FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
はじまるよ。
君と~♪
貸し与えられた聖杯。
彼が願うのはつい先日処刑された聖女ジャンヌ・ダルクの復活。
しかし聖杯は万能であっても全能ではない。
そう、復活は叶わなかったのだ。
「ならばジャンヌを、私が信じるジャンヌをおおぉぉぉおお!!」
生け贄が必要だ。
かの聖女、ジャンヌを造り出すのだ。だから純心な子供を集めよう。
しかしそれでも聖杯の能力は高かった。
造り出す、ジャンヌ、子供。
この3つの言葉から別の世界でサーヴァントとして成立した少女を呼び出したのだ。
全体的に白く、心は清らかな聖女に近い。旗を片手に、白い袋を背負っている。
「メリークリスマス!マスター、改めてジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ・ランサー・サンタ、召喚に応じ・・・・・・あれ?」
「おおぉぉぉおお!ジャンヌゥゥゥゥ?」
お互いに疑問符を浮かべて硬直する。
しばらくして硬直が先に解けたジャンタちゃん。
状況を確認するために一度撤退する。
未だに誰ともマスターとして契約していない。信頼できるトナカイさんはいない。今のジャンタちゃんは野良サーヴァントである。
そもそも今はクリスマスではない。
今の時期とここで何が起こっているのかを確認しなければならない。
「何処ですか、トナカイさーーん!?」
最初に未だにこの特異点に来ていないトナカイさんを探し始めるジャンタちゃんだった。
**
リテイク。
今度こそ造り出すのだ!
先程造られたのだろう若いジャンヌが召喚された。
だからこそ造る事が出来るのは確実だ。
惜しむらくは少女だったこと。
故に自らが造り上げる。
私が理想とするジャンヌを!!
そしてこの国に、神に、世界に!
復讐する、滅ぼしてみせる!
決して許すことなどないのだと知らしめるのだ!!
「ですが子供の生け贄はやめておきますか・・・・・・」
少女になった理由はきっと子供の生け贄が多かったからだろう。
そう結論付けて手元にある聖杯だけで造り上げる。
心に闇を抱えた聖女を、復讐を目的とする聖女を!!
その聖女がルーラーではなく、アヴェンジャーとして召喚されることを彼は知らない。
「おおぉぉぉおお!!ジャンヌウウゥゥゥウウゥ!!」
「アヴェンジャー、ジャンヌ・ダルク・オルタ・・・・・・。どうしたのよ、ジル」
・・・・・・ルーラーでありながら復讐を目的とするジャンヌ・オルタを造り出すのだ!!
どの世界でも誰を相手にしても変わることなく、ここでも物欲センサーさん、全力発揮中。
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カルデアに新しく戦力が増えた。
つまり完璧とは言えないが準備ができたということだ。
「えっと麻婆のせいで引きこもった所長にかわって僕から今回のこと説明させて貰うね。君たちには大きな特異点、その中で最も揺らぎの小さな時代に行ってもらう」
「もう一度お願いします」
「立香ちゃんはどこを聞き逃したんだい!?とにかく、君たちの分のコフィンも用意できた。だから比較的安全にレイシフト出来るようになった」
これから何度もするようになるレイシフト、このコフィンは自分の専用機になるのだ。
何故か子供用のコフィン、小動物用のコフィンすら造られていた。
「任務とは関係無いんだけど、霊脈を見つけて召喚サークルを造ってほしい。念話には問題ないんだけど補給物資を送るのに必要だからね」
自給自足が出来るなら問題ないけど、エミヤズがいるなら美味しいごはんが食べたい。
「これからカルデアは主に君たちが特異点にいる間の支援が中心になる。これからすぐにレイシフトしてもらうことになるけど全員大丈夫かい?」
「そんなことよりマシュ、眼鏡似合ってるね」
「あ、ありがとうございます先輩」
「そ、そんなこと!?さっきから空気を読んでくれ立香ちゃん!!大事な事なんだよ!?」
仕方がない、誉める機会がなかったんだもの。
「もういいや、全員コフィンに入ってくれ。これからレイシフトを開始する!」
そして前回に比べて大勢での初のレイシフトが始まる。
さあ、人理修復を続けよう。
第一特異点、百年邪竜戦争オルレアン 修復スタート。
慌てん坊のジャンタクロース~♪
(第一回)クリスマス前にやって来た~♪
まだ夏ですよジャンタちゃん。
そして何処でも登場する物欲センサーさん。