FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ   作:ピリの唄

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今回にて人理定礎が復元されました!
本日二話目。

今回はずっとシリアスですよ。
後は、Apocryphaをアニメしか見ていない人はちょっと悪いかも知れませんが、ネタバレアリです。


Apocrypha

清姫が消えた後に立香たちにも修復の影響が、カルデアからのレイシフトが始まっていく。

 

「今回の助力、感謝します立香。あなたのお陰で私はフランスを守ることができました」

「こちらこそありがとう。ジャンヌのお陰で助かったから」

 

ジークと話す前にこちらに来たのかジークは少し離れた場所に立っている。

ジャンヌは聖女と呼ばれた者として立香の道に希望を渡しておきたかったのだ。

 

「これからの貴方の戦いは人類史を遡る長い旅路です。ですが悲観する事はありません。貴方には無数の出会いが待っています」

 

啓示で彼女がさまざまなサーヴァントと話している姿を見た。

そして黒幕とおぼしきナニカとマシュと二人で向かい合っている姿も見えた。

だからこそ彼女には幸せな先があると知っていて欲しかった。

 

「この惑星のすべてが、聖杯戦争という戦場になっていても、この地上のすべてがとうに失われた廃墟になっていても、その行く末に無数の強敵が立ちはだかっていても。結末はまだ、誰の手にも渡っていないのですから」

 

それはジャンヌなりの激励。

マシュと立香の胸にもそれは響いた。

二人はジャンヌを向いたまま頷く。

彼女たちの眼は力強い光が宿っていた。

 

「やはりいい目をしています。それではいずれまた、運命が交わる時に会いましょう」

「うん。その時はよろしくねジャンヌ」

「はい。よろしくお願いします、ジャンヌさん」

 

二人は特異点から消えていく。

 

「頑張ろうね、マシュ」

「はい!先輩!」

 

レイシフトで特異点から消える直前、ジャンヌとジークが話している姿が見えた。

彼女の浮かべている表情は聖女ではなく・・・・・・

でもきっとそれは立香には関係のない話で、ジャンヌとジークの物語なのだろう。

そして立香たちはカルデアへと戻ってくる。

 

**

 

第一特異点Apocrypha ジャンヌ百年戦争オルレアン

人理定礎値C+?

《オルレアンの聖女》改め、《竜と聖女、魔女幼女》

人理定礎、復元完了。

 

カルデアの被害、0。

獲得したモノ、サーヴァントの触媒多数。

 

 

**

Apocrypha

 

カルデアのマスターたちもレイシフトした今にも消えそうな第一特異点。

そこの壊れた城の前では少女と少年が向かい合っていた。

そう、本来ならまだ会える筈の無かった二人が今、目の前にいる。

 

「ジーク君、今の貴方は・・・・・・」

「ああ、ここに俺がいることは本当はおかしいことなんだろう」

 

何を話せば良いのかわからない。

でも、一番伝えたいことはまだ言えない。言うべきではない。そう自分の中の何かが言っている。

それは自分が彼の元に辿り着いた時に言うべきだ、と。

 

「ジーク君、今の貴方は・・・・・・」

「今の俺は多分竜の俺が見ている一瞬の夢なんだと思う」

 

本体というべき邪竜は未だに聖杯を抱えて世界の裏で待っている。

 

「だから今の俺が聞くべきことはないし、本来なら言う必要もないことだとは思う」

 

いつかの時代に居た破壊の化身と今の彼の状況は似ている。 

本体は眠り、その泡沫の夢のような存在が彼だ。

破壊の化身に会話という選択肢を選ぶことができた。

それはきっと今の彼に会った時のためだったのかも知れない。

 

「だが、俺は言いたい。俺はあの時から変わらずに誰かを待っている。それが君だと嬉しい」

 

嫌われていなかった。

憎まれていなかった。

それが、涙が出るほど嬉しい。

この気持ちの名前はわかる。だが、まだ早い。

 

「そうですか・・・・・・。ではジーク君。待っていてください。必ず会いに行きますから」

 

二人は笑いあう。

特異点という歪な場所で再会した二人。

だが二人は変わらない。

きっと彼はコレからも待ち続け、彼女は探し続けるだろう。

でも改めて交わされた約束は、必ずや実を結ぶだろう。

 

**

 

それはいつかの未来におこること。

 

「よし。それじゃ、出発しよう。もう此処に居なくてもいいんだろう?」

 

竜になった少年と聖女になった田舎娘の物語。

聖杯戦争の外典の物語、その結末だ。

 

「ええ、行きましょうかジーク君」

 

彼女の旅の目的は果たされた。

なら、後は次の旅に二人で向かうだけだ。

 

「あ、そうそう」

 

握り締めた手を離さずに、何でもないことのように少年に告げる。

 

「――私は、貴方に恋をしています」

 

咲き誇るような笑顔で気付いたその想いを口にする。

驚く少年の答えを聞かず、少女は手を繋いだまま歩き出す。

 

「さあ、行きましょう。新しい世界が、貴方を待っています」

 

二人は歩き出す。

彼らの星を巡る旅が、始まる。

 




えー、本編のシリアスをぶち壊すあとがきコーナー、タイガー道場、始まるよ!!

・・・・・・冗談です。ええ本当に。
本当に師範がやって来そうなので無いです。

次回から幕間の物語になりますね。
待ってた。
そろそろストーリーも何も関係のないギャグがしたかったんだよ!

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