FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
サンタじゃよ?
クリスマス要素はやっぱりないであります。
(どうやらあちらは終わったようです、ですが助かりましたね)
ジル・ド・レェを倒すことは海魔の制御が無くなるということでもある。
無尽蔵の召喚は無くなったが変わりに無差別に攻撃を始める海魔。
魔力がキレて消えるまでただひたすらに暴れ続ける海魔。
動きが不規則的になったので天草四郎に攻撃を仕掛けようとするジャンヌたちもタイミングを外している。
当然、天草四郎も狙われているが、サーヴァントたちの攻撃に比べれば海魔の方がまだましだ。
(少し無茶ですが、まあいいでしょう。彼女ならきっと受け止めてくれます)
天草四郎はカルデアの方を向いてタイミングを窺っていた。
***
ジル・ド・レェを倒し、海魔が補充されることも無くなった。
後はこの海魔の山を倒せばこの特異点はきっと修復される。
だから集中して海魔を倒したいのだが、立香の視界はグラグラと揺れていた。
「ジャンヌ・オルタさん!そろそろ先輩が限界です!」
「大丈夫よ!これぐらいで参るような奴じゃないわ!」
「先輩はサーヴァントじゃなくて人間なんですよ!?」
マシュがストップをかけているがオルタちゃんは止めるつもりがないようだ。
たーすーけーてー。
「・・・・・・意外と余裕そうですね」
「でしょ?」
何故かマシュからのストップが止まった。
「お、オルタちゃん。そろそろヤバい、放して」
女子として駄目になるものが口から出てくる前にオルタちゃんにストップをかける。
限界だと分かったのか、オルタちゃんも渋々手を放す。
ふらふらとする頭を振り、口を抑えてから深呼吸する。
そしてそのタイミングを見計らったかのように立香の足下に薔薇の黒鍵が突き刺さる。
「!?大丈夫ですか先輩!」
咄嗟にマシュが盾を天草四郎に向ける。
だが、その時には既に天草四郎は更に何かを投げようとしていた。
ジャンヌたちからは海魔が邪魔になり見えていないが、立香たちにはしっかりと見えている。
殺気は感じないが何を投げようとしているのかもわからない。
「・・・・・・あれ?もしかして・・・・・・?」
ふと前回の人理修復を思い出す。
カルデアが聖杯を所持しなければ特異点が修復されなかった。
ネックだった今回の敵対していた英霊も倒した。
なら後は聖杯を取るだけ。
そしてその聖杯は天草四郎が持っている。
薔薇の黒鍵というジャンヌ・(略)・リリィの時に使っていた合図を使って注意を引いたということは。
「嘘だよね・・・・・・?」
絶対に受け止められるようにしたということではないだろうか。
「フッ!!」
一息に天草四郎が手に持っていたものを投げる。
海魔の隙間をすり抜け、立香たちカルデア組の方へ飛んでくるそれは聖杯だった。
「ま、マシュ!キャッチ!!」
「え、は、はい!」
咄嗟に指示を出すがマシュは防御の用意をしていて聖杯を受け止めることはできそうにない。
盾で受け止めることなら出来るだろうがその場合、飛んでくる聖杯は壊れるだろう。
サーヴァント達にとっても聖杯が投げられることは予想外だったのだろう。誰も反応していなかった。
「壊さないように!」
「む、無理ですっ!」
聖杯は形状的に壊れやすい物だ。
投げられたら壊れるのは仕方のないことである。
(エリちゃんのバートリー城フラグを立たせたら駄目なんだ!)
立香のそんな覚悟も虚しく。
パリンッ
何かの割れる、正確に言うならば聖杯の壊れる音がした。
「すみません先輩。その、聖杯が欠けてしまいました」
どのサーヴァントでも恐らくは無理だっただろう技術を失敗して少し悲しそうな顔をするマシュ。
「フラグがー!?」
だが、残念なことに立香にそれを気にする余裕はなかった。
「いや、まだ欠片の全てを集めれば間に合う!」
「先輩?」
無茶である。
地面に飛び散る欠片を集めようとする立香。
だが、冷静に考えて欲しい。
サーヴァントの力で投げられた聖杯。いくらマシュが受け止めようとしていても、それが割れる時に飛び散らない訳がない。
そして焦る立香はまだ気付かない。
そもそもオルレアン城が壊れた時点で手遅れだということに。
聖杯の形的に壊れにくい訳がない。
そう、欠けたとは言ったが元から欠けていないとは言ってないのだ。
知らなかったのか、エリちゃんライブからは誰も逃れられないということを。
クリスマスに一人だと時間ができるねー
悲しくなんてない。虚しくもない。
近況報告ー
呼符でおっきーこと刑部姫が来た。
え?
ピックアップはエレシュキちゃんだよね?
あれれー?
引きこもり?
クリスマスに引きこもってからかな?
嫌な縁だなー
嬉しいけれども!