中に入らず、誰にも見つからないようにシミュレーション室にこっそりとやって来てそのまま今まで、戦闘シミュレーションを繰り返しやっていたのだ。

 

「マシュの先輩として誇れるように、平凡な私は頑張らないと」

「嬢ちゃんは平凡じゃないと思うけどな」

「そうよ、マネージャーとして最高よ?」

「お世辞ありがとう。じゃあ、もう一回だけやろう」

 

眠らずに自称平凡の逸般人は努力する。




何故か続く幕間の物語よ。

あ、ロストベルトのOP見て思う訳ですよ。
ぐだ男とぐだ子、二人の行動って違うんだなー、って。

という訳でコレ、皆さんの予想や憶測を外せました?
外せてたらいいなー。
いい方向に。

近況報告ー
プリヤを年始でまとめて見ようとして用意しながら年始ピックアップガチャをやったんですよ。呼符で。
来ちゃった、バーサーカー。

予想外。

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