FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
よーくよく考えてみると。
「スミマセン、お見苦しいところをお見せしました・・・・・・」
正気に戻った、冷静になったジャンヌ。
暴走していたことを理解しているらしい。
だが、
「ねえ、早く行こうよルーラー!ここは助けたんだし、ボクのマスターが、大切な彼がこの特異点にいるんだろ!?」
「少し黙りなさい!それに貴女を彼のサーヴァントとは認めてません!!」
「でも事実だし。一緒に寝たし、繋がったし」
「紛らわしい言い方ではなくパスが繋がったと言いなさい!!」
「今でも彼を感じるんだ!」
「黙りなさいピンク髪!今すぐに旗で殴りますよ!」
アストルフォの言葉でジャンヌはすぐにヒートアップした。
こんなジャンヌ立香は見たことがない。
気がする。
いや、JKとか神風魔法少女とかになっていたこともあるからきっと見たことはあるだろう。記憶から消しただけかもしれない。
そして気になるのはジャンヌとアストルフォが彼やマスターと呼んでいるのは誰なのだろうか。
「ねえ、このままここで話してて良いのかしら?」
「ええ、イリヤスフィールの言う通りです。どうやら彼女はここの兵士たちにも狙われているようです」
移動を提案しながらも蘇った竜の魔女と呼ばれたジャンヌ・ダルクを警戒する冬木の女性陣。
だが、この状況を見ていると警戒が必要なのかと疑問に思う。
好きな人を巡る修羅場にしか見えない。
聖女と男の娘(多分)が取り合うようなたらしの男性・・・・・・。
「もしかして彼とかマスターにエミヤが関係してる?女たらしだし」
「「なんでさ!?」」
思わず立香が呟いた言葉に衛宮とエミヤが突っ込みをいれる。
エミヤは素が出ていた。というかイケボでなんでさとか言わないで。
だが、立香がそう口に出すのも仕方がない。
多数の世界で何人もの女性が衛宮とエミヤの餌食となっているのだから。
例えば、SN士郎の餌食にはメインルートだけでセイバー、遠坂凛、間桐桜。
ルート外でイリヤ、虎。そしてロンドンでルヴィアゼリッタ。
少し違うがhollow士郎はバゼット、カレン、ライダーとフラグを更に追加する。
プリヤ士郎は無意識で妹たち(イリヤ、クロエ)、その友達(美遊)、家のメイド(セラ)、クラスメイト(凛、ルヴィアゼリッタ、森山奈菜巳)にフラグを立て、ラッキースケベを起こす。
既に13人以上の被害者が毒牙にかかっている。
そしてエミヤ。
月で一人のサーヴァントに惚れられ、マスターとフラグを立てた。
以前のカルデアの全ての胃袋を掴んだ。
これで女たらしと言わない訳がない。
・・・・・・ロマニが知れば呪いそうである。
「先輩、移動しましょう」
「うん、そうだね」
ここで揉めていても話が進まないからね。
砦ではジャンヌから話を聞けない(砦から敵意が飛んできている)から仕方がないのだが。
**
一方幼女と少年はワイバーン(強制的に労働中)に乗って飛んでいた。
「ところでトナカイ2号さん。貴方もサーヴァントですよね?」
「トナカイ2号さん・・・・・・」
少年の心は複雑だった。
別人とはわかっているが恋人そっくりな幼女に名前ではなくトナカイ2号と呼ばれた。
なんとも言い難い気分になった。
そもそもこの少年は疑似サーヴァントでサーヴァントではないのだが。
「クラスは何か聞いても良いですか?これも作戦と何が起こっているのか確認するためです!」
「一応キャスターになっている」
剣はライダーから渡され、心臓はセイバーから。
バーサーカーの永久機関を持ち、そしてルーラーの聖骸布。
そして座扱いされる本体は邪竜。
だが、この少年は魔術師なのだ。
元々造られた時から、適正はキャスターしかない。
たとえ竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)が宝具扱いになっていても、いやなっているからこそ、この少年はセイバーではなくキャスターなのだ。
だからあるサーヴァントとのパスがまだ繋がっている。
「ところで君は何を探しているんだ?」
「トナカイさんです!」
「この時期にフランスにトナカイはいないと思うが」
「トナカイじゃなくてトナカイさんです!」
「すまない、違いがわからない」
果たして彼等は無事に合流できるのか!?
どうしてこうなるの!!
いつ頃終わるのかわからない!!
・・・・・・一回目の遭遇で倒してしまえる程の戦力もあるもの。
そう簡単に終わらないだろうけどね!!
・・・・・・これでアストルフォやジャンヌがガチャで出る可能性が上がったと信じたい。