FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
本当に勝ちたい。
「イリヤさん。本当にこの聖杯戦争の決着を着けても大丈夫なんですか?」
セイバーの宝具がバーサーカーに当たったと同時に、城の中に入ることができた桜は隣で歩いているイリヤへと訊ねる。
この世界の大聖杯も汚染されている。
聖杯戦争の決着が着いたら泥が溢れだしてくるのではないのだろうか。
「心配することはないわよ。既にこの街は燃えてるし、そもそもの大元、アンリマユがここにいるじゃない?」
「あ、そうですね」
確かにその通りだった。
この世界で大聖杯に問題が起こる原因が既にサーヴァントとしてここにいるなら、既に特異点になっているここなら問題はないだろう。
「それよりもサクラ。あなたにも手伝って貰うから。リズ、セラ、儀式の用意をしなさい」
「わかった、任せてイリヤ」
「リーゼリット!ちゃんとしなさい!!」
二人のメイドが儀式の用意をするまで彼女たちは城の外で戦う少年のことを心配していた。
「ねえ、私は?」
一人、何もわからずついていけてないオルガマリーを置いてきぼりにして。
***
「I am the bone of my sword. (───体は剣で出来ている)」
「アーチャー!宝具展開!!」
凛の右手の令呪が消える。
そしてその命令は、アーチャーが宝具を使う為に本来必要な詠唱すら破棄する。
「『UNLIMITED BLADE WORKS.(きっと剣で出来ていた)』」
「■■■■■!?」
その言葉で世界が塗り替えられていく。
燃えさかる炎と、一面の荒野が広がる。
その世界は無数の剣が大地に突き刺さり、空には回転する巨大な歯車が存在していた。
その光景を三人は別の感情を持って見ていた。
藤丸立香はやっぱり頼れるサーヴァントなのだ、と再認識した。
遠坂凛は隣にいる少年をこの世界と同じように空っぽにしないように決意した。
衛宮士郎はその世界が自分の根底にあるものだと気が付いた。故に見て学び、その在り方の一部を写し取っていた。
だがエミヤにはそんなことは関係ないし、学び取っている未熟者を除く二人の少女の考えはわからない。
「まさかまたこのバーサーカーを相手に時間稼ぎをすることになるとは。私も運がない」
一度目は凛とたわけ者とセイバーを逃がすために。
二度目は第三特異点の島でエウリュアレを抱えて走る立香が逃げ切るために。
そして今回。
エミヤがするのは殺し尽くすための時間稼ぎだ。
が、
「別に倒せるのなら倒してしまっても構わんだろう」
そう呟く。
大英雄殺し。
以前はちゃんとした(箱に触らせて殺すのではなく十二回の命を殺すこと)方法で出来なかったその一端を担っても問題はないはずだ。
だが余裕があれば未熟者に痛い目を見てもらうのも良いかもしれない。
答えを得ていても殺すことが目的では無くなっていても、気に入らないものは気に入らないのだから。
***
未来の自分が辿り着いたその世界。
今の衛宮士郎でもその世界にある無数の剣がどういうものかが解る。
無数の高い神秘性を持つ剣がバーサーカーに向かって飛んでいく。
どさくさに紛れて士郎にも。
「ぐあっ!」
咄嗟に飛んでくる剣を回避する。
士郎に当たらなかった剣はその勢いを落とすことなくバーサーカーへと飛んでいく。
「あ、あの野郎・・・・・・」
バーサーカーと士郎を直線として狙ってきたのだ。
絶対にわざとだった。
「いいぜ、殺ってみろ!投影、開始!!」
この場であいつを否定する。アーチャーの世界に存在する剣を投影して真っ向から打ち勝つことで衛宮士郎が諦めることはないと教えてやる。
バーサーカーの相手ついでで殺されてなんてやるもんか――――!!
「な、何が?」
「アーチャーがバカなことをして、士郎もそれに乗ったのよ」
疑問を浮かべる立香に頭を抱えながら説明する凛。
時間稼ぎはどこ行った。
「ほ、本気でヤバイから助けなさい子ジカ~~!!」
一人でバーサーカーの攻撃を防ぐエリちゃん。
頑張ってエリちゃん。
アーチャーの攻撃が効いているのか威力は減ってきているから。
「本当に助けてーー!!!」
ガチャが、当たらない!
書けば出るというのは幻想だったのか?
星4のエミヤが欲しいんですよおおおぉ!!
それはともかく、おかしなことを友人に言われました。
「冬木だけってことはzeroはするんだよね?」
と。
そう受けとる人がいるとは思ってなかった。
汚染炎上都市、冬木だけの予定だから!!