FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ   作:ピリの唄

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帰ってこい、シリアル!


決着、バーサーカー!

 

「ランサー、死にたくなければすぐにその場から下がるといい」

「え?キャーーー!!?」

 

咄嗟に全力で下がるエリちゃん。

エミヤがエリちゃんにした警告のすぐ後にバーサーカーを殺すことができる剣が無尽蔵に降り注いだからだ。

しかも降り注ぐ剣の全てが爆発する。

その全てを防ぐことは流石のヘラクレスであっても不可能だった。

その四肢には貫かれて地面に縫い付けられている。

 

「ちょっとヘンタイマッチョ!!危うく死ぬところだったじゃない!!」

「待ちたまえ!誰がヘンタイマッチョだ、誰が!!それに警告はちゃんとしただろう」

「遅いでしょ!!爆発に巻き込まれかけたんだからね!」

 

エリちゃんのスカートの一部が焦げていた。

咄嗟の回避でもこれである。

 

「まぁ避けられたのなら問題はないだろう?」

「問題がないわけないでしょ!!サーヴァント界のトップアイドルの肌にキズでもついたらどうするつもりなのよヘンタイマッチョ!!」

「だからヘンタイマッチョ呼ばわりは止めたまえ!!」

 

エリちゃんの中ではエミヤ=ヘンタイマッチョのようだ。

 

「コホン、とにかく私の役割は終わったようだ。ランサー、見てみろ」

「あー、確かにそうね」

 

エミヤがエリちゃんに示した方向には光の柱が上っていた。

 

**

 

ヘラクレスの宝具には耐性がつく。

だが通じなくなる訳ではない。

けど念には念を入れておきたい。

セイバーとセイバーオルタが切り替えられるのならば片方ずつ宝具を使ったら同じ性質じゃないから耐性もないはずだからだ。

その事を立香はエミヤの固有結界に入ってから凛と士郎に言った。

 

「・・・・・・確かにあのバーサーカー相手じゃ念には念を入れても足りないかもしれないものね。士郎、セイバーを黒くできる?」

「頼んでみるよ、セイバーだって話せばわかってくれるからさ」

 

そして話に行った士郎を見守る立香と凛。

 

「その、セイバー。頼みたいことがあるんだ」

「シロウ、どうしました?もう少しで魔力が貯まりきるのですが」

「そのー、癖毛を抜いて撃って欲しい。セイバーのことだから耐性を貫くとは思うけど、念には念をってことで」

「必要ありません」

「頼むセイバー!セイバーの料理の量を増やすし、好きな料理を作るから!!」

「・・・・・・・・・・・・しかし」

 

セイバーの意志がとても揺れ動いている。恐るべし、エミヤごはん。

 

「わかった。ならセイバーのごはんにおかずをもう一品付け加える」

「抜きましょう」

 

腹ペコ騎士王一瞬で陥落。

 

「約束を絶対に忘れないで下さいねシロウ」

「勿論だ。セイバーのために心を込めて作るからな」

 

その言葉に頷いたセイバーは自らの手で癖毛を抜く。

 

「シロウ、マスタードたっぷりの手作りハンバーガーだ。わかったな」

「あ、ああ。任せろセイバー」

 

微笑を浮かべ貯められた魔力を解放し、黒い光の柱が立ち上る。

 

「卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め! 『 約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)』!」

 

反転した聖剣から放たれた黒い光は四肢を縫い付けられたヘラクレスを呑み込み蹂躙する。

 

後にはバーサーカーの姿は残らず、消え去った。

 

「流石セイバー。やっぱり強いな」

 

笑顔でそう言う士郎に、照れて顔を赤くすると同時に頭から癖毛が立ち上がる。

 

「改めて、ありがとうセイバー」

「い、いえお礼など必要ありませんよシロウ。サーヴァントとしてやるべきことをやっただけです」

 

そして甘い空気が漂う。

誰かブラックコーヒーください。

 

「その、すみません先輩。私はサーヴァントになったのに役に立てなくて・・・・・・」

 

一度目の攻撃で吹き飛ばされたマシュが漸く戻った。だがその姿はぼろぼろだった。

ヘラクレスのキック強すぎ。

盾がなかったらきっとマシュでも危なかっただろう。

 

「大丈夫だよマシュ。私も何も出来なかったから。これから一緒に頑張って行こうね」

「は、ハイ!」

 

知識も記憶も関係ない。

似て非なる世界になっているのだから動けるようになろう。

隣にいるマシュと一緒に今度こそしっかりと歩いていこう。

立香はそう心に誓った。

 




という感じでバーサーカー決着!!
長かった。
そしてあともう少しで長かった冬木も終了になります!
あとは所長を助けて、修復するだけだー!

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