FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
今回はどちらかというとジャンタちゃん側がメインです。
「どうしてこうなってしまったのでしょうか・・・・・・」
「きしゃー。知らない、きしゃー」
ジャンヌリリィが思わずルドルフ号(種族ワイバーン)に訊ねる。
勿論、聞かれているルドルフ号(強制労働中)にもわからない。
リリィの目の前では師匠とトナカイ2号が向かい合っている。
「本当にどうして・・・・・・」
時間を少しだけ遡る。
***
「いったい何処にいけばトナカイさんと逢えるんでしょう・・・・・・」
そう呟いてしょんぼりするリリィ。
そう誰も何処に行けばいいのかわからないのだ。
ワイバーンは強制労働で行き先など決められない、少年はトナカイさんのことを知らない。
つまりどうすることもできない、そう思っていたときに薔薇の黒鍵が何処かから投げられた。
少年こと、ジーク目掛けて。
それを咄嗟に剣で防ぐ。
「!?誰だ!」
「少女の嘆き、少女の喜びを聞いたとき、駆けつけ三杯、寿司食いねぇ。サンタアイランド仮面、参上・・・・・・!」
「師匠!!」
剣を突き付けたそこには変な仮面を着けた天敵がいた。
いや、違う。さすがにジークもこんな姿のサーヴァントが天敵だと思いたくない。
「・・・・・・何をしている?」
だが、そこにいるのは天草四郎時貞だ。サンタアイランド仮面とか名乗っているが黒幕と言っていい相手だった。警戒して行動を聞くのは仕方がない。
「知れたこと、迷子の救済だよキャスター」
予想の斜め上の答えが返ってきた。
「迷子ではありません!」
「きしゃー。迷子、きしゃー」
「こら!ルドルフ!」
ルドルフ(既に第二のペット枠)でもフォローはできない。彼らは迷子である。
「真面目に言うならばあなた方に邪魔された時とは違って、今度こそ、人類を救いに来ました」
別の世界で邪魔をされたことを揶揄するアイランド仮面。
失敗しても粛々と受け入れるのではなかったか。
「と言っても前回と違って人理そのものを焼かれては元も子もない。だからこの特異点を修復する。ついでに貴方たちに対する仕返しも合わせて、俺が君を導こう」
オルレアンという場で起こったことの後始末、この少年を導く。
その事を知ればこの特異点に呼ばれているだろう聖女はきっと歯噛みするだろう。
そしてその光景はきっと義弟の言う愉悦なのだろう。
「・・・・・・」
だがジークは差し出されたその手を取るしかない。
迷子と共にひたすらさ迷うだけでは何もできない。サーヴァントとして呼び出されたのに何も成せない。
そして彼女もきっと解決の為に動いている。
逢うには、成すには手を取ることが最善だ。
だが、彼の手を取ることには戸惑いがある。
「さあ、どうしますか?」
「・・・・・・」
迷うジーク。そして愉悦が何かを理解しそうなシロウ・コトミネ。
ただ見守る幼女と亜竜。
そして冒頭の光景に戻る。
最終的に彼は手をとるのだが。
**
「はっ!?ジーク君に邪なものが近づいています!」
「本当かルーラー!?」
「ええ、これはきっと神の啓示です!」
「ならすぐに行こう!ヒポグリフ!」
「二人とも待って!?」
咄嗟に止める立香。
ジャンヌ、それはきっと神の啓示ではなく恋する乙女の危険度センサーです。
「・・・・・・どうしたの?」
現在、カルデア勢(清姫追加)は夜営の用意をしていた。
そんなときに叫んだジャンヌに立香が訊ねる。
恋愛でルーラーがここまでおかしくなるとは思っていなかった。
アストルフォはほら、理性蒸発したポンコツだから。
「大切な居場所が取られる気がします」
「・・・・・・さて、夜営の準備を続けないと」
立香から聞いたものの、訳のわからないものだった。
「・・・・・・ジャンヌってここまで残念だったっけ・・・・・・」
思わず呟いてしまう。
前回の頼れる姿は幻想だったのか。
それとも頼れる彼女がポンコツになるほどの相手なのか。
清姫の夜這いも警戒しないといけない立香の不安がマッハで増えていた。
何せ今のマシュが(服装的に)最終再臨きよひーを止められる可能性はゼロだ。
希望と睡眠/zero。
「・・・・・・大丈夫かな・・・・・・?」
立香は身体が持つのか?
ぐだ子だからきっと大丈夫。
・・・・・・ジルとジャンヌ・オルタの戦力にたいしてオーバーキルな気がします。
どうしようかなー(ニヤリ